二話 計画通り
スザクは先ほど決まったことを伝えにパークの上空を飛んでいた。
サバンナを来たところでスザクはある人物を見つけ、急降下しその人物のもとまで降りた。
「おーい、パークガイドよ!すこし良いか?」
「ん、あ、スザクさんじゃないですかどうしてここに?」
そこにいたのはジャパリパークガイド長のミライとサーバルだった。
サーバルはサーバルキャットのフレンズで女王襲撃事件での解決に貢献したメンバーの一人である。
「ちょっとあいつに用があっての」
「あいつ…あ、園長さんのことですか?」
「そうじゃ、今あいつはどこにおるかや?」
「えーっと園長さんはパークイベントのいろいろなことをみるのとかで忙しいのでどこかにいるかはちょっと…」
「そういえばきょうすごく熱いからパークセントラルの気温を管理するって言ってたから今は多分セントラルに行ってるんじゃない?」
「ぐぬぬ…今からそっちに行くのはちとめんどいの…」
夏休み期間でもあり園長である彼もいろいろなちほーに引っ張りだこでパークの職員も彼の動向はわからないでいる。
「たしかに今行っても入れ違いになるかもですもんね、何なら私から伝えておきましょうか?」
「んー、そうじゃな々職員のお主ならすぐ伝えられそうじゃしの」
スザクは表情を改めて園長に伝える旨を伝えた。
「ではこう伝えてくれ、『おぬしの思い通り全員参加じゃ』とな」
「はい!確かにそう伝えておきますね」
「ねぇねぇスザク、園長さん何かするの?」
「おぬしらには関係ないことじゃ、それじゃあたのんだぞ?」
そういってスザクは何も言い残さず飛び去って行ったのであった。
#
「あれ、園長さんじゃない?」
スザクが飛んで行った数分後、サーバルとミライのもとに何かが近づいてくる影があった。
「あ、園長さんお疲れ様です。今スザクさんがいらっしゃってていたんですが、入れ違いになっちゃいましたね…」
「え、今いたの!?うーん、運がなかったなぁ直接話せたらいろいろ話せたし都合よかったんだけどなぁ」
頭を掻きながら汗を拭くためにカバンからタオルを取り出す。
夏となると夕方にになっても日は高く暑い。
「あらら、それは残念ですね…でもスザクさんからの伝言は預かってますよ」
「お、スザクはなんていってました?」
「えっとですね、おぬしの思った通り全員参加じゃ、だそうです」
「おぉー、それはよかった。予想通りだったってわけじゃないけどひとまず一安心かなぁ」
そういって胸を撫でおろす。
サーバルはここぞとばかりに園長に質問をした。
「ねぇねぇ園長さん、全員参加って何の話?また新しいイベントとか何かなの?スザクが関係してるってことは四神が中心とか?」
「んーイベントといえばイベントだけど、パーク内のイベントってわけじゃんだ」
「イベントだけどパークのイベントじゃない?」
少しわかりにくい言い回しにサーバルは首をかしげる。
それを見て園長はくすくすと笑った。
「パークでやってるイベントっていうのは基本的にお客さんに楽しんでもらうためにやってるものだ。確かにフレンズであるアニマルガールたちに楽しんでもらうてのも含んでるが、今回考えてるのは完全にアニマルガールだけに楽しんでもらう、個人的な話お礼をするっていうわけなんだよ」
得意げに話す園長をしり目にサーバルは頭にはてなマークをたくさん出していた。
「で、結局だれにしてあげるっていうイベントなの?」
「あぁ、肝心なことを言い忘れてたね。今回の主役は四神であるスザク、セイリュウ、ゲンブ、ビャッコの四人だ。」
「ふむふむ、園長さんいつの間にそんなことを考えてたんですか?」
「つい最近だね、ミライさんなら知ってると思うんだけど少しばかり前に四神のことでいろいろあったんだけどその時からしばしば交流があったんだ。セルリアンのこととかでお世話になったからね。で、そのお礼を今できないかなって」
「えぇー!園長さん私の知らないところで四神と仲いいの!?」
「まぁ何かと無理難題を押し付けられたりもしたけどね…」
園長のいままでの頼まれごとを聞いたサーバルは顔をしかめる。
衣食住の調整、特に食事のことについてはオイナリサマが食事を作るということになるまで食事の用意もやらされていたそうな。
「しかしよく休みが取れましたね、園長さんっていろいろやってるんじゃありませんでしたっけ?」
「いや、三泊四日の予定なんだがそのあいだ代わりの適役に頼んでるから大丈夫だ。一応こちらとも連絡できるようになってるからアクシデントがあった時は対応できるから安心して大丈夫だ」
「用意周到ですね、さすがです!」
「まぁ一応休みをもらう…というか自分が最高責任者ってことになってるから休みを取るってなんだか変な感じだけどね。っと、それで話を戻すけど最近彼女たち部屋から出ずにぐうたらしてて少しも体を動かしてないらしいんだ。これじゃあいけないと思ってどこかに連れて行こうと思ってるんだ」
「こもってるフレンズを引っ張り出すなんて、鬼だね」
「いやいや俺なりのお礼のつもりだよ」
怪訝な顔をするサーバルだったがそれはすぐに一蹴されてしまった。
「むー、で、園長さんはどこに連れてい行くつもりなの?さすがに変なところには連れて行かないよね?」
「へんなところってどこだい?まぁ冗談は置いておいて今回行くのは…海だ。ジャパリパークの外にある貸し切りができる海があってな、その近くの宿屋も貸し切りできるってことだからフレンズを連れていくにはもってこいの場所だ」
「へぇ-!貸し切り!すごいね!」
「さすがに他の人がいるところで神格フレンズはおちおち連れ出せないし、楽しんでもらうためならそっちのほうがいいと思ってな。ちゃんとそこに行くためのはできてるけど、財布がすっからかんになっちゃったけどな」
そういって笑いながら手をプラプラさせるジェスチャーをするが、その笑顔は引きつっていた。
「いいなぁーわたしも海いきたいなぁー。パーク内だと水系フレンズとお客さんでほとんど埋まっちゃってて混んじゃってるし、イベントもあるからいけないもんねー…。ミライさんどうにかならないかな?」
「それならご安心ください!八月の下旬の一週間はパークがお休みなので、「その間の時にいろいろなフレンズさんを呼んでみんなで行きますか?」
「それはいいな、自分はその間今後の予算とかのことを考えなきゃいけないからその場には立ち会えないけど、めいっぱい楽しんでおいで」
「え、園長さん来ないの!?絶対いたほうが楽しいのにー」
「海辺にフレンズがたくさんいる中で男の俺がいるのもなんかあれだろう?そういうのはミライさんに任せますよ」
「え、あ、はい!任せてください!ちゃんとフレンズさんたちの水着姿をしっかりと保存させていただきますので!」
「あ、ごめんやっぱりほかの人に頼むわ」
「じょ、冗談ですってば~、誰も寄せ付けないようにしっかり監視してますからぁ~」
「時々ミライさんって暴走するから心配なんだけど…」
「まぁ大丈夫でしょう」
サーバルが疑いの目でミライを見るが当の本人はあまり気にして無いようだ。
そんなたわいのない話をしていたらサーバルが耳を傾け振り返った。
「ん?サーバル、どうした?」
「あっちでカラカルがわたしのこと呼ぶ声がしたから。えっとそれじゃあ…」
「あぁ、行ってくるといいよ」
「うん!それじゃあ園長さん、ミライさんまたねー!」
後ろを見ながら手を振るサーバル。
無効を見るとそこにはカラカルやトキなどいつものメンバーがそろってサーバルを迎えていた。
「サーバルはいつも元気だな」
「そこがサーバルさんの一番の長所で一番かわいいところでもあるからですものね」
そういうとミライは真面目な顔で園長さんに向き合った。
「園長さん、前々からずっと聞きたかったこと、今聞いてもいいですか?」
「ん?改まってどうした?今は全然大丈夫だけど」
「えっとですね、あなたはアニマルガールであるフレンズさんと恋愛関係になるってなったらどう思いますか?」
「フレンズと恋愛関係?それ、今まで恋愛経験がない俺に聞きます?でもふれんずとかぁ…それってどうなるんだろうな。もともとは動物だったわけだけど、アニマルガールの姿はヒト当然だし…。変な話結婚するっていうのはどうかと思うけど、ただ恋人になるぐらいだったらいいとは思うかな」
ミライからの予想外の質問にうろたえていたが彼なりの答えを出した。
しかし園長であってもまだまだアニマルガールのことをすべて知っているわけではないしこの質問の答えは持っていなかった。
「まぁ女性であるミライさんの前で言うのもあれだけけど、アニマルガールたちと俺たちは種族が違うから、その、できないんじゃないかなぁっておもうけど、子供とかそこらへんとか…そういったこととかも…。まぁ俺は管理部のことは身分上いけないのでフレンズたちのそういったところは正直知らないんだよな…。しかしまたなんでこんな質問を?」
「特に理由っていう理由はないんですが、フレンズさんも女の子だし、恋とかもするのかなぁって思ったんです。でもアニマルガーツ達と人間は見た目は似ててもまったく別の存在です。人ならできることをヒトの姿になったフレンズさんたちができない、なんてなんだか悲しいやないですか…。そこのところはどう思ってらっしゃるのかなぁって」
「アニマルガールの恋愛か…。それはそれぞれの気持ちを尊重するべきなんだろうけど、それは俺にもわからないな」
動物であっても感情はある、アニマルガールだって例外ではない。
喜怒哀楽もあり誰かを好きになったり嫌いになったりする。
「我々人間と動物を繋ぐ、懸け橋のような存在のアニマルガール。いままで彼女たちが恋をするということはあまり考えてこなかったな…園長として感情の点も頭に入れておかないとな…」
「あ、すいません難しい相談してしまって」
「いんや、俺も大事なことを気づかせてもらったよ。っともうこんな時間が、日が暮れる前に社宅に戻ろうか」
時計を見てかなり話しこんでしまったことに気付く。
二人は軽く挨拶をしてそれぞれの帰路へと向かったのであった。
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