第6話 お金について考える。
子どもの頃から計算が苦手だ。
そのせいもあるかもしれないが、「お金」について考えるのが苦手だ。
学校で家計のことを学ばなかったし、銀行のことも学ばなかった世代だ。
お金のことをいうのははしたないと言って育てられたせいもあるかもしれない。
で、大人になって苦労している。
まずは利息の計算などが入ると結局、どっちが得かわからない。利息がいくらか聞かれるのが一番苦手だ。何パーセントとつくと、とたんに面倒くさくなる。
どんぶり勘定人生だ。でも、なんとなく乗り切っているので運がいいんだろうと思う。
今は、資産運用などを考えないといけないらしい。しさんうんよう‥。
世の中には株式投資とか積み立てやら、国債を買うとかいろいろな方法があるとか。
預金の利息が良かった時代は何も考えずに定期預金やら定額貯金やらにしておくだけでよかったので楽だった。株式投資だのになると、どの会社でやるかから始まってどのファンドを選ぶのか、日本円にするか外貨にするかなど選択肢が多すぎる。決定するためには知識がないと決定できないし…。知識を入れるのを面倒くさがっているようだと資産運用はできない。
そもそもの知識レベルが低いので、勉強することが多すぎる。どうしたらよいのか途方にくれ、時間ばかりが過ぎていく。
つくづく、お金というものは面倒くさい。無くなると困るので、減らさないよう考えると「節約」ばかりに目がいくが、そうしていると気持ちが荒む。お金を増やすには働くしかないと思っていたが、今はいかにお金に稼がせるかというのを考えないといけないらしい。世の中、複雑すぎる‥。
お金がないと確かに困るので、考えないわけにいかない。面倒に感じて気持ちが重い。
「現在、どのくらいの食費や光熱費がかかっているか一か月あたりの生活費を出してみたらいいですよ」
とお金に強い人に言われたので、やってみた。でも、1年に1回しか払わないものや固定資産税や住民税みたいに払っている自覚が薄いものもあったりで、我が家の一年間の生活費をだしてみないとという気になった。
そして、まだ出していない。
収入があるうちはいいけど、年齢を重ねれば病気やケガのリスクも高まるし、退職すれば収入は落ちる。年金があてにできない今、困らないように備えましょうというのはわかるけど、「お金」について考えることは、これからの自分という不確定な要素を考えることだ。不確定すぎてどこから手をつければいいのか、まったくわからない。
「まずは将来どういう生活をしたいか、そのために何が必要か書き出してみるといいですよ」
と人から言われたので、やってみた。自分のことならぼんやりながらもなんとかイメージできたが、問題はダンナ。世帯として考えるとよいと言われたが…。
ダンナがいくらの収入か、貯金がいくらか全く知らない。
そういう話って、しようと思うとなかなか切り出し方がわからないもので、結局うやむやになり、いまだに手をつけていない。
身近で突然亡くなる方もいたりして、とりあえずどこの銀行の口座にどのくらいあるとか、パスワードとかまとめておくかと思いつつ、それをどこに隠しておけばいいかと悩んでみたり。
結局、お金に関して苦手意識があるので、できるだけやりたくない気持ちだからこんなに物事が進まないのだと思い当たった。
お金がたまったらこれをしようとか、このために貯めようとか、そういう前向きな理由が必要なのかもしれない。
もっとお金に対して明るいイメージを持てばいいのかも。
貯金が〇円になったら、焼肉食べ行くとか?
ああ、発想が貧困で泣けてくる。こんなんじゃちっとも推進力にならない。
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