110.ドラゴンはやっぱり強い
ドラゴンの《咆哮》から真っ先に立ち直ったのは意外にもジンではな俺だった。
とにかく接近戦が俺には出来ないので遠距離から牽制で時間稼ぎだ。
ハイオーガにすら効果がなかった《必中の矢》では意味を成さないだろう。
ハイオーガを蜂の巣にした《機関銃マシンガン》をぶっ放しながらドラゴンの注意を俺に集中させるように移動する。
ドラゴンの皮膚を一応は貫いているようだが出血がほとんどみられないところを見るとドラゴンの筋肉までは届いていないのかもしれない。
とりあえず俺に今できるもっとも有効な攻撃がほとんど利いていないのは軽くショックだ
ただ全く利いていないわけではないようでドラゴンは俺に意識を向けてきた。
俺とドラゴンの間に無数の炎の弾丸が形成される。
「マジか!」
まぁ、ファイヤリザードでさえ火の玉を飛ばしてきたんだからドラゴンならそれ以上のことをするのは当たり前だよな。
この無数の炎の弾丸を結界で防ぐのは魔力の無駄遣いになりそうだな。
できる限り回避するしかないな。
オレは《韋駄天》に《プログラム・強化》を追加したものを発動し、《プログラム・空間魔法》で炎の弾丸の軌道を把握して次々放たれる炎の弾丸を避けていく。
さすがにジンにようには回避出来ないのでどうしても避けられないものは《機関銃》で打ち落としたり、結界で防ぐことで対応した。
そうしているうちにジンが《咆哮》から立ち直ってドラゴンに向かって行く。
さすが我らが特攻隊長、俺と違って炎の弾丸を避けながらドラゴンに接近すしている。
ドラゴンはジンの接近を許すと炎の弾丸での魔法を緩めてジンに対して炎を纏った爪を振りかざす。
それに対してジンは《分身》を多数展開してドラゴンに的を絞らせない。
ドラゴンがジンの分身に惑わされている間に懐に飛び込んだジンがドラゴンの右前足を切り飛ばせ・・・なかった。
さすがにファイアリザードのようにはいかないか。
しかし、見た感じちょっとした擦り傷程度にしか見えないぞ。
「クッソ~、ソラ滅茶苦茶硬いぞ!」
ジンの攻撃も効かない。
オレの《機関銃》もダメ。
ポックルは相性が悪い。
パッシーのブレスは牽制にもなっていない。
「ジン、暫く時間を稼いでくれ!」
「分かったぞ!」
《雷火の矢》を《プログラム・強化》で威力を底上げし《プログラム・運動エネルギー吸収》で発散する熱エネルギーを循環させエネルギーロスを極限まで減らした《雷炎の強弓》を放つ準備を始める。
すると俺の動きおそらく魔力に気がついたドラゴンはジンの相手をしながら体内の魔力を高め始めた。
何をしようとしているのか分からないが俺も今更止めることは出来ない。
俺は焦る気持ちを《冷静》さんで抑えながら《雷炎の強弓》に魔力を注ぎ続ける。
5分にも満たない時間が1時間にも感じるほど緊張感が高まる
ドラゴンの体内には俺の《雷炎の強弓》以上に膨大な魔力が集まっている。
しかし、ドラゴンが行動を起す前より先に俺の準備が整った!
「ジン、準備が出来た!すぐに離脱しろ!」
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