111.ドラゴンブレス
俺の声を聞いた瞬時にジンはドラゴンと距離をとる。
その瞬間を待っていたかのようにドラゴンは体内に溜め込んだ魔力を口内へと急速に集めている。
おそらくかの有名なドラゴンブレスを放つに違いない。
≪直感≫さんがあれはヤバイと言ってる。
≪雷炎の強弓≫の倍近い魔力量が集まっているのだ。
とにかく先に攻撃して何とかドラゴンブレスが放たれるのを防がないと!
俺の希望を打ち砕くかのようにドラゴンは俺が≪雷炎の強弓≫を放つと同時にドラゴンブレスを放ってきた。
≪雷炎の強弓≫とドラゴンブレスが空気を切り裂き甲高い音が空間に響き渡る。
一人と一匹の必殺の一撃は互いに正面から激突した。
一瞬両者は拮抗したかのように思えたがあっと言う間に≪雷炎の強弓≫はドラゴンブレスに飲み込まれてしまった。
「ブヒブヒ。ブヒ!」(主何とかしてくれ。まだ死にたくない!」)
(マモル?)
いやこれを防ぐのは無理だろ。
「パッシー、ポックル。俺に任せておけ!」
とにかく全力で反らす!
≪プログラム・風魔法≫と≪プログラム・ベクトル操作≫で空間全体に右方向への圧力を高める。
≪プログラム・空間魔法≫でブレスの進行方向を正確に把握し≪プログラム・結界≫でブレスに対して右へ45度傾けた結界を時間と魔力の許す限り生成。
≪プログラム・運動エネルギー吸収≫と≪プログラム・吸収≫で出来るだけブレスの威力を削ぎ結界の強化に回す。
≪プログラム・強化≫で全体を強化して俺は最後の悪あがきで土魔法で開けた穴に水魔法で水を貯めてその中に飛び込むと同時にブレスの光が俺達を覆い尽くした。
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ポフ。
「プハっ。あ~、死ぬかと思った~。」
「ブヒブヒ」(生きてるって素晴らしい。)
(アルジ ガンバタ)
何とか直撃を免れた。
俺達のすぐ脇をドラゴンブレスが道を作っていた。
迷宮の壁にも穴が開きその先がどこまで続いているのか分からない。
さて困った。
こっちの溜め技より相手の溜め技のほうが高性能だ。
威力も速射性も上と来ている。
「ブヒブヒブヒヒ」(主何とかしないと何時までもジンは持たないぞ)
はぁ、もう一つ試してないことがあるけど気が進まないんだよな。
この切り札は接近しないとダメなんだよ。
俺はジンみたいには接近戦ができない。
しかしドラゴンを倒さないとエンシェントエルフの指輪も手に入らない。
その上全員で逃げるのも難しい。
ジンを残して逃げるのは論外だしな。
「ジン、ポックル。俺ちょっとドラゴンに接近戦を挑むから援護を頼むな!」
「ブヒブヒ」(主あるじ気でも狂った!?主に接近戦は無理だよ!)
「とは言っても残っている切り札は接近しないとダメだからな~。どっちみちこのままだとドラゴン倒せないだろ?それともパッシーはジンを残して逃げるのか?」
「ブヒ~」(それは~)
「接近できれば勝負が出来るはずだから援護をお願いね。」
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