103.かつての強敵は今

本日は早くもに最終階層を目指す。


その前に予定通り5階層と10階層でアイテム収集リレーだ。


5階層 ポーション、護符、ポーション、護符、護符、ポーション、鉄の剣


10階層 収魔のペンダント、収魔のペンダント、鋼鉄の剣、収魔のペンダント


ポックルのリアルラック?が半端ないな。


まぁ、早くアイテムが集まったの良いことだからいいけど・・・。


それにしても6割の確率で排出してますよ。


6割。


今後も運が必要になったらポックルに頼もうかな。


はっ!


まさかこの後悪いことがある何てことはないよね?


ってそんなフラグを立てている場合じゃない!


「ソラ、目的のアイテムが集まったんだから早くオーガと戦いに行くぞ!!」


急かすジンを先頭に俺達は21階層に向かった。




21階層オーガの移動のためか今までの階層と比べて明らかに通路の天井が高く道幅も広くなっている。


相手が一匹の場合はジンがメインアタッカー、ポックルが移動阻害、オレとパッシーが牽制を行う。


相手が二匹の場合はジンとオレがメインアタッカー、ポックルとパッシーが牽制を行う。


三匹以上は一時撤退とした。


おそらくオーガ二匹との戦闘に問題無ければ三匹が相手でも戦えるだろう。


なぜならいくら広い通路とは言え全長3メートルのオーガが二匹並ぶのがやっとだからだ。




オレの≪魔力感知≫がオーガの気配を捉えた。


初めは一匹だけを相手に戦いたかったが期待に反して二匹が纏まっているようだ。


いつもいつもそう都合良くはいかないか。


まぁ、三匹以上じゃないことは救いか。


「オーガが二匹来る!予定通りに対応するぞ」


「おう!」


「ブヒブヒ」(分かった。)


(ワカッタ)


特攻隊長ジンがいつも通り先陣を切る。


オーガはジンのスピードをしっかり反応出来ているようで手に持っている巨木をジンに向かって正確に叩き付けてきた。


俺はドキドキしながら心配していないふりをする。


やはり心配は杞憂だった。


オーガが巨木を叩き付けたのはジンが≪幻影≫と≪偽気配≫で見せた幻だった。


一方本物のジンはオーガが床に叩き付けた巨木を伝ってオーガの腕を駆け上っている。


オーガもさすがに腕の上を走っているジンにはすぐに気づき振り払おうと腕を振り回すがそれは完全に悪手だ。


ジンはオーガが腕を振り回した瞬間に≪天駆≫を使って下に落とされることなく空中を駆け抜けた。


腕を振り回したせいで姿勢が崩れたオーガの顔を目がけてジンは横一閃に斧を振るう。


さすがにあの太い筋肉で覆われた首に致命傷を与えるのは無理と判断したようだ。


ジンの一撃で両目を切り裂かれたオーガは片手で目を抑えながら無茶苦茶に巨木を振り回しているがジンはすでにオーガの傍を離れている。


オレもジンが戦っている間ボーっとしていたわけじゃない。


ポックルが≪植物魔法≫でオーガの動きを阻害している間に≪雷炎の矢≫でオーガの頭半分を吹き飛ばしている。


少々溜めの時間が必要だったがポックルのお蔭で余裕を持って対処できた。


ジンもオーガがパッシーのブレスに気を取られている隙にスピードを活かして何度も首を切り裂いてオーガを仕留めていた。


この調子ならオーガが三匹以上出てきても大丈夫そうだ。


今ならもしレイナさん達と一緒に戦うことになっても問題なく共闘できるだろうな。


ホントよく考えなくても俺達は恐ろしい速度で強くなっている気がする。


それでも何があるか分からない。


絶対に慢心しないように心がけよう

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