20.買い物はめんどうくせぇ

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ピコーン


安全確保の効果がなくなりました。


直感Lv1を取得しました。


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「当たり前だけど、夢じゃないんだな。」


知らない天井を眺めながらそんなことをつぶやいた。


翌日眠りから覚めても当たり前だが今までのことは夢だったということは無かった。


まだ寝てるパッシーはを起して朝食を食べに行くか。


「お~い、パッシー起きろ。」パッシーを揺するが全く起きる気配がない。


宿を決めるときメシにこだわってたなぁ、飯のネタでなら起きるかも。


「パッシー、起きないなら飯はオレが食べとくぞ。」と言った瞬間。


聞こえてないはずなのにパッシーはガバっと飛び起きて四肢でしっかり立ち目を大きく見開いていた。


「ブヒブヒ~。」(主、そのメシはオレのだぞ。)


パッシーの飯への執念の一部が見て取れた。


ただし、口から盛大に涎が垂れていたが、汚いな。


「ブヒブヒ!」(主オレのメシをどこへやった!)


「よし、起きたな。メシはこれからだぞ。」


「ブヒ?」(そうか?)


パッシーは不思議そうな顔をしながらフラフラ飛びながら食堂に飛んで行く。


「一人で行ってもメシは出てこないぞ。」


オレもパッシーに続いて部屋をでた。




1階の食堂に降りておばちゃんに食事を頼んだ。


すでに何人か朝食を食べている人たちがいる。


昨日は気にしなかったがオレたち以外にも宿泊客が多くいるようだ。


いろんな人がいるが比較的オレと似た人種が多いな。


「お待たせ、今日の朝食はハムとサラダとパンだよ。」


これだけ聞くと元の世界の朝食とほぼ変わらないな。


「ブヒブヒ。ブブヒ。」(主オレはもう食うぞ。なんかメシを一食くってない気がするんだ)


パッシーが待ちきれないみたいだ。


ただ一食くってないのはホントに気のせいだ。


「よし、食べよう。」


ハムは普通だな、塩を使ってないのかなくらい。


サラダは昨日の夕食と同じ。


パンは黒パンだな、ちょっとパサパサしてるけど固くて食べれないと言うことはない。


まぁ、食事がまずくで我慢できないってほどではないな。




朝食と朝の仕度を終えて街に出てきた。


「さて、パッシー今日は買い物に行くぞ」


まぁ、パッシーが必要なものはないけど。


「ブヒブヒ」(分かったぞ。場所も買うものも分からんから主に任せるぞ。)


なぜこの使い魔は働かないのだろうか。


「地図アプリで目星はつけてるから場所は大丈夫だ。」


まずは旅道具や生活用具の買出しだな。




地図アプリで目星をつけた道具屋ザックス道具店にやってきた。


おそらくザックスさんがやっているのだろう。


外観は石造りで他の建物と変わらないが入り口のところに大きな看板がつけてある。


さっそく入ってみるか。


「パッシー、うろうろするなよ。」フワフワ飛んでたパッシーはオレの頭に乗ってきた。


いや。まぁ、ウロウロされるよりは良いんだけど、こいつ主の頭をなんだと思ってるんだろう。


このモヤモヤは次の機会に晴らすとしよう。


「いらっしゃい。」この人がザックスさんか(勝手に決め付けているだけだが)


「え~と、旅の道具一式と傷薬、あとタオルと歯ブラシや石鹸はありますか。」


旅の道具は良く分からないので一式と言えば大丈夫かな。


「テント、毛布、マント、調理なべ、ナイフ、コップ、皿、魔法の水筒、火付けの魔道具、ロープ、収納袋。これが一式であと、歯ブラシ、石鹸、タオルは3枚、下級ポーション2つ以上でいいか?」


他には保存食が必要なのと毛布をもう一枚かな。


「ファルスまでの日数プラス5日分の保存食と毛布をもう一枚」


ファルスまでの日数を聞くのを忘れてたな。


多くかわされるかもしれないが足りないより良いだろ。


「それなら合計で銀貨32枚だな。」


う~ん、高いか安いか分からんが、現代と比較しても乖離は少ないし、地図アプリの情報でも良心的とかかれてたので良いだろ。


代金を支払って買ったものをアイテムボックスに入れた。


エレナさんとギルド職員の反応からアイテムボックスを隠す必要はなさそうなので気が楽だ。




服はスーツの特殊効果のおかげで快適なので、衣類は下着と目立たないように上から羽織るローブを買った。


パッシーは道具屋の前から頭の上で寝ている。


こいつ寝るか食べるしかしてないな。


さてめんどうな買い物もあとは武具か。

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