16.エレナさんとデート≪ギルドへ案内してもらう≫

こんなキレイな人に道案内してもらえるなんて異世界に来てよかった。


顔がまた崩れたら大変だ。


≪ポーカーフェイス≫さんお仕事お願いします。


「こちらがギルドです。ソラさんの国とは勝手が違うと思うので登録までご一緒しますね。」


エレナさんの後ろ姿に見とれているといつの間にかギルドについたらしい。


道が分からん。


まぁ、いざとなれば地図アプリがあるからいいか。


ギルドはオレの想像していた木造の西部劇の出てきそうな酒場みたいな建物とは違ってしっかりとした石造りの2階だての建物だった


。窓は木でできた小さな扉みたいな形で窓を開けても格子状の木枠があって窓からの出入りはできないようになってる。




エレナさんが建物の中に入っていくので建物の観察をやめてオレも建物に入る。


時間帯の問題なのか人はあまりいないようだ。


入って右手側は丸テーブル一つに椅子が4つのセットが5セットほどあり、左手に受付カウンターの向こう職員らしき人たちが仕事をしているのが見える。


エレナさんに続いてカウンターの前に移動した。


「誰かこの人のギルド登録と従魔登録をお願い。」


すると奥から青い髪をしたメガネをかけた男性が出てきた。




「エレナ様がギルドにいらっしゃるとは珍しい。王国騎士団の推薦ということでしょうか?」


騎士団の推薦とか後々めんどうそうだな。


ここは断っておくべきか。


「いや、騎士団ではなく私個人の推薦だ。」


エレナさんそれはちょっと期待しちゃいますよ。


いや無いのは分かってるけど夢をみるのはいいじゃないか。


団長個人の推薦って悪目立ちするよな。


でもエレナさんとの縁は切りたくないから仕方ない。うん仕方ない。


「エレナ様の推薦ですか。分かりました。」


なんか受付の男の人の目つきが変わった気がするのは被害妄想であってほしい切実に。




「ではこちらの用紙に記入をお願いします。」


名前はソラだけにしておこう、スキルは尋問のときも特に反応が無かったのでアイテムボックスを記入、使用武器は弓、獣魔の名前はパッシーと。そういえばいつまで寝ているつもりだパッシー。


「これで良いですか?」確認してもらうために用紙を渡した。


「はい、内容は大丈夫ですね。少々お待ちを。」


そう言うとカウンターの向こう側でゴソゴソし始めた。


1分もたたないうちに作業が終わったようで。


「カードに魔力紋を登録しますのでこちらに手載せてください。」


手を載せる台が一体化したカードが差し込まれた機械が出された。


魔力紋って指紋の魔力バージョンみたいものかな。


わざわざ登録するくらいだからおそらく個人を識別できるものだとは思うけど。


予想を立てながら手を機械に乗せた。




***************


魔力解析を受けました。


危険性はないのでレジストしませんでした。


ピコーン


魔力解析Lv1を取得


***************




またまたスキルを取得した。


《なまけもの》さんが仕事してないのか。


メリットしかないから良いか。


「ではこちらがギルドカードです。Fランクからのスタートとなります。ただこの街ではFランクで受けられる依頼は無いので、街の移動をお勧めします。アイテムボックスを使った運搬係をして頂けるなら、無料でギルドの素材を運送する荷馬車に乗ってとなり街のファルスまでいけますがどうでしょうか?ただ食事などは準備してください。」


エレナさんとは離れたくないが仕事ができないのはダメだ。


ここは心を鬼にしてこの提案に乗るしかないか。


「ぜひお願いします。出発はいつですか?」


あれ、そう言えば信用なんて全くないはずなのに重要そうな仕事ができるのはやっぱエレナさんの推薦のおかげかな。


あとでお礼を言わないと。


「明後日の朝の9時にギルドまで来てください。」


「ちなみにアイテムボックスには私の荷物も入れるので容量は20キロ前後になると思います。」


容量を伝えとかないと、後で問題になるかもしれないからな。


「容量は十分ですね。あとこちらがギルドに関する資料です、早めに確認しておいてください。以上で登録は完了です。あとこちらは従魔の印ですので必ず着けてください。」


はぁ、いきなり街を移動とはめんどくせぇ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る