第1話 壁(19p)
「吉永様。これから検査をしますので……簡単な検査ですのでご安心下さい。岡谷(おかや)さん!」
彼がそう言うと、誰かが部屋に入って来た。
その声でパステルブルーのナース服の女性だと知れた。
ナース服の女性と私の間にも壁が有る。
彼女の姿は壁で隠れ、もう全く見る事が出来ない。
「吉永様。私が検査を担当させて頂きます。検査室へご案内しますので、こちらへどうぞ」
私は、そう言う彼女の後に黙って続いた。
検査室に案内され、視力検査や眼底、眼圧検査というのをやり、乾き止めの目薬をさされて、診察室に戻された。
「あの、先生? 私の目はどうですか? 大丈夫ですか?」
椅子に腰掛け、私は壁越しに問い掛けた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます