第1話 壁(17p)
今西(心)……と書いて有る。
「吉永貴子様ですね。本院でお書き頂いた問診票では疲れ目で目が見えにくいと有りますが……詳しく伺えますか?」
「はい。目に疲れを感じるんです。何だかぼんやりして、見るのが疲れるんです。最近では頭痛も感じる様になって、もうずっと目を閉じていたい様な……とにかく見るのが疲れるんです」
私は、今までも散々繰り返して来た言葉を口にした。
「その症状は、いつ頃から感じ始めましたか?」
「もう、ずっと前からです」
「……そうですか。では、目の状態を確認させて頂きます。顎を上に向けて、目をパチッと開けて下さい」
私が言われた通りにすると、彼は私の目を覗き込んだ様だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます