第1話 壁(15p)
「そのままで! 目をパチッと開けて下さい。そのままにしいて下さいね。少ぉし失礼します」
そう言うと、彼女は私の瞼と目じりを指でクィッと広げて私の目を覗き込んだ。
「はぁい。反対の目も失礼します。はいっ。えーっ。分かました。有り難う御座います。吉永様、この後、診察室にお通し致しますのでこちらで少々お待ち下さい」
ナース服の女性はそう言うと、パステルブルーの残像を残して白色のドアに姿を消した。
しばらく待っていると、何処かに取り付けてあるらしいスピーカーからさっきのナース服の女性の声で「吉永様。吉永貴子様~青色の扉にお入り下さい~」と放送が入った。
私は席を立ち、青色のドアを開けた。
途端、眩しい蛍光灯の明りに私は目をつむった。
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