第1話 壁(14p)

 部屋には今入って来たドアを抜かして四つのドアが有った。

 入って来た観音開きの黒いドアから見て、正面に白色、黄色のドア。

 右に赤色のドア。

 左に青色のドアが有る。

 そして……そして、青色ドアの横には、パステルブルーのナース服を着た女性が控えていた。

 彼女は白い歯を見せてニッコリと微笑むと、「ようこそ吉永様。どうぞ、こちらのソファーへお掛け下さい」とソファーを示し、高い声で言った。

 私がソファーに掛けると、サングラスの女性は私に一礼し、白色のドアを開けて消えていった。

「吉永様。先生の診察の前に目の状態を確認させて頂きます。リラックスして顎を上に向けて下さい」

 ナース服の女性に言われ、私は顎を上に向けた。

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