第5話 二度目の出会い④
「ひとまず、幽霊ってことはわかったんだけど。えーっと、僕以外の人には見えてるの?」
幽霊に会うのは初めてだからそのへんのルールがイマイチわからない。それにこんなことを聞くのはなんだか恥ずかしい気もする。
「他の人には私は見えません」
「なんで僕だけ?」
「最初に会ったから……かな」
「じゃあなんで最初にここに来たの?」
「それは、その、気づいたらここにいて……」
彼女は多分何か隠している。まあ、隠していたからといってどうということはないのだが。
もし隠していたとしても、生前仲良くなかった僕にそれを話す必要はないし、彼女も話したくはないだろう。だから僕は聞かないことにした。
「そっか」
「あの、それで、相談が……」
「相談?」
「はい。その、成仏を手伝ってほしくて」
成仏か。僕は幽霊になったことがないから何をすればいいかわからないが、手伝うのは別に嫌ではない。
勝手だが、空っぽだった僕を満たしてくれた幽霊にお礼をしたいと思っていたし。
「いいよ。成仏、手伝うよ」
「い、いいんですか?」
「うん。具体的には何をすればいい?」
「まずは……」
こうして、僕の奇妙な春休みは幕を開けた。
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