第7話 大ピンチ!?パパが来た!
女の子もといサリフィアさんは父さまと言った化け物を睨みつける。化け物は俺を睨みつける。じゃあ俺はサリフィアさんをにらみ・・・ふざけてる場合じゃない殺される・・・。
「す、すいませんすぐ離れますので!」
「ダメッ!!」
と起き上がろうとすると、頭を抑えられる。
「今離れたら間違いなく父さまはあなたを殺すわ。」
「うそぉん・・・」
こっわ!マジかよ離れらんねーじゃん!
「サリフィアよ!なぜそのような男を庇うのだ!その不埒者なぞ我が・・・」
「父さま・・・?わたしはわたしのうっかりで迷惑をかけたこの人を癒してるだけよ??勝手な思い込みでわたしを怒らせないで・・・?」
空気が凍りつくかのような冷たく、
「なんだと!?い、い、癒していただと?!おのれ、我が娘になんと破廉恥でいかがわしいことを!!!塵も残さぬっ!!!」
「え”えぇっ!?その考えに至るあんたの方が破廉恥でいかがわしくねっ??!」
「まったくよ。最低ぇ・・・!」
「さ、最低っ?!わ、わしが最低・・・?!」
サリフィアさんの父親の謎すぎる解釈についツッコミを入れてしまったが、娘に最低と言われたのが余程ショックだったのか、当人は泣きそうな顔になっていじけている・・・。
「サ、サリフィア・・・、結局このような場所で何をしようとしていたのだ・・・?」
しょぼくれながら父親が問う。
「言いませんわ。言えば止めるもの。」
「!!言えぬようなことをしようとしていたのか!?おのれおのれ、我が娘といやらしい関係になりおって!!やはり殺すっ!!!」
「だからなんでだよっ?!このエロ親父!!」
「エロ親父などではないわ小僧!!我は人間共に魔王とまで言われ恐れられてきた者ぞっっ!!」
はっ?まおう???・・・・・・・・・これがぁ?!
「いい加減にして!わたしは剣をつくって頂こうとしただけ!」
「つ、剣だと!?いけません!剣を持ってたが為に悪い奴に襲われて怪我でもしたらパパ泣いちゃう!」
おぅ、なんという親バカ。いや、馬鹿親か。
「だから言わないって言ったじゃない!」
「当たり前ではないか!?我が子に自ら危険な物を渡す親がどこにいるというのだ!」
「わたしは、この人に、剣をつくってもらう!だからもう帰って!!」
「なっ?!それだけは絶対に駄目だ!!この男に何かされてからでは遅い!!」
「・・・いいから、帰れっ!!!!」
サリフィアさんの両手から電撃が迸り魔王にヒット。
バーーーン!バリバリバリッ
「あがががががばががーーーーぁばーーーー」
バタッ
あぁ、魔王が黒焦げに・・・。
「落ち着きました?」
俺はサリフィアさんに水を差し出す。
「ごめんなさい・・・こんなにも迷惑をかけてしまいまして・・・。」
「剣、打ちますね。」
「いいのですか?わたしは・・・わたしは魔王の娘ですよ・・・?」
そうか、魔王の娘であることを、相当気にしてるんだな。
「・・・あなたはお客さんです。そこに魔王も魔王の娘も関係ありません。まぁ悪いことに使わないかどうかは気にしますがね。とにかく、身分なんて俺は気にしませんから。」
そう言って俺は笑顔で答える。
すると
「・・・不思議な方。わたくしのことを知った者はきまって逃げ出すか攻撃してきましたのに・・・。」
そう言って悲しげに微笑む。
「わたくしの名はサリフィア・サラバルティクス。素敵な剣をお願いしますわ。」
と名前を明かしてくれる。まぁ魔王がめっちゃ名前呼んでたけどな。
「俺はシン・ハザキです!二日後には仕上がっていると思いますので、サリフィアさんの都合がよろしければ、明後日取りに来てください。」
「えぇ、かしこまりましたわ。それと呼び捨てで構わないわ。」
「え、いや、お客さんだからそれは・・・」
できませんと言おうとしたら指で口を塞がれた。
「わたくしは帰ります。シン、よろしくお願いします。」
そう言って俺の工房から出ていく。
いろいろあったけど、つくるか。完成形のイメージはもうできている。
「・・・魔王も魔王の娘も関係ない、か・・・」
帰り道、サリフィアが嬉しそうにそう呟いていたことを、俺は知らない。
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