第5話 早すぎる行き詰まりとはじめてのお客?
筋肉痛に悶えること2日。なんとか俺は身の回りの整理やら鍛冶に必要なものを買い出しに行ったことで更に2日過ぎた。そして本日!
「ぃよーし!俺の鍛冶工房開店!」
本格的に店を出す。ここから俺の鍛冶ライフが始まるのだっ!!
「・・・・・・人、来ない・・・。」
人が・・・来ない。何故だ・・・?一週間たったぞ?宣伝だってしたじゃん?こんなのおかしいじゃん?
トントンッ
扉叩く音!!人来た!お客さん来た!!
「はいっ!いらっしゃいま・・・グレイダードさん!?どうしたんですか!?」
来ていたのはグレイダードさんだった。
「久しいの。そんなガッカリした顔するでない。わし、泣いちゃう。」
と微笑む。他の人はジョークだと思うかもしれないが、この爺さんやりかねないのである。3日間居候させてもらっての感想である。
「あっはは。そんなことありませんよ!今日は仕事の依頼ですか?」
「いやいや、どうしてるかと思って様子を見に来たんじゃが・・・失礼ながら予想通り困っているようじゃな。」
と、困り顔で微笑む。ヒドイ。
「はぁ、そうなんですよ。宣伝とかしたんですが、まったくです。」
「宣伝とは、この紙かの?」
「えぇ、それです。」
「・・・いいづらいのじゃが、この宣伝のせいで人が来ないと見たんじゃが。」
「えっ!?」
なんと宣伝のせいで来ないとか、何か書いちゃいけないこと書いちゃったのか!?
「教えてください。何故お客が来ないのか。」
「よかろう。単刀直入に言うぞ?客が来ない理由、それは・・・」
それは・・・?
「武器類のオーダーメイドそして修理・強化をしていないからじゃな。」
!!
「・・・それは・・・!」
「そなたに何かしらのこだわりがあるのは分かる。じゃがこの物騒な世界じゃ。せめて武器の修理くらいはよいのではないのか?」
心配そうにこちらを見る。俺、いまどんな顔してるんだろう。
「それは出来ません。俺は武器はつくらない。直さない。人を殺す可能性のあるものは絶対に・・・!」
拳に力が入る。忘れたくてたまらなくって、忘れたくない記憶が鮮明に蘇る。
「・・・そうか。では、わしは帰るわい。」
見捨て、られたかな。当然だ。心配してくれたというのに俺は・・・。
「・・・一つだけアドバイスがある。この世には、殺す目的では使用できない剣が存在すると噂にある。シンよ、そなた命を奪えぬ剣をつくったらどうじゃ?」
バタンッと扉が閉まる。命を奪うことの出来ない剣・・・殺せない剣・・・『不殺の武器』!!!
つくれる、俺には鍛冶スキルがある。鍛冶スキルの研究で、包丁に特殊効果を付与する実験をして、すでに成功させている!いける!これなら・・・!
トントンッ
扉を叩く音?誰か来たのか?
「はい、いらっしゃいませ?」
そこには俺より気持ち年下の可愛らし女の子がいた。
「力ある鍛冶師とお見受けして、頼みがあるわ。あなた、わたくしのために剣を打って下さらない?」
「つ、剣を・・・?」
その子は蒼い瞳でまっすぐ俺を見ていた。
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