第4話 勝手な行動は結果オーライでした

 「おっはよー!ヅッキー!!」

 「おう」


 今日も椎名は元気だな。俺は依頼の事で頭がいっぱいだよ...


 「なあ、ちょっといいか?椎名」

 「どうしたの?」

 「実は助っ人部の事で...」


 ――――


 「まず依頼者の名前は田中。そして仲直りしたい人の名前は山久」

 「ヅッキー、その人達全員違うクラスだよね?うちのクラスの表にも載ってないっぽいし」

 「ああ、だからなんとういうか...接しずらいんだよ.....だから、そいつらを集めるのは椎名にお願いしたいんだ」


 これで断られたら俺はもう手の施しようがないぞ...。


 「うん、わかった!まあ、ヅッキーの事だし仕方ないよ!」

 「ああ、ありがとう椎名!」

 「はっ!あ、ありがとう!////」


 ――――


 「...って事だが、いいか?」

 「うん、わかっわ。ではまずはどうやって二人を会わせるかね」


 今日は毒舌を吐かないんだな。安心したよ...。


 「それじゃ、始めるわね」


 ――――


 「それじゃこの作戦でいくけどいい?」

 「私はOKだよ蒼!」

 「うん、俺もいいと思うぜ」


 ようやく作戦が決まり俺たちは作戦を実行することにした。



 ガララッ...


 「すみません、田中君はいますか?」


 ザワザワ...


 どうやら、このクラスの生徒は園咲を見るのは初めてのようだな。だからこんなにざわついているのか...。まあ確かに普通のやつから見れば完璧美少女かもしれないが、俺にとったら本性丸出しn...


 「」ギロッ

 「っ!」ビクッ


 「...何が?」ゴゴゴ...

 「い、いえ何も...」


 何で俺の考えてる事がわかるんだよこいつ...


 ――――


 「で、田中君。あなたは何故山久君との中が悪くなったと思うの?」

 「それは...」


 ――――

 ―――

 ――


 「なぁ山久、お前今度生徒会に立候補するんだって?」

 「うん、そうだけど?」


 「お前でもできんの?」

 「はぁ!?何言ってんだよ!俺にだって...」

 「いや、そんなに怒んなくても....」

 「うっせーよ!もういいよ。どっか行け!!」


 ――――


 「...ってな事があったんだ」

 「ふーん、なるほど。つまりあなたが山久君に対して言った言葉がキッカケでこうなったと」


 いや、それもう完全に田中君が悪くないですか??てか、そもそも何でそんな事言ったんだよ...そりゃ誰だって怒るわ。


 「ま、まあとりあえず、お前自身はちゃんと山久に謝りたいんだろ?」

 「それはもちろん!!今すぐにでも!」

 「だが、会う機会がないから、謝れない。そこでだ、俺達がその機会を作る事にした」

 「あと、山久は『俺も謝りたい』って言ってたぞ?」


 「ちょっと秋月君?何勝手な事いってるの!?そんな事は誰も言ってな.......」

 「」スッ

 「んむっ!!」


 うん、そう来ると思ってたよ園咲。


 「ぷはーっ!ちょっと秋月君!何するのよっ!!」

 「まあまあ、落ち着け。もう既に山久の方には椎名を行かせてる」

 「そ、そうなの?」

 「ああ、だからお前は心配しなくてもいい」


 問題はこいつらがどうやって仲直りするかだが、俺達に出来ることはこれが限界だな。後はこいつら次第だな...。


 「じゃあ、放課後に実行するから、何か謝罪の言葉考えとけよ田中」

 「う、うん、わかったよ!」

 ――――


 「だからその...ごめん!山久!」

 「俺の方こそいきなりカッとなってごめんな...」



 「ふぅ...何とか上手くいったみたいだね!!」


 めっちゃ嬉しそうだな椎名は。ところで園咲の方は...


 「...ねぇ秋月君」

 「お、何だ?」

 「ちょっと話があるの...椎名さん、ちょっと秋月君を借りるわね」

 「うん、いいよ!」


 そこも嬉しそうに言うんだな....。


 ――――


 そして、部室前にて――


 「何で部長である私に何も言わずに、あんな勝手な事をしたの?山久君は自分から謝りたいなんて言ってないわよね?」

 「それは...まあ結果オーライだし、いいじゃねーか!」

 「だから!そういう事ではなくて...」


 「その...ありがとな、園咲」

 「え...?」

 「その...たしかお前が調べてくれたんだよな....田中と山久の事」


 「そ、それは...部員として、部長として当然の事をしただけよ!!//」

 「お、おう...」


 何でそこで顔を赤くするんですかね...恥ずかしがってんのかこいつ......。


 「とにかくその...ありがとう園咲」

 「ふふっ、いいえ、どういたしまして」ニコッ

 「???」


 何で笑ってんだこいつ......。


 ――――


 そして翌日


 ガララッ...


 「おーい、秋月?ちょっといいか?」

 「はい?」



 ...また、職員室かよ。


 「お前、初めて依頼を受けたそうじゃないか。それに上手く解決出来んたんだって?お前にしては大手柄だったな!ハハハッ!」


 そこ笑うとこなんかよ...あと「お前に『しては』」は余計だぞ...?


 「それでどうだ?部活は」

 「うーん、正直家でゴロゴロしたい気分ですね」

 「」バシッ!

 「いってぇ!!」


 何で叩かれるんだよっ!!しかもクソ痛てぇ......女の癖に。


 「はぁ、全くお前ってやつは...」


 「......でも、悪くは無いですね、あの部活」


 あのメンバーでやっていくのはたしかに悪くないかもな..........

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る