第3話 初めての依頼
ガラララ.....
「ういーっす」
「ういっすー!」
「あら椎名さん、こんにちは。あと秋月君も来たのね」
いや、何その嫌そうないい方は...。部室来て最初に言う言葉がこれか......
「秋月君、何か言いたいことでもあるの?」
「ちっ、何もねぇよ...」
ほんと、気に障ること言うよなコイツ......
「うざ...」ボソッ
「あ?」ビリビリ
「あ?」ビリビリ
「あわわわ.....」
(な、何かヤバイ雰囲気になってる!?これは止めないと!!)
「ま、まあ二人とも落ち着いて......」
「「ちっ...」」
(何かこの二人色々と似てるような気がする...)
まあ、部室に入った途端こんなことがあった。何故か園咲は俺によく悪口を言う。当然俺もボソッと言い返すがな。
俺は助っ人部の部員だ。部活の内容は、困っている人の手助けするらしいが、まだ一回も依頼が来てない。部員になる、つまり部活に入部すれば当然自由な時間も減るのだ。
でも、この俺”秋月和人”は特に趣味もなく、ただ単に自由な時間を何もすることなく過ごしてる。それでも、その時間こそが俺にとっての趣味のような物なんだ!!......なのに、あのクソ教師のせいで...くっ。
そう、部活さえなければ俺は今頃家でゴロゴロとしていただろうに...はあ、依頼も来ないし暇だ。
「ねぇねぇズッキー」
「ん、何だ?」
「依頼がないときって毎回こんな感じなの?」
「うん、まあこんな感じだな」
そういえばし椎名はまだ入部してそんなに経っていないな。
「そうだ、ねぇ蒼」
「今日の授業でズッキーが先生に怒られてたの、あれ本当に面白かったよねー!」
......え?ちょっと椎名?何を言って......
「ほんと、それね!あの時の秋月君の顔がもう......ふふふっ」
「ちょ、椎名!その話は.....!」
――――
そして時間は過ぎていき、もう部活も終わろうかとした頃、
「それじゃ今日の部活はここまで...」
ガラララッ
「あのー」
「えっと、助っ人部に何か用でしょうか?」
「実は......」
――――
「わかったわ。それじゃこの依頼を受けるってことでいいわね?椎名さん、秋月君」
「俺はいいと思うぜ?」
「うんうん!私もいいと思うよ!!」
やけに乗り気だな椎名は。
「では、この依頼を承りました」
「あ、ありがとう!それじゃ!!」
ガラララッ
「やったね蒼!初めての依頼だよ!!」
「うん、皆で頑張るわよ!!」
「おう」
皆とは言っても三人だけなんだけどな。
「で、以来の詳細はどんな感じだ?園咲」
「依頼の内容は、”仲違いした友達ともう一度仲直りしたい”だそうよ」
うわ、めんどくさそうだな......
「一体どういった状況でそうなったんだ?」
「そこらへんは依頼者から聞いてみたけど、どうやら『話したくない』らしいの」
「つまりそんだけ仲が悪いってことなのか。仲直りさせるには結構時間かかりそうだな....」
「でもズッキー、これが私たちの最初の依頼だよ?だったら私たちも頑張らないと!!」
「そうね、では依頼のことについては、また明日ってことで。もう時間も時間だしね」
あ、そういえばもうかなり時間経ってるな。俺も早く帰りたいな......
「じゃあズッキー、一緒に帰ろっか!」
「う、うん」
なんでそうなるんだよ......俺は一人で帰りたいんだが。
――――
「じゃあね蒼!」
「それじゃまた明日ね!あと秋月君もねっ!」
なんだよ、そのおまけみたいな言い方は......
「ねぇズッキーは、今の部活をどう思ってる?楽しい?」
何かいきなりよくわからんことを聞いてくるんだが......
「どうって、俺はそもそも先生にほぼ無理矢理入部させられたし、園咲には結構悪いように言われるし...でも嫌ではないかな」
「そっか、私は楽しいと思うよ?だって蒼やズッキーもいるし!!」
ん?園咲ってそんなに楽しいやつか?俺にはただ悪口を言うだけのJKにしか見えないんだが......って本人の前で言ったら絶対なんか酷いこと言われそうだが......
「まあ、これで明日の部活が暇でなくなるな」
「明日から頑張ろうねズッキー!」
「おう!」
.......そう、これから俺たちにとっの初めての依頼を受けることになるんだ。
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