第2話

寂しかったんだ。いつでも。

今年の五月、高校三年生だったわたしは通っていた全日制の公立高校を中退した。不登校だった。いじめられていたわけでもない。勉強が全く分からなかったわけでもない。先生が嫌いだったわけでもない。友達がいなかったわけでもない。でも、わたしはいつでも寂しかった。

友達にはわたしより仲がいい友達がいる。秘密を共有したい友達。一緒に帰りたい友達。一晩中電話で話していたい友達。

わたしは誰かのどれにも当てはまらなかったみたいだ。

寂しかった。

休み時間、席を立ち友達の席へ向かう女子校生。次第に何人か集まってお菓子を食べ始めたり、一人はその席主の友達の膝に座ったりしている。

当たり前のように友達がいる可愛い女子校生。

羨ましかった。教室の真ん中で大声をあげて、友達と話している女子校生。

わたしにはできない。

高校三年生の春、休み時間わたしの席に来てくれる友達はいなかった。自分から行くこともできなかった。友達の席には他の友達がいるから。

人と話すのが苦手だから、怖いから、上手く笑えないから、その子達と仲良くなることができないままわたしは不登校になった。

高校生活何度目かの不登校。

そして、五月。わたしは一生不登校という言葉を使う必要がなくなった。

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赤い線 @melon_04

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