源氏物語、紫式部が描いた最古の物語、そして現代人には授業などで誰もが耳にしたことがある古典。
きっと、これを読んだ誰もが思ったことがあるはずだ。
光源氏君よ、ちょいと女性関係多すぎでは?
光源氏君よ、それは結構犯罪では?
ちょっと誰か、お巡りさんとか弁護士とか、源氏君締め上げられる強い人連れてきて!
と。(※あくまでも個人の感想です)
さて、前置きが長くなりましたが、そんな気持ちに応えてくれる(?)のが本作、若紫に仕える犬君は何と転生者!
源氏物語を知る彼女は、当然頭を抱えます。
愛する姫様を守るため、犬君は平安の世であの手この手とロリコン野郎(犬君談)と戦い始めます。
犬君の奮闘から生まれる、新しい源氏物語は読者の意表をつかれたり、キュンとしてしまったりーーもう目が離せません!
誰もが知る古典源氏物語をベースに綴られる、転生者犬君による全く新しい源氏物語、皆様も是非一読してみませんか?
源氏物語に登場するヒロインのひとりである紫の上。その幼少期であるところの若紫のお付きの女子である“犬君(いぬき)”に転生してしまった男子(元ブサメン)は誓うのだ。源氏のロリコン野郎から姫様を守る!
若紫さんは、源氏くんが初恋の人であるところの藤壺さんそっくり(姪御さんですしね)だったことから、実に辛い人生を歩んじゃう人です。それを知ってるからこそ、犬君さんは奮起するわけですけども――このキャラ設定がまた実に巧みでして、ブ男子だからこその美男子への憎悪と、期待も邪心もなく若紫さんを守りたいとブ男子ならではの純真。このふたつが犬君さんの必死さにきちんと理由を与えてるんですよね。
そして敵である源氏くんが第二皇子様っていう強大すぎる相手なのもいい。普通には太刀打ちできない相手へ、知恵と小細工で立ち向かう犬君さん。コミカルさの中にけなげさがきらめいて、つい惹き込まれちゃうんですよ。
独自角度からライトタッチで読みやすく、ドラマチックに描き出した源氏物語です!
(「この後どうなる!? 連載中」4選/文=髙橋 剛)