雨雲に、心を溶かして

空きペット

この気持ちを、溶かして

 最近調子が変だ。通学の時も、みんなといる時も、ご飯を食べるときも一人でいる時も、お風呂の湯船に漬かっている時も、ベットの上でも。言い表せない気持ちで心で締め上げられる。どんな気持ちなんだろう。わからない。でも原因はわかっている。そして・・・・、きっとそれは僕自身のせいだ。


 図書館、窓をのぞく。ああ、外は灰色だ。今にも雨が降りそうだ。


 こんな気持ちになってしまったのだろう。周りのみんなはそんな僕の気持ちを逸らせてしまう。どうにかなってしまいそうだ。いつになったらこの気持ちから開放されるのだろうか。


 そもそもこんな気持ちになってしまったのはいつからだろう?一週間前?いや、それより前だ。一ヶ月?違う、そんなに近くないはず。じゃあ半年前とか?・・・

・そんなところだろうか。うん、丁度そのくらい。あ、そうそう。あれも丁度その時じゃなかったっけ?・・・・そう、この気持ちのきっかけはあの時だ。


 つらくなってしまった。あの時、すべてが嫌になった。。誰のせいでもないんだ。僕のせいでこんなことになった。言い訳なんてできない。耐えなくちゃ。いつものように。でも、・・・・それでも。やっぱりつらくなってしまったんだ。どうやっても上手くできなくて。すべてが嫌味に聞こえて。心はずきずきするんだ。

 

 それからだ。どうでもよくなったのは。今までの、何もかもがどうでもよくなった。授業を一回すっぽかしたこともあったけ。こんなことは今までなかったのだけどな。それを聞いた誰かが驚いていたような・・・・。まあそれもどうでもいいか。・・・・今となっては。


 心が痛いんだ。ことばにするなら、そうだな、疎外感?いや孤独感というやつか?なんか厨二臭いな。でもそういう「僕はひとりなんだ」みたいな、「僕のことは誰にもわからない」といった想いだと思う。自分を理解できるのは自分だけ。そんな考えが渦巻いていったんだ。


 友達と接することにちょっとつらくなったのはそういった考えができた時だ。接する時はいつもと同じに見えただろうか。いや、見えたさ。さっきは疎外感とか孤独感とか言ったけど、この時はとげが刺さった程度の痛みだったんだ。みんなはいつも通りの俺だと思ってくれたかな。でもそれが間違いなんだ。本当は・・・・。


 皆見えないところで頑張っているとか思っているのかな。・・・・違うよ、そんなんじゃない。何もしてないよ。ねえ、だからさ。・・・・と・・・・・・・・てよ。


 最後の日、みんなにとっては大切な日。二日後にみんなは自分の力を最大限発揮できるように頑張るんだ。だから、最後、真剣に取り組んでいるであろうみんなの前に最後に顔を見せなかった。きっと、僕がいないほうがいいに決まっているんだ。


 今もこうしていると、何で生きているのかわからなくなってくる。・・・・どうしよう。





 外に出てみると、雨が降り出していた。傘があってよかったな。空を見る。濁った灰が白いキャンパスに雑に塗られたような、ぐちゃぐちゃな空だ。

 ああ、きっと、僕の心も、こんな感じにぐちゃぐちゃなんだ。いいなあ。そんなに、涙なんて流せて。僕も、泣けたらなあ。僕も、君みたいになれたらよかったな。でもそんな望みは叶わない。


 だから・・・・。

 僕を溶かして。君の中に。君と一緒になりたい。君みたいになれたら、こんな気持ちにならなくて済むだろうから。

 僕を流して、雨と一緒に。こんな考えもろとも流してほしい。そうすれば、こんなに苦しまずに済むだろうから。

 お願いだ・・・・。君だけでいいんだ。友達でもない、家族でもない。先生でもない。そんな君だからこそ・・・・。


僕を・・・・、わかって。

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