記録盤 No.001
【チャプター・008/049 〈虫〉と脚と男と今と】
──そうして路面機関車が停止すると、開扉と同時に、乗客が溢れ出た。
自身の居住区域から、最寄りの〈
──その内の一基が、グシャリと踏まれた。
『市民の歩みを妨げぬ様』には、壊れ易さも含まれている。例え誤って踏んだとしても、痛くも痒くも無い様に──散らばる残骸に関しても、仲間達がどうとでもしてくれる。一斉に群がる灰皿達が、歯車の一つも見逃すまい。
その結果をまぁ見る事も無く──片脚はテクテク歩き出す。痛くも無ければ痒くも無いなら、踏んだ事すら気付かない──『市民の歩みを妨げぬ様』に、だ。
そして、この脚の持ち主こそ、我等の〈ブラン(ドン)・ベルゲン〉であると、言う訳では決して無い──違う。今のは只の通行人、どうでも良い市民の一人に過ぎず──〈
機構仕上げと切り揃った黒髪/陰気を孕む丹精な顔立ち/縦にひょろ長い、痩けた青年──〈ブラン(ドン)・ベルゲン〉は、その一部始終を目撃していた。
動く脚と揺れるスカート──潰される一基に群がる機械達──
その光景はほんの僅か/一瞬の間の出来事であり、気付いた時には跡形も無い(文字通りに)が、彼は確かな〈啓示〉を得た(?)。自身の〈未来〉に待ち受けるものを(?)、これから何が起きようとしているのかを(?)──違う。
〈ブラン(ドン)・ベルゲン〉もまた通行人、取るに足らない者に過ぎない。十五年にも渡る
そこらの人々と大差無い、が、故にこそ、選ばれる事とも気付かぬ侭に、今日も何も変わるまいと、想う事無く想いながら──予想が外れる事も知らないで。
(予想外は二重、三重と積み重なる予定だが、今は一先ず置いておこう。どうせ嫌でも分かって来る──一つを挙げると、『今日では無い』と、言う事とかだ)
【チャプター・009/049 大衆の道行き】
黒い外套の懐から、真鍮合金の市民証を取り出し、
流れる列の、流れる手付きで、流れる様に
何時もと変わらない一歩を踏み出せば、待ち受けるものもまた変わらない──“享楽”の為の無数の施設/無数の店々/無数の自動販売装置達──
〈【温】『
〈純粋喫茶ネルレラク〉
〈空飛ぶ豚の落下跡屋〉
〈カフェ・ド・ラルク〉
〈TABLE GAME CENTER/HIGH BISHOP〉
〈
〈ぐるぐるエアリアル貸本屋〉
〈【温】『
〈オール・ボール・モール・ショップ〉
〈万有ハーブ薬局『点眼薬お取扱い』〉
〈クエイカー珈琲〉
〈『〈鳥〉や〈魚〉、あの〈獣〉との出会いを、もう一度』〉
〈自殺志願者・支援/防止管理事務所〉
〈数多の代理戦士亭〉
〈
〈ウィル座〉
〈【温】『
等などを無視して進む進む──昏きを湛える緑眼は、既にして目的地をこそ捉えている。時刻は午前の十時前後、来場者数は多過ぎず少な過ぎずの、(これまた)何時も通りであり、急ぐ必要も──“必要”そのものが無い訳だが、〈ブラン(ドン)・ベルゲン〉は進むのを辞めない。都度に顕れ出る意匠、/この街の〈女王〉の似姿たる、〈アリス〉の偶像を横切って、彼氏は入口へと辿り着く。
──何がどの様に“感傷的”かは、直ぐにでもきっと分かる事だ。
【チャプター・010/049 仮想冒険の為の諸手続き】
〈
頭上の
──ようこそいらっしゃいました市民……証明証の提示をお願い致します──
彼氏は別段揺るがなかった。無言の侭の無表情にて、再び取り出した市民証を、
──ありがとうございましたブランドン・ベルゲン様……──
──貴方を正規の市民と認め、この施設の利用を許可致します──
──このまま口頭にて進めますか……或いは別口の端末にて──
進めますか? と続く『台詞』を、〈ブラン(ドン)・ベルゲン〉は手振りで遮断し、示唆された
其処に自分も居たのだと──内なる分身に想いを馳せて──
──そうこうする間に、処理は終わった。
完了確認の是否に応じ、
後は準備に暫し待ち──呼び出されれば、向かうまでだ。
操作した端末の
〈ブラン(ドン)・ベルゲン〉のお得意先──彼の目下の“享楽”が中心。
その名も何と〈ペイル・ピット〉──ご存知かどうかは知らないけれど。
【チャプター・011/049 準備作業は念入りに】
広間の隅の待合席で、
立ち上がり、勇み脚にて奥へと進む。まぁ精々、少しの小走りではあったけれど、逸る気持ちは確かに在って──『十四番へとお入り下さい』『御案内は御入用ですか?』 勝手知ったる〈
廊下を歩む〈ブラン(ドン)・ベルゲン〉──気色は変わらず、左右に扉。外から中は伺えず、音漏れだって皆無だが、確かな雰囲気は伝わって来る。活気、高揚、興奮、熱狂──きっと錯覚には違いないが、それでも肌で感じている。
(──実際は大半が無人だったので、“きっと”所では無かったけれど……)
そうして辿り着いた『No.14』は、予め扉が開いており(だから彼氏は勘違いしたのだ、閉じているなら有人の筈と)、部屋の様子が一望出来る。
と言った所で、大したものが有る訳では無い──
壁の向こうか天井裏か、何処かに
背凭れの角度、
だからこそに彼は遣る──
〈PALE PIT〉
〈PRESS ANY BUTTON〉
指を動かす──刹那、(どうでも良い)現実が薄ぎ始める。
黒──白──光。そして光。
光が溢れ、世に満ちる──
【チャプター・012/049 〈ペイル・ピット〉】
──は
その他諸々その他諸々。
まぁ詰まる所は、
〈ペイル・ピット〉に関して言えば、それは概ね次の通りである。
〈
造形美術の出来栄えや、歯応えの在る攻略難易度(突破不能に見えつつも、その実、ギリギリ突破可能に彼氏には見える)、『装備品』やら『所持品』やらの、多種/多様性に蒐集要素と──その特徴・特色を挙げ始めれば、実際切りも無い訳だけれど、〈ブラン(ドン)・ベルゲン〉の個人的お気に入りは、何と言ってもその視点、〈
ネタバレを承知で解説すると──造物主が狂ってしまったのは、被造物が反旗を翻したからだ。人間が/我が仔等が、力を求め押し寄せて、簒奪の後に竪穴へと捨てた──作中、明言はされないけれど、断片的なる開示情報から、その様な真実が見出される。つまり、その非は〈
瀕死の神を前として、〈
前者の場合、既にして封印の効力は無く、息の根を止めるより他には無いが、それは被造物の崩壊を──世界の終わりを意味している。誰かが代わりと成らねばならぬが、相応しい存在は一人しか居ない──つまりはそう“貴方”である。
後者の場合、人類に対する実質的な裏切りであり、その報いとして、何れ造物主は完全に蘇り、全てを滅ぼす〈未来〉が告げられる。それでも“彼女”に憐れみを懐き、贖罪をこそ求めるならば、誰にもそれは止められない──
一見すると真逆の二択だが、実際の展開は同じである──新たな神に相成ろうとも、旧き造物主に滅ぼされようとも、待っているのは『繰り返し』、世界を造り直しての『繰り返し』であり──〈
『〈ペイル・ピット〉に底は無い。貴方が決して諦めない限り──』
とは言え──〈
だがしかし、いやだからこそ、ブラン(ドン)・ベルゲン〉は惹かれていた。
結局は何も変わらないと、悲観的なる世界の内なら、好きに動けて応じる
〈
光──
下らない御託は、そろそろ良いだろう。
只でさえ精巧なる虚構の像が、時間の限り『本物』と化して──
──周囲に広がるは氷の渓谷。剣の様に鋭く尖った/凍て付く岩が聳え立ち、突き出た脚場は狭く脆い。少し歩めば奈落が見えて、堕ちれば確実に〈
既にして遠き肉の内/脳の中で、〈
何せ此処は〈第九層〉──〈深層〉の真上に位置する場所だ。
更に此れにて十二度目ならば──用心するに、越した事は在るまい?
【チャプター・013/049 〈サキシフラガ〉
一本後ろに垂らされた、薄桃色の三つ編み髪/珈琲肌の中性的顔造り/靭やかなる肢体の、うら若き戦乙女──〈サキシフラガ〉が歩む姿は、この〈階層〉では異質だった。雪すら散らつく風景には、草木一本、鼠一匹在りはせず、色彩の方も淡き青白とが連なる中、“彼女”は自然な/瑞々しい力を放つかの様で──
その足取りが急に止まる──今居る其処は岩棚の縁、人一人通るのもやっとの様な、道とも呼べない道の最中だが、無入力に拠る静止ならば、脚を滑らす心配は無い──蒼き視線/人形の様な無表情(「有る」と言う状態が端から無い)はそのままに、“視界”と“焦点”だけをぐるり変え、斜め頭上を確認する。
遥か彼方、岩肌の模様の様子から、一つの確信を導き出すと、〈
傍目に判断は付かなくとも、
(
何も気にする事は無い──が、気に掛かる事なら二つ程。
一つは、〈
〈
そうして進む〈サキシフラガ〉が、細道を渡り終え、ちょっとした台地へと達した頃より、『瞳』/【の数字】が上がり始めた──〈
青褪めた刀身が放つ斬撃は、一発の威力こそ低いものの、出が素早く、手数で圧倒する事が出来る。〈
だがしかし、いや、だからこそ──彼が諦めると言う事も無いのだ。
間合を取りながらに隙を伺う──己が趣向と象られた、〈サキシフラガ〉が緩やかに歩む──上がり続ける『瞳』/【の数字】に、不甲斐ない所は見せられまいと、〈
容赦が無い──歯応えの在る感覚に、頬が汗を滲ませ、滴る雫が唇に触れる──釣り上がった口端も侭として、〈サキシフラガ〉の戦は続く。
舞が、続く──
【チャプター・014/049 〈
続く──続き、そして終わりが告げられた。
虚構が和らぐ──拡がっていた風景が、四方の
そして暗転──の、後に続く指示の元に、指を動かし確認しよう
己が一体何を成し、何を得るに至ったのか──即ち、
・〈第九層〉〈
・討伐した〈
・(今や通貨たる以外は殆ど無意味と化している)余り在る【経験点】
・相応の閲覧者数に応じて加算される/相応の【功績点】(引く【批判点】)
・(半ば疲労と比例する)他では得難い満足感
・その他諸々(その他諸々)
それが〈
やがて光さえも消え行けば、
煙草を吸いたい気分だけれど、生憎、此処は禁煙である──より正しくは、〈
(此の地は
(そう言う事になっている)
〈
目指すは喫煙の出来る場所──体に毒は確かだが、心にもそうとは限らない。〈三姉妹〉もその事は承知済みであり、用意はしっかりと整えられている。
ならば其れもまた正当な報酬だ──文句を言われる筋合い等無い。
筋合い等無い──(在って堪るか。)
【チャプター・015/049 貴方の為の
喫茶店を訪れた人々の目的が、必ずしも喫茶そのものだとは限らない様に、〈
市民の多面的/多角的な趣味趣向に対して〈
(それでも〈
(──宜なるかな、とでも言って置こうか──今の所は)
(正規の市民であるならば)誰でも入店する事が出来、奉仕を無償で受けられる、だけで無く、煙草は吸えるし仮眠も取れる。話題の種が定まっておらず、雑貨でも何でも揃っている──珈琲の味はまぁまぁだが、それ位なら甘んじよう。
頭上の
今の〈ブラン(ドン)・ベルゲン〉が最も欲しているのは、煙草と珈琲、そして睡眠──休息である。暫くしてから〈
独り用の小さな円卓を前にして、トレイと灰皿の位置取りを最適化させると、〈ブラン(ドン)・ベルゲン〉は懐を漁り、簡易ライターと煙草箱とを取り出した──意匠化された〈アリス〉と〈三姉妹〉の、“親子”愛睦まじき姿が目印の其れには、『
その中から
──〈第九層〉自体の攻略が、今回の〈
等などと──棚引く紫煙に揺蕩う内に、
そのままフラ付く足取りで、仮眠室へと向かって行く──残したトレイは、別の女給(
『其処に誰かが居た』なんて証拠は、一切合切消えている。
【チャプター・016/049 仮の眠り(インターミッション)】
二重扉を乗り越えて、暗幕の内側に足を踏み入れる──何処もそうではあるけれど、此処の仮眠室は盛況だった。多くの
背中に黒の合成皮革張り、正面に借り受けた
夢の様な時間の後の、夢も無き闇へと沈んで行って──
(暫しの休憩を挟みましょう──飲食/排便その他諸々、全てどうぞご自由に)
【チャプター・017/049
そして夜──大地の下に太陽が隠れ、
夢見の内の二、三時間と、貸本屋での冷やかしを経て、〈ブラン(ドン)・ベルゲン〉が向かう先は、行き付けの
『喫茶店』が決して欠かせぬ様に、『
──〈数多の代理戦士亭〉は、〈
それを肴と呑む者もまた、ならば、常設
と、言う訳で、彼氏は何時もの、/お気に入りの席に座ると──階段を降った地下一階、仄かに明るい店内の片隅の、常設
100パーセント工場育ちの、無毒で安全な素材達に拠る、サラダとポテトとソーセージ、そしてオムレツを口一杯とに頬張りながら、ごくり麦酒を嚥下する──更に一口、もう一口と飲み干して、通りがかりの女給(
現実離れした青空を背景に、甲高い羽音が鳴り響く──
高速で飛び交う二基の機影──騎士と〈甲虫〉の混血機械。
人の体の十倍たる、其れ等の腕には相応の兵器──十倍規格の武具が握られ、互いが互いを撃ち落とそうと、離脱と接近、交差、そして攻撃を繰り返す。
噴射口からの爆炎が、その緩急に拍車を掛け、
──実在する人型戦闘飛翔機械〈ベテル・ギウス〉を一種の〈
数多の部品/機能の中から、〈
これには恐らく噂も関わる──〈
〈ジェイルバード〉──〈ペニー・ファージング〉──〈ウォーディアン・ナイト〉──〈ハイフライヤー〉──その他諸々その他諸々──輝かしき〈
問うても答えが返らない以上、遣って見るより他には無く──〈ベテル・ギウス〉に拠る架空の戦争は、今日も今日とて衰えを知らない。
現在暫定の〈
「これで丁度十連勝……〈オールド・ローズ〉でも勝てないとは……」
「本当に……私、彼女に賭けてたんだけどな、やっぱり強いねグレイマン」
所で声が降って掛かり、〈ブラン(ドン)・ベルゲン〉が顔を挙げると、二人連れの女性が側に立って、結果を共に見守っている──肩口程の真っ赤な髪・と、整えられた背中までの茶色髪/人相の悪い
咳払い一つを発してからに、
「……それでも〈ナハティガル〉には及ばないさ……先代の彼女は強かった、し、駆け抜けるのも早かった。〈ホワイト・スタッグ〉は何年居座る?」
「覚えてる限りで七年生から……じゃ、彼れ此れ十年は
「それも下位を行ったり来たり、だ……だから余計に良く分からない」
「だから薔薇に賭けた訳よ、そろそろあの角も折られるかな……って」
「僕なら迂闊に金は出さんね、アイツに予想なんて付けられないとも……次いでに言うと、君等に奢る様な金も無いよ、麦酒が欲しけりゃ自分等で出しな」
そうハッキリと言ってやるけれど、結果は『間』が埋まるだけで、
「連れないじゃない、〈サキシフラガ〉……貴方の
「そうだよ、ブラン、そっちの
「お陰で糊口が凌げるんだけど……【功績点】への功績よ、ねぇ……」
「一杯や二杯や三杯や四杯、さ……【
「その
一杯のみだ、と、念を押して、邪魔な女体を小脇へ退かす──苦手な事はやはり苦手だが、遣り取り自体は嫌いで無く、借りが無いとも言う事は出来ない。
特に
「どっちも同じに見えるがね。まぁでもしかし、〈ピット〉の方がマシって感じ、描画もしっかり頑張ってる……〈サキシフラガ〉はあんた作だっけ……」
「依頼を出しても良かったがね、制作だけで一日だ……正直言って自信作だよ」
「良い趣味してる、全くさ……三つ編みで見え隠れする項が特に、ね」
「手を掛けた所だ、有難う……だが、世辞を言っても一杯だけだぞ……」
「分かってるよ、そんな事……でも、何なら他にも言って見ようか……」
歯に衣着せない感想を述べて来れる──呆れ気味の相棒の砲を横目にしながら、思わず乾杯を繰り出そう。お代わりと一緒に持って来られた、奢りの二杯の片割れと──そんな〈
──此の時点で到底『一杯』だけとは、〈ブラン(ドン)・ベルゲン〉も思っていない、が、懐具合は申した通り、好悪の天秤の傾きも確かなら、多少の余地が無い事も無い──し、どうせ〈
誰も彼もが“享楽”の侭に──『無為なるもの』で構わないのだ。
常設
取り留めも無く、ダラダラと──
【チャプター・018/049 帰路の中で】
結局六杯は飲み干した──所で時刻は九時前となり、閉鎖の刻が間近となる。
『
そうして『外』へと出たならば、待っているのは徒歩か馬車か、路面機関車に拠る其々の帰路──居住に掛けたる【功績点】が距離を、その関心が速度を定め、以って時間が決定する。店々は一帯/『中』にしか無い以上、“寄り道”等は存在せず、全ては計算で割り出せる──時刻管理もまた
かくして独り〈ブラン(ドン)・ベルゲン〉は、ガタリゴトリと揺れる車内で、駅へと着くのを待っていた──共同生活の恩恵か、〈婦妻〉は歩く方が早く、
故に彼氏は、真に独り──ついつい、どうでも良い事が思い浮かぶ。
果たして此れで良いのかと──此の生活で? 人生で?
愉しむばかりで他には無く、大事な事は機械任せの〈
思っている──なら、話は此れで終わりの筈だが、『それでも尚、』と続けてしまう──酔っているのだと、頭を振るった。或いはそう、疲れていると──毎日が安息日に拠る疲労から、余計な思考が湧き上がるのだと、〈ブラン(ドン)・ベルゲン〉は吐息を漏らす。其れが窓硝子を白く染めれば、視線は思わず車両の外──流れ行く街並みの其の向こう、〈
明度は違えど昼とも同じ、羊皮紙を思わす
今日この日、始めて然と見上げた空は、やはり普段と変わり無かった。
〈炉〉と〈
しばしば忘れそうになるけれど、
果たして此れで良いのかと言う、問い掛けに“彼女”達は答えない──
見るとは無しに見続ける空には、黄ばみて尚も輝ける星々と、それより目立つ
今日も此れにて終いならば──
(──ならば『明日』かと問われたら、残念な事にそうでも無い、)
(ので、チャプター・008へとお戻り下さい、日々を只々繰り返す為に)
(充分ウンザリして来たら、チャプター・019を始めましょう)
(宜しくお願い致します──)
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