第33話 前進
「おーい!もう行くよー」
タクシーのトランクに大きな荷物を詰める。
「テンちゃん、行くよ」ナナが声をかける。
「うん、今行く」
テンは藤木の写真に語りかける。
「パパ、明日からロサンゼルスだよ」
藤木さんの三回忌を終えて
ジンの高校入学を機に、俺たちはロサンゼルスに引っ越すことにした。
家は兄貴の家族に使ってもらう。
いずれは戻るつもりだ。
子供達にとって、ここは生家だから。
向こうにもみんなで暮らせる家を買った。
日本を発つ前に
子供達にお願いして親父に会ってもらった。
「リツ兄ちゃんのパパに会ってみたい」
そう言ってくれて嬉しかった。
「じぃじ!」本当にこの子達は人懐っこい。
「いつでも遊びにおいで。日本に帰って来たときは家に泊まってくれよ」
親父は
喜んでいた。
血の繋がりは、兄貴に任せて
俺は俺のやり方で
関係を築いていきたい。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます