第32話 居場所
手紙を読んでから
さくらは外に出るようになった。
僕の気持ちに応えようとしてくれている。
1周忌が終わる頃には
すっかり元気になっていた。
子供達も大きくなった。
テンはもう小学生だ。
リツくんは相変わらず
家族を支えてくれている。
毎日通って
週末は一緒に出掛けたりもしてくれる。
一緒に住めばいいのにと思うけど
僕の家には住めないらしい。
男って、そういうとこナイーブだよね。
近所に引っ越してくれたらしい。
ほんとに頭が下がります。
会社は思った通り
佐藤と山田くんがうまくやってくれて
業績は伸びている。
山田くんは、彼女と結婚した。
素敵な結婚式だったよ。
僕も連れて行ってもらったんだ。
リツくんが遺影を持って行こうと言ってくれた。
おかげで僕も家族と一緒に出席できた。
何度も言うけど
さすが僕が見込んだ男だ。
そんなことだから、子供達はみんな
僕を忘れず
父親として彼らの心の中に居場所がある。
そして、さくらの中にも
ちゃんと居場所を作ってくれている。
彼がピンチの時には
なんとしても救わなくちゃね。
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