第10話発覚
「ただいま」
「おかえりなさい」
帰ったらすぐにスーツから部屋着に着替える。
「土方さんからお名刺いただきました」
Tシャツをかぶりながら
「どこの人だった?」
「土方グループの会長さんみたい」
「ええっ!いてっ!」
ズボンを履きかけて、スッ転んだ。
「ち、ちょっと見せて!」
さくらから名刺を受けとる。
半分まで履いたズボンを
さくらが腰まで上げてくれる。
「もぅ、気をつけてください」
「コ、コレ、本物か…」
土方グループは日本を代表する大財閥だ。
名刺にはシリアルナンバーが振ってある。
そういえば、噂に聞いたことがある。
土方会長はめったに名刺を渡さない。
持っているのは世界で数十人程度。
名刺にはナンバーが振ってあって
誰に渡したかもすべて管理されているという話。
都市伝説だと思っていた。
こんなトップクラスのセレブと知り合うって
さくら、君は一体…
鼻歌をうたいながら
夕飯の支度をするさくらを見つめる。
「ん?」ふいに目が合う。
「あっ、夕飯なに?」
「しょうが焼きよ」ニッコリ微笑む。
こんなに庶民的なのに…
数日後
土方会長の秘書と名乗る人から連絡があった。
「会長がお会いしたいとおっしゃっています。今夜、貴社へ車を送ります」
黒塗りのハイヤーが目の前に止まった。
運転手がドアを開けてくれて、乗り込む。
「はじめまして、土方です」
オフィシャルサイトの写真と同じ人が言った。
本物だ…。
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