第3話再甦
「花さんに会ったよ」
あっちは今、夜中だ。
まさかとは思うけど…
すぐに電話が来た。
「どういうこと?」
「うちの会社の代表の奥さんだった。
自宅に招待されたんだ。そしたら花さんがいた」
「…」
「元気だったよ。リツはどうしてるか聞かれたから、海外で元気にしてるって言った」
「兄貴、転職したんだよね。ベンチャー?」
「うん」
「名前は?」
「force」
「分かった。また連絡するわ」
「お前、何するつもり?」
「ちょっと調べて考える」
「買収はやめろよ!」
「たぶん無い。コンサルかな」
「やめてくれよ…オレ、やっと居場所が出来たのに…」
「悪いようにはしないから」
「そのセリフ、悪いヤツしか言わないよ」
「大丈夫だよ。そっちだって、まだ立ち上げたばっかりだろ?うまく軌道に乗せないと、花さんが困んだよ?」
「そうだけど…」
「近々そっち行くわ」
「不安しかない…」
「心配すんなって」
花にまた会える。
そんな日が来るとは思わなかった。
必死で忘れようとしていたのに…
PCに保存してあった
ドライブの動画を見る。
ずっと見れなかった動画。
そこに、あの日の花がいる。
忘れなくていい。
想いは一瞬で甦る。
この動画のように鮮やかに
あの日のままだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます