第4話ランチ
「おはようございます」
「あぁ、おはよう」
「あの、藤木さん、ちょっとお話したいことがありまして…。今日、お時間ありますか?」
「そうだな、午後なら大丈夫だと思うけど
どうしたの?」
「大したことではないんです。
では午後、宜しくお願いします」
あー、どうしよう。
リツが帰ってくる。
もう、代表と面会することは決まっているらしい。
それまでに、リツが弟だってこと
話したほうがいいよなぁ。
黙ってるのも変だし…。
花さんとのこと、聞かれたらどうしよう。
実際、リツと花さんがどうなったのか
オレは知らないまんまだし…
はぁ、気が重い…
彼女からLINEが入る
「今日、お昼いつものところで待ってるね」
了解のスタンプを返す。
彼女は山田の前の職場にいる。
お昼になり、待ち合わせ場所へ向かう。
あの料亭だ。
襖を開けると
彼女がもう座っていた。
ランチ懐石がならんでいる。
「リツが戻ってくるんだ」
「弟さん?挨拶したいな」
「そうだね。一緒にランチでもしようか」
「なんか、あんまり嬉しそうじゃないね。
弟さんと仲悪いの?」
「いや、そういう訳じゃないんだけど…」
「?」
「いろいろ、複雑なんだよね…」
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