4:裏方キャラの青木くんがラブコメを制すまで。の話をしよう
しぃる: ビバップより明確に良くなってると思う
しぃる: ビバップよりも無駄なく無理なく効率的にうさぎやさんが持っている力を伝導しているんですよ。力に技と速度がおっついてきた
すぽん: で、青木くんなんですけど、これはぼくにとっては「挑戦」っていうか、どうせラブコメを書くんだったら、そらもう「すげえ!」ってなるラブコメを書こう、と思ってそれで書いた作品です
説明しよう!
裏方キャラの青木くんがラブコメを制すまで。は、スニーカー文庫様から出版された名作ラブコメライトノベルである!
学校では日陰者のプロ作家“青木タダハル”が、ある日その噂を聞きつけた演劇部員の美少女“綾瀬マイ”に演技指導として付き合ってほしいと頼まれた結果巻き起こる事件を、繊細な心理描写と親しみやすいキャラクターで描いた作品だ! 脇役ですら無い裏方の青木くんのひたむきな姿が、読んだ人に勇気を与えてくれる素敵な作品だよ! 愛し君よ、青春を攻略せよ!
すぽん: カバー裏に「青春攻略論!」って書いてあるんですけど、違いますね、まず作者が青春も恋愛もなにひとつ攻略できてない
しぃる: せやな……じゃなくて、いやほら
しぃる: 攻略できない人々に! 最大の応援を! みたいなあれじゃないですか
すぽん: そうね
しぃる: かわいいヒロインを出す! そして親しみやすい主人公を出す! って言うのは簡単だけど中々出来ないんですよね
すぽん: そうそう、ヒロイン綾瀬マイと主人公青木くんの造りにはめちゃくちゃ苦労しましたね
しぃる: うさぎやさん自身のキャラも相まってすごい応援歌って感じがあるよ
すぽん: まあ、だいたい恋愛指南書みたいなのはクソなんですよ、クソ。そういうのが書きたいわけじゃない
しぃる: あの二人のキャラ作り、すげえ繊細にやったんだろうなと思ってた
すぽん: ぼくはキャラを作るときは、どうしても現実の人間というか、友人やら出会った人がモデルになるんですよね、一からキャラを自分で作り上げる想像力がないので。キャラクターに厚みや奥行き、実像を持たせるにはモデルがいるのは本当に楽で良いです。ぼくは楽を選ぶ。モデルがいると「あいつならあー言うやろな」ってことで行動や台詞も生みやすくなるしな。あととらドラは参考にしました
しぃる: 分かる~、有葉とか大体普段の俺~
すぽん: 三次元の人間に二次元の肉を付け足すっていうやり方でやってるんですけど、特に青木ってやつはなかなか難しくて、三次元での臭いが凄いから肉がつかねえつかねえって
\わかる/
しぃる: 純然たるオリジナルキャラなんてなかなかないじゃない! っていうか古河マオさんはオリジナル寄りでは? ドスケベですよねあの娘
この男たち、古河マオのエロ同人という話題で盛り上がった仲である。
すぽん: 古河マオだけはオリジナルですね。古河マオというキャラは多分、ぼくに似てるところがあると思うんよね。オリジナルキャラは作者のなかにある人格の要素を引っ張ってきて強調することで生まれるんちゃうかな。まあぼくは美女ではないし美男でもないよ。多分ぼくが美女の身体を手に入れたら古河マオっぽい振る舞い絶対する
俺、女体化うさぎや先生で盛り上がったのか……。
しぃる: まあ美少女の身体欲しいってのは分かる
すぽん: 彼女も案外根暗なんやないかな。
しぃる: うさぎやさんの本来エンタメ突き抜けちゃう部分を、血を流しながら制御してるから、ただのエンタメに終わらない名作足り得たのは間違いない
すぽん: なんじゃそりゃ
しぃる: いやなんていうの、エンタメ志向じゃない部分をさ
しぃる: 上手く制御することでさ
しぃる: 純文的な人間への洞察をエンタメの為の武器にしている
しぃる: 強い
すぽん: 青木はどうしても好感度を得られにくいんですよね。もう、期待を裏切っていくを地でやるタイプの人間ですから。そこに好感度をどうするかっていうのは「めちゃくちゃ綾瀬さんのことが好き」に落ち着くな、って思いました。やっぱり恋をしてる人間はどうしても可愛くなっちゃう。
すぽん: とらドラ!の高須竜司くんは、好きな女の子と喋れただけでほわわ~ってなるからめちゃくちゃ可愛い
しぃる: めっちゃ好きって軸があるから、青木くん自身が自分の情けなさで懊悩するじゃないですか。だから読者の期待を裏切ってしまう時に青木くん自身も辛くなるんですよね。青木くんが読者のマイメンになるわけですよ。辛さを共有している
しぃる: 恋して可愛いのは乙女だけじゃねえなこれ
すぽん: やっぱり人を好きになるということは偉大ですね
しぃる: 人を好きになるって素敵だよ
すぽん: 「恋をして女の子は可愛くなるけど、男はかっこ悪くなる」ってハチミツとクローバーで真山が言ってました。
しぃる: かっこ悪いからかっこいいんだよ! それを笑いたくはねえんだよ!
すぽん: あと、ナツメグがめちゃくちゃ人気だったのは意外だった
しぃる: ナツメグはだって……
しぃる: あいつ自分から全力で幸せから遠ざかってるし、そのくせに別に不幸になることが目的じゃないし
しぃる: 愛おしいやろ。結婚したい系女子ですわ
すぽん: いいやつなんすよね
しぃる: あの子には幸せになってほしいよ俺は。俺じゃ幸せにできないとも思うけど
すぽん: でも、あんまり二次元のキャラっぽくないなってちょっと思う。言うこと言うことがけっこう、リアルなんですよ。
すぽん: 三次元の人間に二次元の肉をつけていく過程として、ナツメグだけはあんまり肉をつけてないんですよね。というかたまに三次元が二次元を越えることがある
しぃる: それが良いんだよ。まさに三次元が二次元越えてる
すぽん: そうなのか……
すぽん: いや、でもラノベ好きからはうけいれてもらえないかなーってちょっと思った。
しぃる: うーん、そこはなー……なんていうか。ちょっとだけ時代の先なんですよね
すぽん: どうしてもぼく、二次元の女の子が好きじゃなくて、ラノベとかアニメの女の子見てたら苛々するんですよ。俺の推しのモデルさんのインスタの方がかわいいしってなっちゃう
すぽん: だからあんまりラノベとか読めなくて、二次元の肉をつける作業がかーなり苦手なんでして、それをめちゃくちゃサボったのがナツメグ
しぃる: 僕は三次元の人間があまり好きではないですね。本を読む人間と本を書く人間だけは例外です
すぽん: そこはなんか二人ちがいますよね
しぃる: 違うねえ。三次元人、基本的に努力をした分報われることが無いですから。それに俺、基本的に三次元人の群れには入れないタイプの人間ですし
すぽん: ぼくはわりと三次元が好きなんですよ。まあ、苦しんでるんですけど、社会や人が悪いんじゃなくて、自分が悪いってタイプなんで
しぃる: 俺は悪くねえ! 俺の周りの社会や人が諸悪の根源だ! ゆがんでいるんだ! 俺は狂っていない! はやくここからだせー! うおー!
すぽん: でも、どこかでこう、三次元は嫌いだって言う人にも、なんか三次元っていいかも、って思って貰えるようなラノベを作りたかったんですよね。
しぃる: 良い! それ、うさぎや先生の固有能力だと思うんですよね
すぽん: まあ、でもこう、三次元の枠を上手くエンタメに落とし込むのは難しかったです
すぽん: めちゃくちゃ悩みました。どうしても青木はエンタメとしての正解から離れていきやがるし、綾瀬さんはようわからんし、稲村はアホやしでなんかもう……
しぃる: 突然ですがベスパで突撃して気絶するの、なんか愛おしいよね
すぽん: ベスパ突撃はやっぱり好きなシーンですね
しぃる: 正解を離れていく物をさ……必死で制御することで面白いことになってるもん
すぽん: まあ、そこはいろんなラブコメを読んで学べることなんで
しぃる: ベスパ突撃、あれで決まらないのはキャラとして本当に一貫してる
しぃる: そこが誠実
すぽん: アホですよ、アイツ
すぽん: まあ、最後の一文がやりたかったから気絶したみたいなところありますけどね
しぃる: あれ、良いよね! あそこで突撃失敗することで、あの最後っぽいところで一度溜めにしちゃうの良い! 俺もあの手法好き! 読んでいる人の期待通りにならないんじゃないか一瞬不安にさせて、すぐに期待通りに戻すことでスイカに塩かけるみたいに味が引き立つやつ!
すぽん: 兎に角ラブコメって終わりの一文ってすごいぼく大事だと思うんですよ
すぽん: あの辺のクライマックスは本当に田中ロミオ先生のパクリなんですけど(爆笑)
しぃる: あっ、今ので感じたけど、我々これなんやかんや言うて同じ鍋でご飯食べてるねこれ
すぽん: (爆笑)
当時の年齢は聞かない。大人のマナーである。
しぃる: あんだけ美しく終わったラブコメの後日譚でどうにも別れてるっぽいのが「そういうの良くないと思うな~!」ってなったけど!!!!!
すぽん: まあでもぼくが青木くん本気で全部書き上げたら、海野先生も唸って納得してくれる(はず)
しぃる: 多分納得するけどさ! そこは信じてる!
しぃる: でも有葉緑郎が海野しぃるじゃないくらいには、青木タダハルはうさぎやすぽんじゃないはずだろ!? とは思った!!!!!
念の為説明するとうさぎや先生は「裏方キャラの青木くんがラブコメを制すまで。」の執筆中に彼女に振られました。悲しい。
すぽん: 青木と一緒にしないでくださいよ、彼がかわいそう
しぃる: そういうとこだぞ!
すぽん: ラノベって書きたいことを書ききる(メッセージ的に)ってのに凄い文章量がいるなってしみじみしました、今回
すぽん: ぼくが本当に書きたいことの十分の一も書けなかったなって
しぃる: 俺の場合書きたいことがエンタメになってる節がある
すぽん: ぼくが書きたいのがエンタメじゃない分、エンタメで希釈しなきゃいけなかったんですよね
すぽん: それでも十分薄まらなかったので、序盤はやっぱりちょっとまだ欠点があるなって思いました。
しぃる: 青木君はあれくらいの薄め具合でいいと思う……あれ味でしょう
すぽん: そうですかね、まあでも売り上げはいまひとつ伸びなかったけど好評だったのは本当に嬉しかったです
しぃる: それは俺も似たようなものですよ。編集部の皆様とファンレター送ってくださった素敵なお姉さまのお陰です
しぃる: 期待に応えるためにも次は売れてえなあ~!
すぽん: いやでもお互いいい作品書きましたよ、時代が悪い!
しぃる: だな! 時代が悪い!
すぽん: で、次のあれですね、課題というかなんというか……
しぃる: 死にたがりビバップ読んでると、別方向もありそうな気がするんですよねうさぎやさん
すぽん: 死にビバはどっちかというと映画や舞台に憧れてる作品ですからねえ
しぃる: 死にビバ、あれ読んでるとこじらせ要素だけじゃなくて、格好いい要素の作品もまだ隠しているだろーってなる
しぃる: うさぎやさんの少年ハートが詰まった格好いい系読みたい
ぽん: なるほどな
すぽん: お洒落な映画が好きで、なんかこうお洒落でかっこいいやつやりてえなあ、とは思ったりします
すぽん: LEONみたいな感じのやつ
すぽん: あとジャズとか好きなのでそういうのも取り入れられそうな感じとか
しぃる: 良いじゃねえか……好きだよ、そういうのやろうぜー!
しぃる: うさぎや主人公でさー、本当に強くて格好いいおしゃれ殺し屋(だけど中身はうさぎや主人公メンタル)を読みたい~!
すぽん: 海野先生はここからはホラー重視に行くんですか? それとも熱い感じに?
しぃる: 僕はそうですね
しぃる: webはホラー重視、出版できる場合は少年漫画寄り、みたいな感じでやっていきたいですね
しぃる: 荒木飛呂彦先生好きなんですけど、ジョジョの本編は独特だけどしっかりと少年漫画やってて、短編ではハッとするような美しいホラー描くじゃないですか、
すぽん: それだと海野先生もっと男キャラ書いたほうがいいですよ。「邪神任侠」の男性キャラはみんなめちゃええんよ。もっと男キャラいて欲しかったな、って思うぐらい。肯定的な意味として。女性が悪いってわけじゃない。つか女性書くのむずくない? 俺は女性のことがなんもわからん。
しぃる: 俺も分からん。だが一つだけ言えるのはわかっていたら僕たちは無理キュアになっていない
すぽん: 特に有葉先生はめちゃ良かった。ぼくはあーいう男キャラめちゃ好きです。青木くんでいうと稲村みたいな。
しぃる: あいつのパーソナリティは限りなく自分に近い。そんなに才能無いから行住坐臥考え続けざるをえないんですよね。そんなんだから当然他人と折り合いなんてつかないんですけど、禮次郎はそんな彼の心に迫るんですよね。編集さんから「こいつをヒロインにしては?」って言われたのは秘密だ
すぽん: まあ、商業的にはヒロインって絶対必要なんですけど、熱いものを熱くするのってやっぱりメンズキャラのほうが出しやすいんですよね、ジョジョってヒロイン的なのいないし
しぃる: ただ俺が熱いの書くとゼロ年代燃えエロゲになる……あと可愛い女の子書くの好きなんだ。それに熱い男って絞った方が良いんだよ。文章で熱い男って沢山出すとエネルギーが分散しちゃうから。俺が可愛い女の子書きたいからって訳でも、マスター編集様が可愛い女の子読みたいからって訳でもないと思う
すぽん: わらう
すぽん: そこはこう、少年サンデー読みましょう、ガッシュとかH2とかさ
しぃる: ガッシュは好きでしたね……
しぃる: いやでもさあ、そことは違うんだよなあ
すぽん: まあ、ハードボイルドとは違いますしね
しぃる: それやると得意領域から離れるというか、精霊の加護を受けにくくなるなあって……
すぽん: 海野先生絶対ジョジョだと5部好きでしょ
しぃる: わかってくれますか
すぽん: ぼくは4部ですね
しぃる: 納得
すぽん: みんなに言われる。何言っても納得って言われる、ぼく。めちゃわかりやすいんだと思う。
しぃる: キャラが立っているんだよ
すぽん: いちご100%の推しとかでもさ……
すぽん: ビアンカ・フローラ問題でもさ……
しぃる: ビアンカ選ぶよね?????(やや食い気味に)
しぃる: ビアンカだよね???? 俺は信じるよ??
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