4:エンタメの正解

すぽん: 「君の名は」見ました?


しぃる: 見ました!


しぃる: 一人で!


すぽん: あれ、エンターテイメントの百点満点って感じしません?


すぽん: いや、ぼくも一人でしたけど


しぃる: あれ、最後にちゃんと出会いますからね。百点満点でした


しぃる: 俺が恋愛系書いていたらバイブルにしてましたね


すぽん: なんか、三葉が、ここでこけろよ、転べよ、こけた~~~~~!みたいな、期待通り感が


しぃる: そう、観客の期待に忠実!


しぃる: 予想は裏切っても、期待は裏切るなってバクマン。で言ってたやつを思い出しましたね


すぽん: 人間ってつまるところだいたい一緒で「面白い」って思うストーリーとか展開はだいたいみんな一緒なんですよね


しぃる: そうそう、大きく変わらないんですよね


すぽん: 「エンターテイメント」には正解がある


しぃる: この二人に結ばれて欲しい! 結ばれた! やった!


しぃる: って感じの正解がありますからね


すぽん: 失恋系のストーリーとか人が死ぬ系のエンタメでも、正解があるんですよね


しぃる: ですねですね


すぽん: まあ、それに倣えば誰だって「エンタメ」として面白いストーリ―は勉強すれば書けるってわけで


すぽん: 海野先生もその勉強にて作家を目指したってところがあると思うんですよ、実際、書けるわけですから


しぃる: ありますね。ただ、そこの正解みたいなものを「ええ感じ」でふんわりとでも感じ取って作品に落とし込める人間って少ないなあと思うようになりました


すぽん: まあ、その方法論みたいなのがあるって思って書いてる人は、なかなかいないですからね


しぃる: 柳生新陰流の研究をなさっている方が書いた「剣の法」って本で「新陰流の剣はしっかりとした論理で構築されているんだけど、その理解・身体化に関しては一種の飛躍みたいなものがあって、こればっかりは教えてもどうともなー」みたいな話をしているんですけどまさにそれ、エンタメの作劇にも論理があるんですよ


すぽん: いい引用だ


しぃる: 作家対談特有の引用


しぃる: 今めっちゃにやけてますから


すぽん:ぶっちゃけそれわかってたら新人賞は取れるんじゃないかって思ってるんですよ、あと運もありますけど


しぃる: 取れますね、新人賞


しぃる: 安定して執筆する環境の構築、方法論への理解、現代の読者が何を求めているかの洞察、この3つと運があればイケルと思います


すぽん: ぼくは考えるの大好き人間なので「この小説はなんで面白いんだろう」って考えるだけでそれなりの小説は書けるようになると思うんですよね


しぃる: できますね。ただそこは勉強と同じで、その考察をそこまで集中してできるかどうかみたいな壁はあるとおもいますけど


すぽん: まあ、そこはどれだけ深く考えるかによりますね、でもぼくみたいな元々頭悪い人間が四六時中小説のこと考えてたら精神科でお薬貰っちゃうはめになりますから


しぃる: またまたご謙遜を……


すぽん: そこはこう、生活力も必要です、ぼくびっくりするほど生活力ないですから


しぃる: 生活、大事っすよね


しぃる: 生活安定してないと原稿も追い込みききませんし


すぽん: まあ、兼業作家なんて器用に出来る人がいるとマジスゲーって思いますね。ぼく全部頭が小説に行っちゃうので


しぃる: ほんとうの意味で兼業作家できる人、天才のたぐいですよ。俺も学生としてはギリギリラインですし


すぽん: まあ、天才は天才で置いといて、我々は地道に努力家方面で頑張っていきましょう


しぃる: ですね。ギリギリでもなんとかええ感じでやってけば良いんですよ僕たち


すぽん: ええ感じで


しぃる: 何時かごっつええ感じになったら素敵やんくらいのあれで


すぽん: まあね、運もあるし

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