第52話 ドラゴンとダンジョン


上空に上がったドラゴンと「つきれん」は、アヴェンタちゃんの前に

姿を晒したのだが!


アヴェンタだけは、ドラゴンに攻撃を続けていた。


他の者達は魔法攻撃は、既に止めていたからアヴェンタの攻撃だけが目立っていたのだ。


直ぐにアヴェンタの周りに居たエゴイスタ様達が、攻撃を止めさせようとしてアヴェンタに近寄っている。


エゴイスタ様・レッチャット・ハラマはアヴェンタを取り押さえようとしたが

アヴェンタに抵抗させれている。


流石にエゴイスタ様の、堪忍袋の緒が切れたのか?


実力行使に移っている!


こうなったらアヴェンタは、早々に大人しくするしかなくなっていた。


そうして、エゴイスタ様の部下に連行される、アヴェンタの姿を見送った「つきれん」達であった。


後はドラゴンの処置をエゴイスタ様に任せて、俺達はその場を後にしたのだった。


上司の行き成りの錯乱、これには正直驚いたとしか言えなかった。


戦場では、ハッピートリガーなどと言う言葉があるが、そうした状況だったのだろうか?


テンションがハイになりすぎて、敵も味方も解らなくなって攻撃したのかも?


アヴェンタが落ち着いてから、ゆっくりと話を聞くとエゴイスタ様は言っていたので、詳しい事情は解らないままだったのだ!


やきもきする気分を抑えながら、「つきれん」はレッチャットとハラマにお礼を述べていた。


レッチャットとハラマが居てくれたおかげで、エゴイスタ達が駆けつけてくれたのだから、お礼を言うのは当たり前であった。


お礼を言い終えた「つきれん」は、レッチャットとハラマを連れて帰ろうとしていたが、レッチャットがダンジョンの中を見てみたいと唐突に言い出した。


ハラマもレッチャットに続き言い出し始めた。


2人から言われては、「つきれん」も断り辛かったので、少しだけダンジョンの中を見てみる事にしたのだ。


ダンジョン+ドラゴン=お宝?と言う図式がオレの頭の中で、出来上がっていたのだが、お宝がダンジョンに入って直ぐにある訳がない!


そんな安直な事は決してない?


「つきれん」は、そう思いながらダンジョンの中に入っていた。


昔の文献では、約2000年前に一度だけ此処のダンジョンは、攻略されたと記載されていた。


精霊族の暴れん坊が、ダンジョンを攻略した。


その時は地下30階まであったと記載されている。


それが此処のダンジョンで解っている全てである!


その後に、ドラゴンが巣を造りダンジョンに、訪れる者を捕えるので近づくなとしか、文献には出てきてない。


ドラゴンがダンジョンに巣を作ったのが、約1800年前だそうだ?


レッチャットが「つきれん」に、そう教えていた。


2000年も攻略されてないダンジョンが、自分達の前に口を開けている!


第一の難関のドラゴンは、排除されたから続いては、ダンジョン内の攻略である。


「つきれん」も暇があったら、ダンジョンの攻略をしてみたかった。


何せ2千年も攻略者が不在なのだから、どんなお宝が眠っているか不明なのだ!


そんなダンジョンに入りたいと思うのは、当たり前でもあった。


そうして、ダンジョンの地下1階に踏み込む「つきれん」達は、思いがけない物を見てしまう!


地下1階は、ドラゴン達の巣になっていたのだ!


個室?ぽく、仕切りと言うか、石で壁を作っている!


そうしてダンジョン地下1階は、凄く綺麗にされていた!


驚きの連続とは、この事だろうか?


地下1階の奥の方で、音がしたので覗いてみると、そこにはドラゴンの親子が

脅えて隠れていた。


母親ドラゴンは脅えた声で、助けて助けてとしか言わない。


レッチャットが何もしないと伝えると、母親ドラゴンは安堵した表情になっていた。


この母親ドラゴンに少し、此処のダンジョンの知ってる事を教えてもらおう!

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異世界の神様って素晴らしい! 和蔵(わくら) @nuezou

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