第46話 一集一品その6
オレは1度港街ガヤルドに戻っていた。
そこで、アヴェンタちゃんと合流してから、お城の建設予定地を
見学してから、コボルト族の集落に行く予定だった。
アヴェンタちゃんは、行きは一緒にリス車で移動して、帰りは天秤ポータル
を使い、一気に港街ガヤルドまで戻るよう伝えた。
アヴェンタちゃんも、それで好いから城が早く見たいと言っていたので
出発の準備を進めていた。
普通の馬車ならば、1ヵ月は掛かる道程だが、安心安全のリス車ならば12日間で
お城まで行けるのである。
ガヤルドリス族は、戦闘も強く知恵も高かったからである!
リス車の乗り心地は、お世辞にも良いとは言えないが、慣れれば楽であった
人間は慣れる生き物だ!
何回も何回も乗っている内に、慣れてしまう人が大半である!
ガヤルド大陸南部に来たら、1度は乗って置きたい乗り物ナンバー1
それが、リス車だ!
お尻が痛くなるならば、自前でクッションでも用意するのが普通だ!
態々、此方で親切にクッションを用意する必要は無かった!
小人族が作ったクッションを買えば、リス車の振動も多少は減少した
のである!
小人族が作り、ガヤルドリス族がリス車乗り場での、販売をしている!
この黄金の密約で、小人族もウハウハ!ガヤルドリス族もウハウハ!
この位の癒着は、オレは見てみぬ振りを続ける!
この密約がアヴェンタちゃんに、ばれたとしてもオレにはお咎めはこない
何故ならば、アヴェンタちゃんに上納金を納めて入るからだ!
世の中は、金が全てなのだよ!
他国の業者が、介入しても追い出されるだけである。
割り込ませないし、旨みもあげない!
ガヤルド南部地域は、今やアヴェンタちゃんの為だけに動いている!
でも、領民に取っても利益は大きいから、誰も文句は言わない!
完璧な計画である。
残るは、アヴェンタちゃんの御用商人になって欲しい、コボルト族との
交渉だけだ。
コボルト族が、アヴェンタちゃんの御用商人になれば、オレ的には楽になる
雑用が減るからだ!
此れが欲しいだの、アレが欲しいだのは、御用商人に頼めが済むからだ。
是非とも、オレの為にコボルト族との交渉を成功させたい!
......................................................
{お城の見学ツアー当日!}
〈つきれん!昨日は余り眠れ無かったよ!〉
そうなんですか?建設予定地を見に行くだけですよ?
〈そうだけど~ボクの居城なんだよ!興奮するよ!〉
私は、その居城に住めるのですか?
〈つきれんはね、北部のペリグーの町を治めて貰いたいから、
居城には住めないね!〉
私が、町を治めるのですか?
〈うむ!つきれんの実績を考えれば、港街ガヤルドを治めても、
おかしくは無いけどね.....〉
あはははは......
〈北部の真ん中にある小さな町だけど、その町は重要拠点でもあるんだ!〉
重要拠点なんですか?
〈うむ!鉱山の町だし、近くに有名なダンジョンがある!〉
ダンジョンと鉱山ですか!
〈その鉱山では、犯罪奴隷を働かせるから、ハラマに収容所の所長でも
させてあげなよ〉
んっ!?その人選で好いのですか?
〈だって.....港町トゥールズでのハラマの事は、他の者から聞いているよ!〉
なるほど!
〈ま~まだ先の話だから!まずはボクの居城を作るのが先だよ!〉
そうですね!アヴェンタちゃんの可愛い、お城を建てましょう!
〈えっ?アヴェンタちゃんだって?〉
あっ!アヴェンタ様に相応しい、お城の建設をさせてもらいます!
〈うむ!確りと仕事をしてよね!〉
(あぶない!あぶない!口からポロリと本音が出てしまった!)
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