第40話 密造酒組織その5


オレは秋月蓮と言います。秋月酒造[株]の社長をしている者です!


我が社の理念は、


「我々の第一の責任は、我が社のお酒を愛してくれる、

      すべての顧客に対し品質と味を向上して行く事です!」


この理念の元に、我が社の従業員一同は、貴方の為のお酒造りに邁進します!



詰りは、誰からも愛される酒を造りたい会社と言う事なんです!

一本でも多く買っていただける様に、日々の努力は惜しんでいません!

残業?休日出勤?安月給?なんですかそれは?そんなのは我が社には

関係ありません!だって此処は異世界だもの、労働組合も無ければ

労働監督署もありません!社長が決めた事が全てなのです!


異世界の神様って素晴らしい!


私は秋月蓮!社長なのですよ。うっふふふ!



ま~そんな無茶をしてたら、当然、部下から裏切られますよね?

オレの部下はアヴェンタちゃんに、労働条件の改善に行って事件が

発覚しました。あぁ~オレの天下が終った瞬間です.....


楽しいお金勘定も、此処までのようです.....さようなら楽しかった時間

ようこそ、雇われ社長の時間!そうですオレは雇われ社長になったのです。


その経緯を今からお話しましょうかね.....




......................................................



{さかのぼる事、数日前}


オレは、アヴェンタちゃんの仕事で、街の外に拉致被害者達を集落や村に

帰しに出かけていたのだった。そして疲れた帰ってきてみれば......


岩山公園の地下に社長室があるのだけど、その社長室に居てはいけない人が

仁王像の顔して居ました.....とっても恐かったですね!海に捨てられるかと

思った位ですよ!もうねオレの人生は終ったかと思った瞬間でもあったね!


社長室でオレは、正座してアヴェンタ様の、有難いお話を聞いていたのだよ!



〈つきれん君これは、どう言う事か説明して貰おうかな?〉

これはですね.....ゴブリナ達がお酒が無くて困ってると言ってたので、

私が、親身になって協力した結果です。


〈へぇ~それで、最後は部下を扱き使って、お金を荒稼ぎさせたと?〉

それはですね結果的には、そうなってしまいましたが、当初は違ったんですよ


〈当初と言うと?何かな?〉

ゴブリナ達の為にお酒造りを始めたのです。


〈そのゴブリナ達から、つきれんが酷い扱いをされてるから

            助けて欲しいと言われたんだけど?何故だろうね?〉

何故でしょうね?私にも何がなんだか解りません!

                 気が付いたら、こんな事になってました。


〈こんな事とは?〉

はい説明させて貰います。



......................................................




{つきれんの回想}


移の神・ヴァイノ様との取引は最初の方は、問題もなく順調に進んでいた。

事件が起こったのは、酒の神・シビッラ様が取引現場に乱入した時だった!


【妾に断りも無く、天界で酒を販売するとは何事じゃ!シャバ代と酒を遣せ!】


これからです。お酒を造っても作っても生産が追いつかなくなったのは.....

アヴェンタ様に助けを求める訳にも行かず、日々搾取され続けましたとも

数ヶ月間にも及んでね.....


ヴァイノ様もオレも良く頑張った、でもコレ以上は無理って思ってた所に

アヴェンタ様が、社長室に乗り込んで着てくれたのだった。


初めてアヴェンタ様を神々しく拝んだかも知れない!


ありがとうアヴェンタ様!もう「ちゃん」付けで呼ばないようにします!




......................................................



{回想が終わりました!}



〈するとアレか!シビッラのせいで、皆が苦しんでいたと?〉

そうです!シビッラ様が介入するまでは、生産量は少しで済んでました。


〈そうか!ボクの上前を撥ねていたのは、シビッラだったのか!〉

アヴェンタ様すいませんでした。もっと早く相談していれば皆を

苦しめなくても済んだのに、オレのせいで皆に苦労をさせてしまいました。


〈まぁ~つきれんも苦しんだのだから、コレ以上は怒らないであげるよ!〉

ありがとうございます!


〈ボクは、少し天界に行ってくるからね!留守番を宜しく頼むよ!〉

えっ!?天界にですか?また急にどうされたのですか?


〈ボクの不出来な妹をね、折檻しに戻ってくるよ!〉

えっ?シビッラ様ってアヴェンタ様の妹だったのですか?


〈そうだよ!不出来な妹だけどね!可愛くもある。〉

アヴェンタ様の慈悲に感服いたしました。


〈では行って来るね!〉

お気をつけて!




......................................................




{シビッラがアヴェンタ様にボコボコにされてやってきた}


アヴェンタ様これは一体どう言う事ですか?

〈シビッラを此処の責任者にして働かせようと思って連れてきた!〉

<つきれん.....きさま....ボコ!>


〈つきれんはボクの配下だって説明したでしょ?もう忘れたの?〉

<お姉さま~忘れていませんわ!お姉さまの言った事はちゃんと覚えてますわよ!>


〈この不詳の妹を宜しく頼むよ!〉

では、私が居ない間は、此処でお酒の生産をさせましょう!

<貴様の命令など、誰がうけるぅ――>


.........

............

...............

{アヴェンタの御仕置きタイム}



<つきれんちゃんの言う事を素直に聞きますわ!>

〈つきれんよ、妹が逆らったらボクに言うんだぞ!それか兄上でも良いよ!〉

解りました!シビッラ様の事で困ったらアヴェンタ様かエゴイスタ様に言います!


〈お姉さま!お兄様に言うのだけは駄目です.....勘弁してください!〉

エゴイスタ様は私めの、隣部屋に住んでおります!


<なんですって!......つきれんちゃん.....今までは、ごめんね.....>

シビッラ様これからは、仲良くしましょうね。




......................................................




{つきれんの部屋にて}


今回の事件は、全てシビッラが原因と言う事で決着したのである!

オレの犯罪の証拠は、全てシビッラにのせいになったから、オレは

枕を高くして寝れるのである!


これも日頃の行いが良いせいだな。


おやすみ!




(誰だ!今オレをクズ呼ばわりした奴は出て来い!)

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