第34話 我が儘は駄目!


つきれん達一行は、ケット・シーが治めている・ケット村まで戻って着ていた。


拉致被害者の帰還を手助けして、この村にって来てからは、急展開の

ドタバタが続いていた。ケット村でのダンジョンでの狩り・アヴェンタ様の居城

になる場所の調査・その帰りに堕天使の集落の発見などなどが、続いたからである。


ま~アヴェンタ様からすれば、嬉しい急展開だろうけども、オレ達にしてみたら

もっと仕事が楽になった方が助かるのだ。元居た世界では、“働きたら負け”などと

言う人達も居たくらいだ。


今いる世界で、働かなかったら飢えて死ぬだけかも知れないけど、それでも

仕事で楽をしたい!決してサボリたい訳ではないのだよ、楽をしたいだけなのだ。

そこを間違わないようにして貰いたいな。


でも...こんな事を偉そうに言ってるけど、実際に働き出すと、目の前の事を

夢中になってこなしてしまう...そんな社畜根性が染み付いてるが...悔しい。

生きていた時の、記憶があるから弊害なのかも知れない?


出世欲とかは無いのに、何でオレって頑張ってるんだろう?不思議だね。

ま~そんな小さい事は、気にしても仕方ないかな、今を楽しく生きようっと!



レーニ村長さん~戻りましたよ!

「無事に戻られたか!良かった良かった!」


レーニ村長から教えてもらった場所は、凄く好い場所でしたよ。

帰ったら、さっそくアヴェンタドール様にご報告したいと思います。

「つきれん様は、あの場所を気に入られたのか?」


オレが気に入っても、アヴェンタドール様が気に入るかは解りませんから

今は何とも言えませんよ。他に好い場所があるなら別ですけど、今現在は

あの場所しか候補はありませんので、このまま他の候補地がなければ、

決まるでしょうね。


「なるほどの!あの場所に決まってしまえば、わらわとしても嬉しいのじゃが。」

村の事を考えると、そうなりますよね?


〈お母様!ウチがつきれん様に付いて行っても良いでしょうか?〉

「何故に港街ガヤルドに行くのか?」


〈ウチがアヴェンタドール様に謁見えっけんして、

               あの場所の良さを説明して来たいのです。〉

「なるほど!それは良い考えじゃな!行って来るがいい。」


それでは、イリナを港街ガヤルドのアヴェンタドール様の館まで、

                   私が責任を持ってお送りします。


「つきれん様、宜しくお願いいたします。」

解りました!帰りは、ガヤルドリスに送らせますので、ご心配なく。

〈1人でリス車に乗れるの?やったー!〉


1人で乗せないよ!従者に護衛を付けるからね!

〈えぇ~~~!ぶぅ~~~~!〉


【つきれん様!この村はダンジョンがありますね!】

シーグルド戦士長!ダンジョンに入りたいのですか?


【入って見たいのですが、我等はアヴェンタドール様に

     ご挨拶がありますから、今回は止めておきますよ。】

今度は、暇な時にダンジョンに挑んで見て下さい。


【そうですね!残念ですが、そうしますよ。】

『儂もダンジョンに入りたいの~!』

おやっさんも暇な時に、“1人”でダンジョンに挑んでください。


『何で、“1人”の所を強調して言うのじゃ?』

オレはダンジョンに、興味はありませんからね!


≪ぶぅ~ぶぅ~ぶぅ~≫


何でこんなに、批判されないと悪いんだ?

『そりゃ~“みんな大好きダンジョン!”だからじゃよ!』


みんな...好戦的なのね!オレは平和主義者だから巻き込まないで!

『いやじゃ~いやじゃ~つきれん様も道連れじゃなきゃ~いやじゃ~!』


おい...おっさん!道連れってなんぞ?

「つきれん様!道連れと言うのはな~」


レーニ村長!意味は知ってますよ...

「そうでしたか...それなら良いのです。」

『村長殿が、折角せっかく、親切に説明してくれとるのに...』


おやっさんあのね...オレはねおやっさんに“1人で”って言いましたよね?

何故にオレが一緒に行く事になるのかな?その説明をして欲しい訳なんですよ。

『そりゃ~つきれん様!儂1人では、怖いからにきまっとる!』


恐いなら、ダンジョンに入らなければ良いと思いますよ?

『えぇ~~!』


それか、ハラマさんを連れて行って良いですよ!オレが許可します。

『本当か?よし、ハラマ殿とダンジョンに入るとするかの。』

(ふっ~~此れでダンジョンに入らなくて済みそうだ。)


余り遅れても、アヴェンタドール様に悪いので、港街ガヤルドに帰りますよ。

『解ったぞい。』


「つきれん様!娘を宜しくお願いします。」

解りました!安全にアヴェンタドール様の元に連れて行きます。

〈お願いします。〉



{一行は、港街ガヤルドの帰路に着いた}



┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈



{港街ガヤルドのアヴェンタの館}


<つきれん~おかえり!>

アヴェンタ様、つきれん帰還しました。

『ラプター帰還しました!』


それと、アヴェンタ様に会わせたい方達がいらっしゃってます。

<ボクに会いたいの、誰かな?>

『2人とも入ってまいれ!』


〈お初に御目に掛かります、ケット・シー族の村、

       ケット村の村長の娘のイリナと申します。〉

【お初に御目に掛かります、堕天使の集落から遣って参りました

    長老の息子のシーグルドと申します。以後お見知りおき下さい。】



<この2人は、何故ここに連れてきたのかな?>


私から説明させて貰います。ケット・シーのイリナが此方に来たのは、

アヴェンタドール様の居城を建てる場所、その場所の説明をさせる為です。

堕天使のシーグルドを連れてきた理由は、アヴェンタドール様の居城で

堕天使の集落の者を働かせたいく、私が連れてきた次第です。


<ボクの居城を建てる場所が、見つかったって事なのかな?>


立地も申し分なく、極めて良い場所になります。居城を建てる場所には

古城がありますので、その古城も城の一部に取り込めれば、凄い規模の

居城になると思います。アヴェンタ様どうでしょうか?


それと、堕天使の集落の者達はアヴェンタドール様の配下に入りたいと

申しております。その数は850人程ですが、今の配下だけでは正直言うと

全然足りませんので、この850人を配下にする事をオススメします。


<居城の場所の事は、イリナに聞けば良いのかな?それと配下は増やす

 予定だったから、堕天使850人はボクの近衛兵として取り立てたい。>


それが宜しいと存じます。後の事は、2人にお聞き下さいませ。

解らなければ、ラプターにも説明させましょう!

『えっ!?』




『何で~!?』



{つきれんが、悪どい顔してラプターを見ている}

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