第33話 三文芝居は程々に


{お城建設現場の候補地を観た帰りの事}


ね~イリナさん!あそこの場所は何があるんですか?

遺跡見たいにも見えますね?何でしょうかね?

<何処ですか?遺跡何って見えませんよ?>


おやっさんは遺跡ぽい場所は見えてますか?

『何処じゃ?ん~~~?』


ほら~あの窪地くぼちになってる場所にあるでしょ!

『薄っすらと影みたいなのが見えるの?幻術のたぐいで姿を隠してるのか?』

<ウチは幻術とか見破れないですよ。>


オレだけに遺跡が見えてるの?お城の側に遺跡?何かお宝が眠ってるとか?

『そんな事はないじゃろうて。わははははは!』

<あっ~そう言えば、お母様に聞いたことある!>

≪えっ!?≫


<私達が住み着く前に、古代人の暮らしていた遺跡が近くにあるって。>

『古代人?どんな種族なんじゃ?知能は高かったのか?』

古代人って何ですかな?オレにも解るように説明して欲しいな~!


『古代人ってのはな、古代魔法王国の者や堕天使達の事じゃよ。』

堕天使って言うのは?悪さでもしたのですか?


『違う違う!堕天使って言うのはな、天使と人間のハーフのことじゃ!』

天使のハーフの事を堕天使って呼んでるんですか?


『昔はな~ハーフ天使に対しての風当たりが厳しくてな、

 それで天界で暮らして行けなくなって、下界に移り住んだんじゃよ。』

そんな事があったのですね!


『昔の神族や天使族や精霊族は傲慢じゃったからの.....仕方なかったんじゃ。』

その堕天使の遺跡かも知れないんですね?

<堕天使様が住んでるんですか?>


『もしかしたら堕天使ではなく、古代魔法王国の遺跡かも知れんぞ?』

<堕天使様が良いニャー!>

そんな事を言ってもなイリナ.....


『とりあえず、遺跡に行ってみんと何にも解らんからの!』

なら窪地に向かいましょうか!リスガ・リスル・ヤリス窪地に向かってくれ。

≪はい、つきれん様≫




┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈




{遺跡が見える窪地まで来た}


此れは結界なのかな?触っても怪我しないかな?

『幻影だったら怪我はしないじゃろうって?』

<堕天使様~今行くニャー>


{駆け出すイリナ!}


フワ~ン!


えっ...イリナが消えた!?

『中に入っただけじゃて!』


{つきれん達もイリナの後に続いて中に入った}


おやっさん...何の遺跡か解りますか?

『いや~どう観ても.....堕天使の集落じゃないかの.....』


ですよね~堕天使さん槍を降ろしてくれないかな?

<きゃ~素敵な堕天使が一杯ニャー!>

『イリナが捕まってるぞ...あれは自分から捕まりに行ったのかの?』


私は秋月蓮!神族の准男爵をしている者だが、そちらの責任者に会いたい。

【我々の集落に、無断で入ってきて偉そうにするな。】


『ハラマを連れてきた方が早いかの?』

おやっさん...素直に帰してくれないと思いますけど...

<ウチここの子になっても良いよ。>


イリナ...レーニが聞いたら泣くぞ...ちゃんと一緒に帰ろうな!

<ダメダメ!帰りたくないニャー!>


『お主等!我々が、アヴェンタドール辺境伯の配下と知っての狼藉か?』

【辺境伯?もしかして神族の者か?】

そうですよ!私の主でもあります。


【誰か、急いで長老達を呼んでこい。】

責任者が来るみたいね!おやっさん待ってようか?

『そうじゃの...』



しばらくしてから集落の村長がやって来た。}



[この集落の長老をしているヨハンネスです。]

私は、アヴェンタドール辺境伯の配下で、准男爵をしてる秋月蓮です。

『儂は同じく、アヴェンタドール様の配下でラプター士爵じゃよ。』


[何故この集落に、準貴族の方々が来られたのですか?]

この近くにケット・シーの村があった事はご存知ですか?


[それなら知ってます。確か100年位前に何処かに

     引っ越したみたいで、今では廃墟の古城があるだけかと。]

その古城跡に、アヴェンタドール様の新しい居城を建てるかも知れないのです。


[えっ...それでは我々堕天使は、この地を追い出されるのですか?]

まさか!追い出したりはしませんよ、むしろ積極的に手伝って欲しい

   そう此方は思ってるくらいですから!城の建設には人でも入りますからね。


[でも我々は堕天使ですよ?天界を追われた身ですぞ?よろしいのか?]

『長老殿!もう、そんな事を気にする時代ではないのですぞ。』

そうみたいですよ。


[では...我々でもアヴェンタドール様の、お役に立てるのですか?]

はい!私からアヴェンタドール様に話をしておきますよ。

『うむ!儂からもアヴェンタドール様に頼んでみるぞ!』


【親父殿!それで良いのか?】

[シーグルドよ!昔の事を言っても始まらんぞ!今は前に進むことじゃ。]

『昔は、風当たりが強かったが、今ではハーフ天使も

               天界で役職持ちで働ける時代じゃぞ。』


[なんですと!それは本当なのですか?]

【信じれない.....お爺様から聞いていた話と違う。】


時代は移りく物です!昔はどうあれ、今を生きる人が

     住みやすいなら、それで良いではないですか?

『そうじゃな!』


【それでは我々の子供達でも、アヴェンタドール様に仕える事が可能なのですか?】

仕えたいなら、私が話を主人にしましょう!


[シーグルド!お願いする立場なのに何しとる!]

【あっ.....ああ.....】



{親子に土下座されて頼まれてる}



[どうか、孫達の世代を宜しくお願いします。]

【息子達には、肩身の狭い思いをさせたくないんです。】



アヴェンタドール様の、お城が完成したら近衛兵が必要なんだけどな~

            何処かに良い人材は居ない者かな~おやっさん!


『儂の知り合いに、ハーフ天使の長老がいるぞ!その者達に

                 声を掛けてみようではないか!』



{くさい三文芝居が始まった...}



『そこの長老の名前が、ヨハンネス殿って言うての!お城の近くに住んでるんじゃよ。』

お城の近くにですか?逸れは良いですね!是非とも誘ってくださいよ。


『おう!儂に任せてくれ。』

<ウチ達にも任せて欲しいニャー!>  


おっ...おう!手伝ってくれるなら大歓迎だ! 

『これから、忙しくなるぞぉ~!』   


[アヴェンタドール様に永遠の忠誠を誓います!] 

【秋月様にも誓います!】 

<ウチ達に、カッコイイ男天使を紹介してくれニャー>

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