第9話 正式な儀式なのです!


すぅ~はぁ~すぅ~はぁ~!


「つきれん殿、まだですか?」


{嫌がるウラカン。}

{何をしてるかって? それは・・・内緒♡}


神のご加護があらんことを!


{ウラカンの右胸の少し上辺りに、メダルを押し当てた。}


これで、皆さんはアヴェンタドール様の、正式な信者に成られました。

何か困った時は、印に手を当てて祈って下さい!

そうすれば、貴女は救われるでしょう。(多分ね。)


「つきれん殿、実は困った事なら、既にあるのだが・・・」


えっ! そうなのですね。

どのような事でしょうか?


「言い難いのだが、何件かの問題がある。」

「一番困ってるのは、隣村の同胞の事なんだ。」


ほうほう!


って~言いますと、ゴブリナの村なのですね?


「はい。」


ふむふむ!私で良ければ、相談に乗りますよ。(キリッ)


「ありがたい。」

「隣村にダンジョンが二ヶ月位前に出来たと聞いてたのだが。」

「そのダンジョンから、魔蟲まむしが湧き出して来て困ってるのだ。」


{オレを期待の目で見るウラカン。}


「つきれん殿、どうか力を貸し頂けないか?」

「隣村の近くに、同胞は我々しか住んでないので、助けてやりたいのだ。」


少しお待ち下さい。

{アヴェンタに相談してみるか!}



┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈



{天秤に念じる、さらに念じる・・・反応が無い!}

{腹黒のボクッ子の反応が無い・・・悪は滅びたようだ。}


「誰が悪だって?ボクの事かな?」


心の声が聞こえただと・・・こやつエスパーか?


「エスパーって何だよ? つきれんが、ブツブツ言ったのが聞こえたの。」


何ですって、この口が悪いんですね! メッメッ(アヴェンタから目を逸らす。)

アヴェンタ様、悪い口は、折檻せっかんしておきました。


「ふぅ~~ん、所で今度は何なの?」


実はですね! ウラカン達の同胞の村に、ダンジョンが数ヶ月前に出来たみたいで、

魔蟲が、ダンジョンの外に溢れ出して、隣村の住人が困ってるそうです。

これは、新たな信者獲得の、チャンスです! 


{アヴェンタの顔色が変わった。}


「よし、つきれん! その村人達を逃がさないでね?」


お代官様、分かっております。この越後屋に、お任せくださいませ。


「おだいかん?えちごせいか?」

「キミは、たまに意味不明な事を言うよね?」


お気になさらないで下さい。

執事の戯言たわごとですので。


「うっ・・・うん、わかった!」

「ダンジョンに、魔蟲が居るのか・・・厄介だね。」


倒すのは、難しいのですか?


「倒すのは、簡単だよ!でもね~数が数だけにね。」


なるほど! 魔蟲だから大量に沸いてるのね!


「あっ そうだ!天秤の引き出しに、チェンテナリオ様のメダルがあったはず!」

「メダルに世界の地図が、画かれてるヤツね。」


どれどれ・・・ゴソゴソ。

これかな?世界地図に見えなくも無いかな?


{メダルだと小さ過ぎて、わかんないよ。}


アヴェンタ様、ありました!

これをどうするのですか?


「近くに水辺はあるかな?」


さぁ~~どうでしょうね?

ウラカンさんに、聞いてみますね?


{ウラカンに、水辺を聞きに行く。}

{5分後}


村に小さな溜め池があるそうです。


「池ね~なら溜め池に、コインをけて置いてね。」

「くれぐれも、コインを失くさないでよ。」


はい、了解です!


「一晩コインを、溜め池に浸けて置けば、池の水が聖水に、変わるはずだよ。」

「聖水で、悪い蟲もイチコロだよね。」


流石は、偉大なるアヴェンタドール様!

マジ尊敬するっす!(棒読)


「マジってのは何だい? よく分かんないけど、そうかなぁ~テヘッ。」

「それとね、重要な事だから、しっかりと聞いてね。」


はい!


「メダルを浸けた水はね、魔者が飲むと大事おおごとになるけど、契約の儀を済ませた信者が、飲んでも害は無いからね。」

「それを、ウラカンに伝えておいてね。」

「間違って、信者ではない、同胞に水を飲ませないようにって。」


ウラカンさんには、しっかり伝えておきます。


「では~ばいばい!」

(語尾に菌を付けろ!菌を!)



┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈




{先程の事を、ウラカンに伝えに行った。}


とぉ~言う訳で、このコインを溜め池に、浸けて置けば聖水になります。

聖水が、出来たら隣村に、救援に向かいましょう!


「つきれん殿の、ご協力が無ければ、どうにもならなかった。」

「本当に感謝している。」


困った時は、お互い様ですって!


「神族には、そんな風習があるのか?」


いえ、オレの生まれ故郷の、風習ですよ。


「なるほど、いい風習だな。」

「我々も、つきれん殿を見習いますぞ。」

「困った時は、お互い様、良い響きです。」


そうでしょ!そうでしょう!


「でも、つきれん殿、胸に顔を埋めるのは、ちょっと・・・」


アレは、神聖な儀式なのですよ!(怒)


「そうか、あれが正式な儀式だったのか?」


そうですとも!アレがアヴェンタ様の信者になる、神聖な儀式なのですよ。

(静かに十字を切る)


{ふっ!これで、正式な儀式って事になったよ}

{堂々と儀式が出来ます。キリッ}


ウラカンさんからも隣村の方達に、信者になるように、口添えをして貰えますか?

そうすれば、アヴェンタドール様の加護で、問題も直ぐに解決ですよ!


「わかった!村長の名前は、イオタと言いまずぞ。」

「イオタには、私から話を通しておきます。」


{隣村の村長は、イオタちゃんって言うのか?}

{会うのが、楽しみだなぁ~}




┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈



今現在のステータス!


名前:秋月蓮

種族:神族

年齢:享年35歳

役職:中間管理職(仮)

スキル:営業トーク(new)・営業スマイル(new)


レベル:1

体力:100・知力:65・魔力:0・商才:30・行動力:70・幸運:90

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