第7話 異世界の神様って素晴らしい!


スキップ~スキップ~ランランラ~~ン


軽い足取りで、村の入り口を目指すオレ。あの村には、どんな冒険が待っているのか?

胸躍る瞬間だ。知的で優しい系のお姉さんなのか、それともボイッシュー系のお姉様なのか、

期待に胸を膨らませて進むオレ。


そんなこんなで、村の入り口まで直ぐに着いた。

よし!ここは、ミスが出来ない場面だから、紳士的に行こう!



┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈



村人の少女が、オレを見るなり奥に消えていった。


ん? どうしたのかな? オレは怪しい人物ではないのにね(クスクス)

すいません~怪しい者では無いので、出てきてお話を聞いてください。


・・・・・

・・・・・


あれ?警戒されてるのかな?


すいませぇ・・・ザクッ・・・

足元に手斧が刺さった音だった。


皆さんに、危害を加える気はありませんの、話し合いましょうよ!

すると奥の建物から、人妻風の美人のお姉様が出てきた。


あっ 初めまして、私は(つきれん)と言う者です。


「何しに来た!? 人間め、また村の者を襲いに着たのか?」


いえ違います! 私は人族ではありません。

神族の者ですよ。


「神族が何のようだ?我等、ゴブリナ族を害しに来たのか?」


違いますって、私はですね、神様の信者を増やす使命を帯びて、旅をしている神族の者です。

お聞きしますが、人族に害されているのですか?


「冒険者と言う人族が、定期的に海を越えては、私達ゴブリンを害するのだ。」


そうでしたか、 でも私は人族ではありませんので、貴女達に危害を加える気はないので

信じて貰えないでしょうか?


「口だけなら、何とでも言える、信じれるか!」


そう言うと、手斧をオレに向けて襲い掛かってきた。


ちょっと・・・話を聞いて下さい・・・オレは戦闘が苦手なんです・・・

(ヤバイ!ヤバイよ!)


逃げるオレ、追う人妻! オレの頭の上を手斧が、通り過ぎる!

オレの脇をかすめる!足元に手斧が刺さる!胸元で手斧を紙一重でかわす。



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【つきれん視点】



このままでは、らちが明かないよ、何か打開策が無いかな?

少しでも、オレの話を聞いて貰う方法を思いつかないと、ジリ貧になってしまう。


えぇ~~い こうなったらいちばちかの、破れかぶれだ!


おとこなら特攻じゃ~~~い!



【人妻視点】



こいつ!ちょこまかと逃げてばっかりで、戦う気配がまったくない!

何を考えているのだ? 本当に戦う気がないのか?

殺気も感じられない、先程からかわしてばかりだ。


人族ではないと言っていたのは、本当なのだろうか?

いや!人族は、いい奴も居るが、大多数が悪い奴等だ!

私は騙されない! この村の村長として皆を守る責務が、私にはあるのだから。


・・・・・


何だと!? ぐわぁ・・・



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逃げるのを止めたオレは、人妻目掛けて反撃に出た!

人妻のナイスバディーな胸にタックルをかましたのだ!


激突する2人、砂埃が辺りに立ち篭める・・・



気が付くとオレは、人妻の上でマウントポジションになっていた。

オレの手は、人妻の背中にガッチリと回す形になり。

顔の位置と言うと、人妻の豊満なお胸様に埋まっていた。


『異世界の神様って素晴らしい』

(女性に堂々と抱きついても、犯罪ではないのです!)


そう思った瞬間だった!

この世界に骨を埋めても、一遍いっぺんくいなし。


ガッチリ人妻を捕まえた状態から、オレは人妻にこう言った。

(アナタハ、カミサマヲシンジマスカ?)


人妻からの返事はない? どうしたのか途方にくれていたら。

行き成りだった、人妻が笑い出したのだ!?


「あははははははは 何だそれは。」


オレは冗談を言ったつもりは、ないのだが?

何が可笑しかったのか、さっぱり分からない。



┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈



誤解が解けたみたいなので、今は人妻の家に来ていた。


人妻は村長のウラカンと言うらしい!

ウラカンが誤解して、オレに襲い掛かったのには理由があるそうだ。


この村には、何でも希少な香辛料を栽培しているらしい。


人族を数年前、怪我していたパーティを保護してから、

冒険者に似た格好の人族が、来るようになったとか、


香辛料が盗まれるようになったので、警戒していた時に捕まえた人族が、

自分は冒険者だ、道に迷っただけだと言ったらしい。


香辛料を盗みに来たヤツは冒険者と云っているが、おそらく盗賊か何かだろう。

冒険者の名を肩って、悪さをしたのだ。


けしからん!


最初の保護した冒険者は、助けてくれたお礼に希少なアイテムを、

ウラカンに渡したそうだが、その助けた冒険者達が、帰った後に酒場で

酒の勢いより、つい、此処の事を言ったのだろう?


ウラカンさん、人族も全てが悪い人ばかりではないのです。

だから、人族を許してあげてください。


「つきれん殿が、そう言うのなら仕方なし。」

「私も思う所はあるが、つきれん殿が言ったように、全ての人族が悪だとは思っていない。」

「だから、つきれん殿を信じる。」


そう言って貰えると、オレも嬉しいです。


話は変わりますが、商の女神・アヴェンタドール様の信者に、村の皆さんでなりませんか?

アヴェンタドール様は、商いの女神って言うくらいですから、商売繁盛、家内安全の御利益が、

ありますよ! 是非とも信者になってください。


「つきれん殿!かないあんぜん? 何だそれは?」


家族に不幸や事故が起こらなくなりますって事ですよ。


「なるほど!それはいいですな。」


{目を瞑るウラカン。}


{考えるウラカン!......まだ考え中!}


{ウラカンの目がクワッと開いた!}


「決めましたぞ!つきれん殿! 我等一同、アヴェンタドール様を神として崇拝しよう。」


おっ・・・おっしゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!


{腕を挙げてのガッツポーズをするオレ(歓喜)}


{布教活動も悪くない。そんな風に思った瞬間だ。}

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