第5話 社畜人生まっしぐら!


シクシク・・・


「も~泣かないでよ・・・面倒くさい子だな。」


だって・・・どじっ子の眷属ですよ・・・


「あっ ボクはドジっ子ではないよ。」


はい?


では、何故に他の神様は、アヴェンタドール様をドジっ子と言ってるのですか?


「それはね~ ボクがねドジっ子って噂を広めたからだよぉ! HAHAHAHAHA」


・・・・・


おーーーーまーーーーーいーーーーーごっと!

なんじゃい! アヴェンタドール様は詐欺師かい!?


「だって~さ~ ボクも他の神様みたいに部下が欲しかったんだ・・・」

「1人では寂しいもん。」


(もん~もん~もん~)こだまする語尾


ドキッ! 意外や意外! この神様って可愛い所もあるのかな?


「何ってね! 扱き使う使用人が欲しかっただけなんだけどね。」

「ははははははぁ~。」


チッ・・・さっきのときめきを返せ!


あれだ・・・このアヴェンタドール様って言う人は、腹黒系の美人さんだ。

正直に言うと、関わりあいたくねぇ~~~~!


すぐさま部屋から逃げ出したいよ(泣)

オレの神様人生・・・おわった・・・


一生この人の下で働く事になるのだろうか?

嫌だぁ!断じて断る!


こうなったら眷属の事で、アートン先輩に相談するしかない。


「ところでな、つきれん。」

「ボクの眷属になったからには、馬車馬のように働いてもらうよ。」

「チェンテナリオ様に、貢物を一つでも多く差し出すためにね。」

「一年間にチェンテナリオ様に、1万ベルを貢がないといけないの。」

「でないと・・・今の贅沢(地位)が出来なくなっちゃうの、わかるでしょ?」


そんなのオレは知りません・・・


「キミは何もわかってないよね!」

「真面目に聞いてよ、貢物が増えると、チェンテナリオ様から受ける恩恵が、それはそれは凄いんだ。」

「この部屋を見て御覧んよ! この家具のセンスを素晴らしいと思わない?」

「あぁ~~もっと贅沢がしたいよ。」


いや~アヴェンタドール様が、欲望のままに生きていると言う事だけは、理解できました。


「いいかい! この生活を維持する為には、多くの信者を勧誘して来なければいけないの。」

「だから、もっともっと、ボクの信者を増やしてきてよ。」


はい


とぉ~二つ返事をしたものの・・・


信者の勧誘ってどうするんですか?


「そんなのは簡単だよ! 異教徒を捕まえたら、ん殴って改心させれば好いんだよ。」

「簡単でしょ?」

(恐いくらいに爽やかな笑顔で、言い切るアヴェンタドール。)


おおっと・・・聞いてはならぬ事を聞いてしまった・・・

このお方は、過激な信者勧誘をして来いと、言っておられる。


「その為の装備は、支給されてるでしょ?早く出かける準備しなよ。」

「装備を整えたら、直ぐにココに戻ってきてね。」


そんな、やり取りの後、部屋を追い出されたオレ。

困った時は、アートン先輩に聞くしかない(白目)



┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈



アートン先輩!


「つきれんではないか! どうしたんだい?」


実はですね。


アヴェンタドール様の眷属に強引にされた事を説明した。

アートンが苦笑いしてるのが、見て取れる。


「あぁ~~アヴェンタドール様の眷属になったのか・・・そうか。」

「つきれん! どんまい(笑顔)」


えぇ~~~~ どんまいって何だ?

そんなに悪いのかな?



あの~先輩! 異教徒を改心させるのって、どうすればいいのですか?

アヴェンタドール様は教えてくれなくて、困ってるんですけど。


先輩は、仕方なさそうにオレに説明してくれた。


「支給した武器を手に、異教徒の居る地域に赴いて、戦って改心させればいいのですよ。」


やってきました!戦闘イベント!

オレの死亡フラグが、今ココで立ちました(泣)


合掌チーン


って~バカ言ってないで、オレって戦闘スキルを持ってないんですけど?

ハンマーだけで戦うんですか?


「アヴェンタドール様の加護があるから大丈夫!」

「少々の傷では死なないからね。心配しすぎです。」

「神様から頂いた加護には、色々と便利なスキルが付いてるのですよ。」

「そこは実戦で、試してみなさい!聞くだけが勉強ではないだよ。」


「あたって砕けて来い❤」


ハートって何だよ! こっちとら真剣に聞いてるのに・・・

チッ・・・アートンは、やっぱり適当な性格なのか?

それとも、オレに期待して、敢えてそうしたのか?


あ~・・・オレにはわかんない。



アヴェンタドール様の部屋に装備を整えて、行かねばならない事を思い出した。




┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈




コンコン


「入ってきてもいいよ。」


つきれんです! 準備が整いましたので、ご報告します。


「キミにはコレを渡してとくよ。 眷属の証の黄金の天秤だよ。」

「大事にしてよね。」

「もしも、困った時には、コレを使ってボクと連絡を取ってよね。」

「それとコレね、アイテムバック。 黄金の天秤はバックに入れててよね。」


渡された天秤は、掌に乗るくらいのサイズだった。


それとアイテムバックの容量を聞くと。


「容量はね、入るだけ入れたらいいんだよ。」


この駄目神、実は詳細を知らないんだな?



天秤には何しらの、機能が付いてるマジックアイテムなのかな?

使ってみれば、わかるでしょ!



広域暴力○組織の、上納金システムの為にオレは・・・

死地に赴かなければ、ならないのか・・・


つらいわぁ~マジで辛いわぁ~(合掌)

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