第28話 夜這いもあるさ

風呂から上がったシュラは、今日、俺が買ってあげた赤いビスチェを試着していた。やはり俺の見立ては間違いない。エロさがさらに数段アップしている。


「どうだ、ジンタ。似合うか」

「うむ。似合うぞ、シュラ」


それを見ていたユキが、自分も見て欲しいのか、今日買ってやったピンクのポンチョを着てきて、俺の周りを回り始めた。

「ジンタ。似合うか」

「もちろん似合うぞ、ユキ」

いや・・正直言って似合ってるようには見えなかったが、嬉しそうに着ているのでそう言ってやる。しかし、その言葉がよほど嬉しかったのか、夜遅くまでその格好でバタバタ走り続けて、少し迷惑であった。


さて、そろそろ寝るとしようか。そう思い、俺は床に毛布を敷き始めた。もちろんベッドはシュラとユキが寝るので、俺は床である。


部屋の明かりを消して、俺は毛布に包まる。二人もベッドに入って寝る準備をしているようだ。


「おやすみ」

そう一言だけ言うと、二人も同じようにおやすみを返してきた。


と、眠りにつこうとするのだが、シュラの赤いビスチェの姿が目に焼き付いてなかなか眠れない。暗い部屋の中でユキの寝息だけが聞こえて来る。どうやらシュラもまだ寝ていないようだ。


・・・ちょっとだけエロい事をお願いしようかな・・俺の中で何かが動き出した。


俺は静かに毛布から出ると、這いずっていくようにベッドに近づく。そしてユキを起こさないように静かにベッドの上を移動しようとした。だけど最悪な事にユキの方が手前にいて、奥のシュラのとこまで行くのは難しそうだ。


いけるか・・・俺は慎重に左手をユキの首元において、全体重をその手にかける。そしてゆっくりと右足を、ユキをまたぐようにシュラの方に持って行き、左手と右足に力を入れて、ゆっくりとシュラの方へ移動していった。


シュラに馬乗りになるような体勢になると、彼女を見つめる。やはりシュラは起きていたようで、見つめ返してきた。そして小さな声で話しかけてくる。

「どうした、ジンタ。夜這いとは感心しないぞ」

その言葉に俺は返事に困る。ここで手でしてくれとか言ったら怒るかな・・

「近くで顔を見たくなったんだ・・」

とりあえず様子を見るために俺がそう言うと、シュラは少し顔を赤くして照れたような仕草をする。これはいけるかと思ったその時、彼女がこう返してきた。

「そんなことを言ってくれるのは嬉しいけど、やっぱりエッチなことはダメだぞ。私は女以外は相手にしないって決めてるんだ」


彼女の意思は固いようだ。やっぱりストレートに言って、手でお願いするしかないかな・・そう考え始めると、隣のユキが寝返りを打つ。心臓が止まりそうになる・・どうやらまだ起きてはいないようだけど、危険な感じになってきた。ここは一度引くかと戻ることにした。また絶妙なバランス移動でユキをまたいでベッドを下りる。


さすがにレズビアンの彼女の体を狙うのは無理があるかと考え始める。せめてバイセクシャルに教育するとしてもやはり時間が必要であろう。それまで俺の性欲をどうするか・・そう考えたらやはり、ランダム召喚で呼び出したモンスターに命令して、強制的にエッチをするしかないと結論を出した。


・・・何か大事なことを忘れているような気がする・・・ランダム召喚で、大事な見落としをしてると思うんだけど・・・何だ・・思い出せ。


・・・・・あ! 召喚数制限だ・・・やばい。俺が召喚できる召喚数は今二体までだ。ユキとシュラでそれを使っちゃってるから、今、ランダム召喚ができなくなってるぞ・・くそ・・これじゃ俺の溢れる性欲を発散できないじゃないか・・


待てよ・・そういえばジョブクエストは三次まであるって言ってたな・・それをクリアしてジョブポイントを稼げばいいじゃないか。何だ簡単な問題だった、明日早速、女神のとこに行ってみよう。そうと決まれば寝なければ、女神の相手をするのは疲れるので、体力を回復する必要があるからな。女神が聞いたら逆、逆、疲れるのこっち、と突っ込まれそうな考えでジンタは早々に眠りについた。


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