第3話 初めての召喚

俺の部屋は、所属している冒険者ギルドの寮にあった。その場所は、冒険者の街ルーディアの東部にあり、閑静な住宅街の一角にあった。


寮に戻ると、大勢の仲間を俺を迎える。

「ジンタ! どうだった、転職の儀式は終わったのか」

「召喚士になったんだって、ちょっと召喚してみてくれよ」

「系統は何に振ったんだ。ドラゴン系が強くて良いって聞くけどどうなんだ」


みんな思い思いに話しかけてくるけど、俺の頭にはエロいことしか浮かんでない。早く部屋に戻って召喚して、この有り余る性欲を爆発させたいのに、なかなか部屋に行かせてくれなかった。そんな時、ギルドのサブマスの一人である、ディレイと言う名の魔法剣士がとんでもないことを言い出した。


「よし、これからジンタのお祝いに行かねえか!」

「良いねそれ、場所はいつもの勇者酒場で行こう」

「うぉーー! もちろんギルド持ちですよね」

「おうよ。ギルマスには俺から話しておくぜ」


本人の意思を無視して、話はどんどん進んで行く。俺は部屋に戻って一人になりたいのに・・


結局、俺はギルドの寮から歩いて5分ほどの場所にある、ギルドのメンバーの行きつけの、勇者酒場と呼ばれる酒場へと連れてこられていた。

「よし。みんな酒を持ったか」

「早く飲もうぜ!」

「持った持った!」


そして盛大に乾杯の声が響く。それからは何の祝いかわからないほどの騒ぎようで、完全にただの宴会へと変貌していた。

「よし、ジンタ、飲んでるか!」

「そろそろ帰りたいんだが・・」

「何言ってんだ! 宴会はこれからだろうが! 主役が帰ってどうすんだよ」

うむ・・すでに俺がいる意味など無くなってるように見えるのだが・・


「ジンタ、今度、ブルムダンジョンの最下層に一緒に行こうよ」

そう声をかけてきたのは、ハイプリーストのニジナであった。どうも前から俺のことが少し気になるようで、何かと声をかけてくる。しかし、貧乳で露出度の低い衣装では、俺の気を引くことなどできるはずもない。

「そうだな、考えておく」

無難な返事をする。少しそっけないように聞こえたかもしれないが、彼女も只者ではなかった。

「よし! 考える時間は10秒ね、一、二、三、四・・・・」

「待て待て・・」

「十! はい! 十秒経ったわよ、行くのに決まった?」

「・・・わかった。行けばいいんだろう」

うむ・・せめて相手が巨乳で、お尻がでかくて、モンスターだったら嬉しいのだが・・

「よし、じゃあ、クエストとか用意しとくね」

まあ、今はそんなことどうでもいい。早く帰って、召喚がしたいんだ。もう、ビンビンでやばいことになってるんだ。精霊の女に、あんなことやこんなことをしまくりたいんだ。早く帰してくれ・・・


だが、そんな願いなど叶うわけもなく、宴会は深夜まで続いた。そして寮に戻ったのはかなり遅い時間になってしまった。


だが・・やっとみんなから解放された。俺は自室で一人になることに成功したのだ。これからとんでもないことが始まる。そう、今から俺は、あらゆる性欲を爆発させるつもりだ。


部屋の真ん中で、俺は手をかざして、スキルパネルを開く。そこから、ジョブ固有スキルである、ランダム召喚のスキルを発動させた。俺の前には魔法陣が現れて、それが激しく発光する。そして俺の今日のプレイの相手が、魔法陣からせり上がるように現れた。


「よし! 完璧な性的対象だ。今日は寝れないかもしれないぞ!」

現れたのはドリアードと呼ばれる木の精霊であった。全体的には樹木の体だけど、所々が裸体になっている、しかもちゃんと大きな胸もあり、局部もちゃんと使用できそうであった。完璧だ・・俺は今日、男になる。


いろんな角度からドリアード見て、楽しむと、いよいよ胸へと手を伸ばす。そして手が胸に触れそうになったその時、彼女が信じられないことを言ってきた。

「マスター。時間です。またのご利用お待ちしてます」

そう言って、ドリアードは消えていった。


「・・・・・・なんだと!!」

やばい・・召喚時間をゼロ振りにしたのは失敗だったか、こんなにも時間が短いとは・・これでは何もできないではないか。


どうする、ジョブポイントはもう無いぞ・・くそっ! どうすることもできないじゃないか、レベルを上げてジョブポイントを貯めるしかない・・


その日は、あまりのショックでふて寝する。明日から急いでレベルを上げなければ俺の頭は狂ってしまう。すでに俺の頭の中には、いかに効率良くレベルを上げるかしか考えていなかった。



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