第2話 エロ召喚士誕生
女神ラミュシャの祭壇で、俺は転職の儀式を受けた。それは女神ラミュシャと直接干渉して、冒険者の加護のアップグレードを行うものであった。ジョブが変わると、ステータスのボーナスポイントが変わり、スキルや特技が追加される。
心の奥に、澄んだ美しい女の声が聞こえて来る。人ではないその存在に、俺はいろんなエロい想像をして、女神に怒られた。
「・・・・女神の神聖な儀式中に、何考えてるのあなた・・今度変な想像したら殺しますよ・・」
心の声がそう言ってくる。殺されては困るので、真面目に儀式を受けることにした。長い転職の儀式の歴史の中でも、女神に殺人予告されたのは俺くらいじゃないだろうか。今度誰かに自慢しよう。
女神はまず、ジョブの選択を聞いてきた。目の前には、幾つかの選択肢が、電子パネルのように表示されている。12種ほど表示されているが、俺は目指す目標以外は見向きもしない。
「召喚士だ」
そう女神に告げる。
「汝の選択、聞き受けた。あなたは今日から召喚士として生きよ」
女神の声が響く。そして続けてこう聞いてきた。
「召喚士には六つの系統があります。その系統に、ジョブポイントを振り分けなさい」
「うむ。ジョブポイントとはなんだ」
知らない単語が出てきたので、女神に聞いてみた。
「・・・そんなものは事前に調べておくものですよ・・仕方ないですね、説明するからちゃんと聞きなさい」
女神はすごく嫌そうな声で説明してくれる。
「召喚には六つの系統があります。悪魔、獣魔、ドラゴン、アストラル、精霊、妖精の六つがそうです。この系統に、持っているジョブポイントを振り分けて、召喚できる魔物を増やしていくのです。ジョブポイントはレベルアップなどで蓄積されていきます」
「俺の今のジョブポイントはいくつだ」
「目の前にJPと表示されている数値がそうです」
実際は目を閉じているので、頭に浮かんでいる表示なのだが、確かに目の前にJPなる数値が存在する。そこにはJP25と表示されていた。
「女神よ、もう一つ聞いていいか」
「なんですか、申してみなさい」
「女型モンスターの多い属性はどれだ」
「・・・・どうしてそんなことを聞くのですか?」
「そこにジョブポイントを全振りするからだ!」
「・・・あなたはアホなのですか? 普通は強いモンスターとか聞いてきますよ」
「強いモンスターなどいらぬ! 女がいいのだ」
「・・・精霊とかには女性の姿の者が多くいますね・・」
ジンタの勢いに負けて、女神がそうおすすめする。
「よし、では精霊に全振りだ!」
「待ちなさい・・ジョブポイントは系統への割り振り以外にも、ジョブステータスのポイントとしても使います。系統だけに割り振っては、良い召喚士にはなれませんよ」
「なんだよジョブステータスって、手短に説明しろ」
「・・・・もしかしてだけど、あなた、私を崇拝してませんね」
「すごく崇拝しているとも。なので説明お願いします」
「・・・まあ、いいでしょう。ジョブステータスは、ジョブの特性を決める要素です。召喚士には五つのジョブステータスがあります。召喚精度、戦闘補正、従属補正、召喚数、召喚時間の五つです」
「なるほど、なんとなく意味がわかるけど、召喚精度とはなんだ」
「思い通りにモンスターを召喚できるかの値です。これが低いと、運での召喚になってしまい、失敗することも多くなります」
「戦闘補正とあるが、どの辺の戦闘のことを言っている」
「その名の通り、召喚したモンスターの戦闘力がアップするものです、これが高いと、弱いモンスターも強くなります」
「ふむふむ。では従属補正も聞いておこうか」
「・・・・全部説明させる気ですね・・・まあ、いいでしょう。従属補正は、召喚したモンスターの、召喚士に対する忠誠度に影響します。これが高いと、より、難題な命令をも受け入れます。わかりやすく言うと、死ねと言えば死ぬほどの命令も聞くようになります」
「ほほう・・どんなプレイにも対応できるということか・・・あっ、いや、では召喚数も聞いておこうかな」
「それくらい想像できるでしょう・・一度に召喚できる数です。これが高ければ、一度に多くのモンスターを召喚できるのでようになり、戦闘に大変有利になります」
「なんと・・複数プレイができるのか、必須項目だな。まあ、ついでに召喚時間も聞いちゃうぞ」
「・・・召喚してから、この世界に留まることができる時間が長くなります。この値が高いと、召喚したモンスターが一生こちらの世界にいることも可能です」
「うむ。なるほどなるほど。それで全部聞いたかな、ご苦労さん」
「・・・やばい・・キレそうです。女神なのに・・冒険者を見守る女神なのに・・この冒険者をしばきたい・・」
さて、JPは25だから、どう割り振るか・・まずは半分は系統に振るとして、残りをどうするか・・まずいらないのが戦闘補正だな、これは0でいい。召喚時間も、どんどん別の女を召喚すればいいからいらないかな。召喚精度は少しだけ振るとして、やはり従属補正をメインに振ろう。残りを数と精度って感じだな。
「よし、決まったぞ。精霊系統に12、召喚精度に3、従属補正に8、召喚数に2、これで決まりだ」
「・・・偏った振り方ですね・・まあ、いいですけど、それで処理しておきます」
「うむ。頼んだぞ」
そう言うと、ブチっと何か急な感じで女神との干渉が切れる。もう少し余韻を残して切れよな・・まあ、いい。早く自室に戻って召喚を試したい・・そしてムフフなことをするんだ。俺はすごく急ぎ足で、自分の部屋に向かった。
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