3
葵は引き出しから耳かき棒を取り出して、桃色で花柄の座布団に正座した。耳かき棒には花柄の可愛らしい装飾が施されている。
「じゃあ膝枕してあげるから、横になって」
葵が何気なく言ったその言葉に、幹はドキドキした。何せ幹にとって初めての女性の太腿に、触るどころか顔を乗せるのだ。
「良いの?」
「うん、早く」
葵は特に気にしていない。幹はそっと近寄って、そっと膝を下ろして、そおっと頭を膝に乗せた。
「きゃっ!?」
葵にとっても膝枕は初めてだった。内腿が重い頭で刺激され、何とも言えない感覚が全身を駆け抜けた。予想外の感覚に驚いた葵は思わず声を上げてしまったのだった。
「だ、大丈夫?」
「う、うん。大丈夫だから」
太腿から伝わる感覚に耐えながら、葵は耳かき棒を構え、ゆっくりと幹の耳を触る。
「ひぃ!?」
「ご、ごめん!何か違う?」
「う、ううん。大丈夫。続けて」
異性に耳を触られて、今まで感じたこともない様な感覚が走り抜けて、幹は悶える。
(ひぃいい!やばい、ぞわぞわする!)
そして葵が耳かきを始めた。身体の内側に異物が入っていく感覚。耐えきれずに身体がもぞもぞと動いてしまう。
「ちょ、ちょっと!あまり動かないで」
すると葵の内腿が刺激されて、その刺激に葵が悶える。
耳かきが続いて10分くらい経った。片方の耳掃除が大方終わって、仕上げに移る。
「じゃあ息吹き掛けるよ」
「え?」
「ふぅー」
すると幹の耳から葵の息が入り込む。強烈な刺激が全身を駆け抜け、身体が否応なしに跳ねた。
「じゃあ次反対側ね」
「も、もう勘弁してよ」
幹の反応が楽しくて仕方がなかった葵が聞く筈もなく、その後も耳かきは続いた。
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