パーティを追い出されたので自爆してみた

あかさや

第1話

 俺はあらゆるものを越えた最強の存在。地上最強の男――俺のことを唯一神などと呼んでいる者もいる。実に最強の俺に似合う称号だ。実に素晴らしい。


 だが――


 俺はある日、パーティを組んでいたゴミどもに追い出された。理由はわからない。きっと、俺が最強すぎるから、それを妬んで追い出したくなったのだろう。無能のクズにはよく見られる行動だ。最強すぎる俺はいままで何度かそういうことに遭遇している。こんなゴミみたいなことを気にしていたら、最強の存在などやっていられない。


 しかし――


 追い出されたからといって、大人しくされるがままになっているのは癪に障る。今回もいつも通り復讐してやることにしよう。


 俺は、最強の存在だけが持てるネットワークを駆使し、俺を妬んで追い出したゴミどもを呼び出した。


「お前……」


 俺に呼び出されたパーティの諸君は、俺のことを見る誰から見てもアホとわかる顔をしていた。実にクズらしい反応である。



「どうした? 俺がお前らを呼んだのがそんなに不思議か? 相変わらず馬鹿みたいだな。超笑えるんですけど」


 俺は最強の存在らしく笑い声をあげた。パーティのアホどもはそんな俺のことを理解できない存在のように見つめている。何度も見てきた顔だ。クズらしく反応もありきたりだ。少しくらい面白い反応を見せたらどうなんだ?


「俺は最強だから、追い出されたことなんてぶっちゃけどうでもいいんだけど、お前らみたいな低脳が調子乗ってるのは我慢ならないんだよね。だからさ――」

「なんだと? 俺たちに復讐するつもりか? ふん。なにもできないのはお前のほうじゃないか」


 アホがアホなことを言っている。まだ俺を足手まといだと思っているようだ。なんて間が抜けているのだろう。アホの言うことなど聞くだけ時間の無駄だ。さっさと終わらせるか。


「復讐……違うな。別にお前らのことを、パーティを追い出されたこともどうでもいいんだ。

 まあけど、お前らみたいなのを調子に乗らせたままなのは気に入らなくてさ。わざわざ時間作ってやってきたんだ。感謝しろよ」

「なに? なに言ってるこの無能が!」


 アホどもは武器を構えた。そんなもので俺をなんとかできると思っているのか?本当に頭が悪いようだ。

 俺の名前を言ってみろ。


「本当に馬鹿みたいだな。俺に対して不敬を働いたことを泣いて謝れば許してやったのに」

「なに?」


 アホが怒りに任せて俺に向かって踏み込んで剣を振り下ろしてくる。馬鹿にしてはなかなかいいスピードだ。


 だが――

 最強の存在である俺にとっては、そんなもの遅すぎる。


「へ?」


 最後に見えたのは剣を俺に振り下ろしてきた馬鹿の馬鹿みたいな顔。きっと、なにが起こったのかなにも理解できないまま死んだのだろう。



 俺が目を覚ますと。先ほどまで俺とアホどもがいた場所はなに一つものがない荒れ果てた地と化していた。見渡す限り、なにもない空間が広がっている。


「また俺が最強であることを証明してしまった……」


 俺が最強である理由。

 それは――


 死なないこと。

 そして、自爆できることだ。


 この自爆の力はとてつもなく強い。見渡す限りを破壊し尽くすことができる。

 そして――死なないから俺はこの自爆を何度でも行えるのだ。


 これが――俺が最強である所以だ。

 どうだ。俺が最強である理由、わかってくれただろうか?

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パーティを追い出されたので自爆してみた あかさや @aksyaksy8870

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