第24愛 孔明の罠
「なぁ、俺……この仕事が終わったら、
サングラスをかけた貴族のような格好をした男が
「ねぇ、ロースト? そういうの人間界の言葉で、
「なんだそれ? 旨いのか?」
(格好いいのにたまにこいつ抜けてるのよねぇ)
「もういいわ。でもここの宝飾店や洋品店は魅力的ね。こんな綺麗な衣装がたくさん並んでる街初めてみたわ」
「いやいやシェイク……お前格好ビキニアーマーじゃねーか! 宝飾いらねーだろ……っておいそれ!」
赤い髪を靡かせ女性が頬を膨らませ、男の持つキメイラの鳥皮串を奪い、残りを食べてしまう。
「失礼しちゃうわね! この格好は
「おいおい、任務って声デカイから!」
ビキニアーマーの女性――シェイクの口を塞ぎ小声になる男――ロースト。気づくと警備のために街を歩く妖狐が彼等の横をぴょんこぴょんこ通過していた。
「もう……ローストが変な事言うからでしょ」
「おいおい俺のせいかよ。まぁいいや。時間までこの街を堪能しておこうぜ。街がなくなっちまったらそこの肉も食べられなくなるからな」
「まぁ、それは賛成ね。私は時間まで若い男と綺麗な衣装でも堪能しておくわ」
軽くハイタッチを交わし、
★★★
「うむ。今のところ異常はないようである。」
「はぁ……これ一日続くと思うと僕……先が思いやられるよ……」
「
「ユリアは誰が見ても美しいお姫様である。兄としてこれほど嬉しい事はないのである」
「レミリア……じゃなくてレミリオ……よくその口調続けられるね」
「レミリオ
ショコラがレミリア扮する騎士レミリオの姿にうっとりしている。会食会場ではユリア姫とレミリオは貴族達から注目の的だった。グランデ家のブラストとフランツ家のクロースを始めとする大貴族のエルフ達が入れ替わり立ち替わり声をかける始末。尚、美しい顔立ちのレミリオも一部の男性エルフに人気だったようだ。
「でも、これで分かったわね。グランド家とフランツ家は昔から争っている。ブライティ王暗殺にどちらかの貴族が絡んでいるのは間違いないわね」
「あ、レミリアさすがに元の口調に戻ったね。だよね、でも尻尾を掴むのは大変そうだよ」
「ユズキさんが貴族の方と
(さらっととんでもない発言をしないで下さいショコラさん)
ショコラの発言を黙ったまま否定するユズキ。アイコンタクトで頷き合う
「この後の観光はマリンさん達も監視しているし、TV中継も入るから実行は夜宿泊のタイミングかしらね?」
「いずれにせよ監視を続けるしかないね」
「私はユリア姫のお傍に仕えておきますね」
そうこうしている内に夢×光TOP会談は終わり、一行は夢都浮遊庭園という観光名所へと移動を開始する。黄金色の絢爛豪華な橋梁を渡ると、その庭園はどうゆう原理か地面より浮遊している陸地に存在していた。美しく整った植物に池、存在感を示す不思議な淡い光を放つ石。
「
「ほほぅ、これはこれは美しい光景ですな」
弥生がブライティ王を案内し、貴族や
庭園の真ん中へ来ると記念撮影が出来る場所へ到着する。
「はいー。じゃあ皆さん、行きますよー?」
ショコラが合図をし、皆が注目する。
「ユリア姫、先ほどの事は考えてくれたかい?」
「あ、ブラストさん……いえ、私は……」
ユズキの背後には金髪のエルフ、ブラストがしっかりとついていた。苦笑いで返すユズキ。
(ショコラさん、早く終わらせて……あれ?)
この時、この場には
彼女の瞳は尻尾と同じ狐色をしている。しかし、この時の彼女は瞳の色を
「はーい、行きまーす、3、2、1」
「ショコラ待って!」
その場から飛び出したユズキ。だが、投影鏡からフラッシュが焚かれてしまう。まさに一瞬の出来事。
「え?」
「ブライティ王!?」
「まさか……!?」
「ちょっとユズ君!?」
夢見の巫女や幹部達が居る目の前で、ブライティ王とショコラ、そして異変に気づいたユズキの姿のみが、その場から
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます