第12愛 モフモフと巫女と夜の妖精
「弥生様ーー、弥生様ーー!」
艶やかな朱色の柱と板張りの廊下。広く整った庭の池には金色の
巨大な白蛇が
「弥生しゃーーん、遊ぼー遊ぼー」
「お姉しゃん一緒に遊ぶコーーン!」
「あそぶあそぶーー」
「ぼくもぼくもーー」
「なっ!? 大変!? や、弥生様ーー!」
部屋の中を覗くと驚いて声がした方へ駆け寄る女妖精。部屋の奥にはモフモフした尻尾をフリフリさせ、大小数十匹の妖狐の子供達がモフモフの山となってじゃれて居るではないか!?
「コンコンモフモフ♪ コンコンコン♪ 襖を開けたらさぁ大変♪」
弥生様と言われた妖精は、モフモフの山に埋もれた状態で、顔だけを出した状態で笑顔で歌を歌っていたのだ。
「いやいや弥生様、歌っている場合ではないですから! こらーー、お前達ーー弥生様から離れんかーー!」
女妖精がモフモフの山から救出しようと試みるが……。
「やだーー!
「弥生お姉しゃんがいいコンーー」
「あそぼあそぼーー」
「ぼくもぼくもーー」
弥生の上でモフモフしながら抵抗する妖狐の子供達。
「チョコ、モコリン、マーブル、ココア、みんなも。続きはまた明日にしましょう。お昼寝の時間がなくなっちゃいますよ?」
「やだーー。お昼寝したーい」
「わかったコンーー」
「おひるねしゅるーー」
「ぼくもぼくもーー」
モフモフの妖狐達がぴょんぴょん飛び降り、モフモフの山から解放される弥生と呼ばれた妖精。
「もうー、弥生様。夢見の巫女なんですから、こんなところで遊んでないで仕事してくださいーー」
「卯月、この子達と遊ぶのも立派なお仕事ですよ。
水色の絢爛豪華な着物を整え、笑顔で答える妖精。そう、この妖精こそ、夢見御殿の
「もう、巫女になる前から弥生様はそうでしたものね。それより、例の
「あら? そうなのですか?」
そう言うと、卯月から掌サイズの端末を受け取る弥生。そこには冒険者協会が公開しているプロフィールらしき、何名かの妖精の情報が載っていた。
「ゴルゴン様も問題ないとおっしゃっていたので、この者達に任せて大丈夫でしょう」
「なるほど、Aランクパーティに……おや? この子……ふふ、そうですね。この子なら大丈夫でしょう」
美しく蒼い髪の優しい顔立ちの冒険者――ユズキの画像を見つめ、弥生は笑みを浮かべるのだった。
★メ★★ロ★★ン★
「あれ? おかしいな……頭がくるくる回る……」
「ユーズくーーん。もうーー、飲み過ぎちゃったの? 部屋に連れてってあげるわね」
ところ変わってこちらはユズキ達。皇帝牛馬の高級肉を堪能した後、VIP客だけが行き来出来るというお酒が飲めるバーにてお酒を嗜んだ一同。この時、『お薦めのお酒があるのよー』とマリンがユズキへ仕切りにお酒を薦めていたのだ。
最初は遠慮してセーブしていたユズキだったのだが、無事に皇帝牛馬を入手し、新たな特別依頼も受けたという事で、決起も兼ねて飲む事にしたのである。その結果……。
「レミリアぁああーーレミリアぁああーー」
「はいはい、ユズくーーん、私は此処に居るわよーー?」
ユズキを肩に担いだ状態で、レミリアはVIP客が入れるという部屋に入る。すると……。
「す、すごい」
いつも泊まる小さな部屋と比べ物にならない広く豪華な部屋は、まるで、貴族が暮らすような屋敷の部屋だった。部屋の真ん中には金色に縁取られた天蓋付のベットがひとつ、赤くふかふかした布団が敷かれた状態で配置してあった。
(やっぱりですかマリンさん。ユズ君にお酒を薦めていた時点で何かあると思い警戒していましたが……例の
そうレミリアが考えていると……。
「レミリアぁああーーいい香りーー」
「ひゃん! もう、ユズ君ーー酔いすぎよーー」
恐らくマリン達はVIP部屋に泊まった事があったのであろう。このダブルベットを前にして……酔った状態のご
「ユズ君! さぁ……このまま
そのままベットへユズ君を寝かせ、そのまま四つん這いでユズキの上になるレミリア。ゆっくりと魔導士風の服を脱ぎ、赤いレースの入った下着姿となるレミリア。ユズキの顔へ自身のメロンをそっと
「んんんーーいい香りがすりゅぅううーー」
「ぁあん……ユズ君の吐息が胸に……」
ユズキは寵愛スキルを全く使っていない状態だったが、あまりの愛しさに瞳がハートになってしまうレミリア。
「嗚呼! ユズ君! 私……もう……!」
二つの果実からユズキの顔を解放し、レミリアは自身の顔をユズキの可愛らしく愛おしい顔へと近づけるのであった――――
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