第5話 アースブレイク


----2100年---


「皆の者、貴様らは武器を使いこなし、10年もの修行を終え立派な兵士へとなった。もうあれ以来50年は経った、我々の言うとおりに動きその訓練の成果を地球で存分にふるってくれたまえ。」




シャルリック博士の演説が終わり、戦争は始まった。




「貴方が隊長の01(ゼロワン)か、僕は02(ゼロツー)、番号が近い同士仲良くしましょうや。」




「よろしく、02(ゼロツー)だと? まさかこいつシャルリック博士の遺伝が入ったモンスターじゃ? だったら殺させる訳にはいかないな。」


「よろしくお願いします、01(ゼロワン)隊長、あなたは絶対に殺させはしない」「あ……ああよろしくな」




次々と自己紹介をしてくる奴が集まってくる、何せ俺は第一番隊を率いる隊長なのだから。




「俺は42(フォーツー)だよろしく。」「俺は31(スリーワン)だ、よろしく」




 いくら挨拶されたところでこいつらを守ってやれるほど俺は善良で強いモンスターなんかじゃないんだ、お前達は勝手に動いてできるだけ貢献して死んでくれ、俺もそうするからよ。




「では!全員で地球に向かおうと思う、今回の目的は、奴らの情報をつかむことだ。できるだけ多くの情報を集めたら本部に知らせて全員で地球に帰ろうと思う、以上だ」




俺率いる一番隊は他の隊よりも先に地球へと向かったのであった。


時間が経ち何事もないように地球へと着いた。




「ここが、地球か……奴らがいる地球……」


「気をつけろよ、あいつらはどこにいるか分からへんぞ、あいつらの情報を頂いてさっさと帰ろうや」




全員が不安に包まれる中、01(ゼロワン)は構わず指令を出す。




「この宇宙船から離れる全速力でだ、早く出ろ」




足に自信があるモンスター達は次々と船から飛び出す。




「01(ゼロワン)隊長、どうして船を置いていったりなんか。」


「馬鹿が、この宇宙船が人間共の視界に入ったら騒ぎで集まるにきまってるだろ。」


01(ゼロワン)が説教してる際に2人のモンスターが消えていた。




「よし!皆、くっつけ、くっついた後にお互いを蹴って散るんだ! 急げ、もうすぐ人間共が視界でも捉えられる位置に落ちていくぞ」






「きゃああ、助けてえ」


「地球人の子供か。」


「まあたかが子供だ、逃してやるか」


「ありがとう、糞ゴミども!」




ザサッ・・・2体は、子供と油断したせいで殺されたのであった。




「ははは、何こいつら! 面白―い! きゃはっきゃははは!」




「おい! 01(ゼロワン)あっちで、モンスターが2体地球人に……」


「02(ゼロツー)さん、少し危ないのでこっちに。」




ゴゴゴ……地球人が殺されたモンスターの場所には何か大きい音が聞こえた……。




「01(ゼロワン)……今のは一体……?」


「爆弾ですよ、私達が体を研究されてる時に入れられたんですよ爆弾が、無駄死にするくらいなら地球人を道連れにした方がましだって、隊長だけがこれを持てるんです。」




01は地球人に殺されたモンスター二体をリモコンを起動させて爆発した後、自慢気で02にそれを伝える。




「それにしても酷過ぎる・・・見損なったぞ、俺より知能が優れていると聞いていたが、お前がこんな奴だったなんて……」




怒っている02(ゼロツー)に対して01(ゼロワン)は呟く。




「仕方がないんですよ、シャルリック博士に忠誠を誓った今、仲間を守るやらなんやら言ってられないんですよ、博士のためにも憎っくき人間共を一人でも消し去ってしまう事が大事なんです」


「そうかよ、っふん、俺はそんな奴と共に行動はしたくないね。」




共に行動していた02(ゼロツー)が別行動を取り俺達は構わず人間の情報集めに入った。




「01(ゼロワン)隊長、1km先に敵発見、どうやら武器を持った人間が50人待ち伏せしてます。」


「了解、敵は我々が向かう事を知っていて待ち伏せしているはずだ、もし作戦が終われば耳につけてるイヤホンから撤退命令が送られるであろう、ここからは別行動を取る全員散れ! 散って兵隊に気付かれないように情報をできるだけ集めるんだ!」




全員が散った後、01(ゼロワン)の歩いてる周りにはモンスターの死体が散らばっていた。




「あまりよくない光景だな・・・」




死体が散らばってる先には廃墟のような建物があった。




「明らかに怪しい建物だ、とりあえず入るとするか。」




隠密に入った01(ゼロワン)は人気ひとけが少ないのを感じ、人がいないか次々と扉を開けた。


ガシャッ




「ここで最後か、ん?人がいるじゃねえか!」




最後の扉を安心して開けた01(ゼロワン)だったが、その部屋には一人の人間が立っていた。




「待ちかねたぞ、さあ話はたくさんあるそこに座れ。」


60代くらいの顔の左頬に傷がついた男性がそういったのだ、01(ゼロワン)は平然とした顔で答えた。




「話?命乞いにしてはうまいな、覚悟しろ!」




ドンッ!01(ゼロワン)は地面を蹴り上げ飛びかかった瞬間、人間は01(ゼロワン)の頭を壁に向かってぶん投げ拘束する。




「まあ確かにお前と話合う必要は無さそうだ、俺はムカトロン星人と話したかったのだが、お前クルーザーって知ってるよな?」


「お前、まさか。」


「知っていたか、俺がクルーザーだ」




クルーザーと名乗った人間は01(ゼロワン)を壁から床にへと叩きつける。




「ゲホゲホ、そうか、今の言葉でお前の寿命は早まった。」




正体をしった01(ゼロワン)は冷静な判断を無くし真っすぐクルーザーに向かっていった。




「言ったはずだ、お前がここに来るのは知っていたと。」




ザサッ!突然床から槍が発射され、それが01(ゼロワン)の右腕を貫いた。




「クルーザー、俺はあんたを舐めてたわけじゃないし、訳なく攻撃したわけでもねえ。」




グシャ!!!その言葉と共にクルーザーの背中から剣が飛びかかってきた。




「血だと、ば、ばかな」


「お前の後ろにあるナイフの先端に紐を通して引っ張り飛ばしたのさ」


「あの時むやみに攻撃したのではなく、はなから狙いはナイフだったという訳か……」




クルーザーは目を閉じながら答えた。




「一つお前の方が上手だったな。上に宇宙船がある、それに乗れ。」


「仲間を置いてはいけない、じゃあな。」




外に出たと同時にイヤホンから指令が聞こえる。




「情報は集まった、皆宇宙船に乗り帰ってくれ」




ビルを出た先には02(ゼロツー)と皆が待っていた。




「01(ゼロワン)さっさと来い乗り遅れるぞ。」


「02(ゼロツー)さん、皆」




急いで01(ゼロワン)は船に向かった。




「あそこに乗ってるのは、5679(ファイブシックスセブンナイン)じゃないか、俺達を乗せてくれ。」




01(ゼロワン)はそういうが、それを無視するかのように船は発射した。




「あばよ01(ゼロワン)、お前も03(ゼロスリー)も言いように使われ死ぬみたいだな」




そう言った途端宇宙船が発射した。




「嘘だろ、あいつは確かあいつは全てを知ってて03(ゼロスリー)を試験に……くそっ! 皆俺についてこい、船はまだある筈だ!」




01(ゼロワン)が向かった先にはクルーザーが教えた宇宙船があった。




「嘘だろ、一人乗りなのか、50人はいるんだぞ!」




01(ゼロワン)が落胆に暮れる中、全員は決心していた。




「01(ゼロワン)お前が乗るんだ、俺達はここに残る。」


「02(ゼロツー)さん、ふざけないで下さい。」


「俺達がこの惑星に残っている事を全員に知らせてくれ。」




01(ゼロワン)は納得した。




「分かりました、できるだけ早く戻ります。」




01(ゼロワン)は急いで惑星に向かった。




「頼んだ、01(ゼロワン)信じている。」




地球に帰った01は急いでシャルリック博士の元に向かった。




ムカトロン惑星に着いた後01(ゼロワン)はシャルリック博士に全てを報告する。




「博士!急いで下さい、まだ地球に02(ゼロツー)が」


「地球人を抹殺する武器の情報はもう手に入れた、核兵器といったか? あまりにも強力なので驚いたわ、地球人と一緒にもう死んどるじゃろ」




怒りに狂った声で01(ゼロワン)は叫んだ。




「あんたは、あんたは何のために地球人を殺したんだ! ムカトロン星人が死んだから復讐したんじゃないのか! 俺らはムカトロン星人の復讐のために使われる道具としか思ってないのか!」


「お前の気持ちは分かっとる、だが他にどうすればいいのか分からんのじゃ!」


「そんな生半可な気持ちで俺らを殺すなら、復讐なんてやめちまえよ……このノート、クルーザーの宇宙船に落ちてましたよ、どう動くかはあなたにしか決めれないですよ。」




01(ゼロワン)が去った後、博士はその本を早速読んだ。




二千四十年、私はムカトロン星人という人工生物を作ったが、彼らは暴走し、製造中止のあげく、星人抹殺を任命される。発明は失敗に終わったが俺は殺せなかった、ばれてしまってはいけないと思い、星人の地球での記憶を消し、別の惑星へ移すことに。


二千四十年 星人が生きてる事を知られ、抹殺しなければならず国の命によって殺されることになった。


私は星人の事より自分の事を考えただちに抹殺の準備に入った、ああ……俺はなんて事を……。


二千五十年、まさかあんな事に、星人を一匹残らず殺してしまった。夢に何度も出てくる、悪夢だ。




それを見た博士は驚いた。




「嘘じゃろ、クルーザーがわしらムカトロン星人の生みの親……じゃと」




その時思い出したのは、地球破壊を失敗した時に使うつもりだった時間戻し装置だった。




「01(ゼロワン)知ってたのか、わしがこれを作ってる事も、お前の遺伝種の主がクルーザーと言う事も。全てをチャラに出来るかもしれない、時間さえ戻せば。すまんな、全てのモンスター、01(ゼロワン)、今までわしのわがままに付き合ってくれて。」




そう言い、装置によって全ての時間が戻るのだった。




「良いってことよ……しかし俺の遺伝がクルーザーとは、通りで俺だけ色が違うと思ったぜ。」






「―ザー・・・クルーザー!いつまで寝てるの!」


「マリアか、悪いな変な夢を見てたらしい。」


「作ったんでしょ!ムカトロン星人」


「ッフ!驚くなよ!じゃじゃーん!これがムカトロン星人だ!」


「ご主人様、これからもよろしくのう」


「成功だ!名前は今日からシャルリックだ、早速遺伝種を作る実験を手伝ってくれ。」


 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

アースブレイク 遺伝種によって生み出されるモンスター コルフーニャ @dorazombi1998

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る