第24話
女の子達が5分ほどで入浴を済ませ出て行ったあと、金魚達が続々とお湯をかぶり泡を洗い流す。いつにも増してつるつるぴかぴかの肌が露わになる。あぁ、幸せ。それと同時に、金魚達はこれまで奪われていた5感を取り戻す。俺は4回続けて同じことを聞かれた。
「マスター、どなたかいらしたのですか」
「えっと、美少女が4人、入浴して出て行ったよ」
答えにくい質問だが、俺は正直に女の子が4人入って来たことを伝えた。
「そうでしたか」
この反応も全員が同じだった。あおいちゃんやキャサリンは何も気付かなかったようだから、嗅覚の優れた金魚達に特有の感覚なのだろう。そう思い油断していた。
「景虎くん、さっきの美少女、近くにいるのかしら」
「さあ、それはどうかわからないけど、さっきまでは入浴してたよ」
「まっ、まさか、まだ全裸だったんじゃないでしょうね」
羽衣の感覚は実に鋭い。相手が美少女のとき限定ではあるが。俺は、金魚達に対するのと同じ調子であっさりと事実を伝えた。
「そうなんだ。お友達になりたかったな」
だが、彼女達とお友達になれる日は、遠いのかもしれない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます