第24話

 女の子達が5分ほどで入浴を済ませ出て行ったあと、金魚達が続々とお湯をかぶり泡を洗い流す。いつにも増してつるつるぴかぴかの肌が露わになる。あぁ、幸せ。それと同時に、金魚達はこれまで奪われていた5感を取り戻す。俺は4回続けて同じことを聞かれた。


「マスター、どなたかいらしたのですか」

「えっと、美少女が4人、入浴して出て行ったよ」


 答えにくい質問だが、俺は正直に女の子が4人入って来たことを伝えた。


「そうでしたか」


 この反応も全員が同じだった。あおいちゃんやキャサリンは何も気付かなかったようだから、嗅覚の優れた金魚達に特有の感覚なのだろう。そう思い油断していた。


「景虎くん、さっきの美少女、近くにいるのかしら」

「さあ、それはどうかわからないけど、さっきまでは入浴してたよ」

「まっ、まさか、まだ全裸だったんじゃないでしょうね」


 羽衣の感覚は実に鋭い。相手が美少女のとき限定ではあるが。俺は、金魚達に対するのと同じ調子であっさりと事実を伝えた。


「そうなんだ。お友達になりたかったな」


 だが、彼女達とお友達になれる日は、遠いのかもしれない。

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