第2話
「おじいちゃん!おじいちゃん!お母さん来て!おじいちゃんの目が覚めた!」
孫娘の渚が泣きそうな顔で母親を…俺の娘の奈美子を呼んだ。
俺の身体にはあちこちチューブやら機械やらが繋がっていて、身動きもとれず、息が苦しくて、声も真面に出せない。
奈美子も心配そうに傍に寄ってきたが、俺は渚の姿に釘付けになっていた。
さっきの女性とあまりにそっくりだったからだ。
だが、さっきの女性は渚じゃない。
「おじいちゃん、頑張って!お願いだから、頑張って!」
渚が泣きじゃくりながら、俺の手を握る。
俺は最期の気力を振り絞って、必死に声を出した。
「すまんな、渚。おじいちゃんにはもうお迎えが来たようだ。だが、こんなに爺になるまで生きて、可愛い娘や孫娘に看取られて逝くなら、悪かねえ。わかってくれよ、渚」
辛い息の中、何とかそこまで言葉を紡ぎ出したが、それが限界だった。
視界がまた暗転する。
最期に「おじいちゃん!」という声を聞き届けて、俺の意識は途絶えた。
それが渚とのこちらの世界での別れになった。
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