第12話 集落の者達!


佐吉に連れられて、拉致されていた集落の者達が、落とし穴まで

やって来たのである。此の後の事は、集落の者達に任せてある。


穴の近くには、掘った時に出てきた手ごろな、石を穴の周りに置いてある

それを、どう使うかは集落の者達しだいなのだ。もしも、あの者達が集落

の者達に酷い行いをしていないのであれば、あの者達は助かるであろうが

そんな事は、万に一つも無いであろうな!


案の定、集落の者達は穴に石を投げ込み始めていた。拙者は集落の長を探し

その者に松明を渡したのである!集落の長老が、松明を穴の中に投げ込むと

瞬く間に、穴は火の海に変わったのである!それでも集落の者は石を投げる

事を止めてはいなかったのである!どれだけの事をしたのかが解る!


最後の1人が、焼け死ぬまでに10分も掛かっていないであろうか?辺りには

肉が焦げる匂いが充満していたので、場所を集落に移してから、長老に話を

聞くことにした。




......................................................




{集落にて}


この集落の長老じゃな?


【はい!此処の集落の長老をしている、ヴィレームと申します】


ヴィレーム殿と申されるのか!好い名じゃな。


【此の度は助けて頂き、ありがとうございます。】


拙者は、この者達の頭目をしている武将で、吉弘統幸と申す!


【吉弘統幸様!変わった名前ですな?】


此の国の人間では無いからの!


【なるほど!此処には何をしに来たのですか?】


森の精霊・エリーカ・ペルヌに国を作って遣る為に旅をしておる!


【ペルヌと言いますと、森の精霊王の血族ですかな?】


良く知っておるの?その通りじゃ!


【我々は、土の精霊と森の精霊の加護を貰って、鍛冶の仕事をしている者です】


ほう!森の精霊の加護を貰っているのか?


【はい!此れは森の精霊王の加護で助かったと言っても過言ではないです】


そうじゃな!森の精霊王の娘に救われたのじゃからな!


【我等一同もエリーカ様の国造りに参加させて下され!】


そち達は、何人いるのじゃ?


【幸いに殆どの者は逃げおおせたので、此処で一週間も居たら、

                  集落の者も、みな戻って来るでしょう。】


そうなのじゃな?ならば此処で待つとしようか!


【はい!後は亡くなった者達を埋葬してやりたいので、

                   協力をして貰えませぬか?】


良かろう!拙者の手の物に手伝わせよう!


【何から何まで、ありがとうございます!】


ヴィレーム殿!気にするでないわ!


【わたしめの事は、呼び捨てでかまいませぬ!】


そうであるか?あいわかった!


【それと攫われた子供達の、行方を捜すのも手伝って貰えませんか?】


攫われた子供は何人なのだ?


【20人になります!】


それならば、ハンシュの町の近くで、山賊の塒を襲撃した時に捕えられた

         子供を救出して、ハッシュの町の衛兵に保護して貰ってるぞ!


【それでは、ハッシュの町に迎えの者を遣わします!】


護衛に忍軍の者を数名付けておこう!


【ありがとうございます!】


よいよい!気にするでないわ!




......................................................




五郎丸!


[此処に!]


長老のヴィレームの手の者と一緒に、ハッシュの町に子供を迎えに行ってくれ!


[心得ました!]


忍軍の者が10人とハイエルフの者を10人連れて行けば、問題ないだろう!


[その用に手配いたします!]


頼んだぞ!


[はっ!]


エリーカは何処に居るか知ってるか?


[集落の広場に先程お見かけたでござる!]


そうか!拙者は、エリーカと話があるので行ってくる!


[はっ!]




......................................................




{集落の広場にて}


エリーカ!此処に居たのか!


「あら~統幸じゃないの?」


少し話があるのじゃが、今話せるかの?


「良いわよ!何の話なの?」


此処の集落の長老達の事なのじゃ!


「長老達の事?」


うむ!此処の集落の者達は、土の精霊と森の精霊の加護を貰って、

鍛冶を営んでいると言っておったのじゃ!そこに森の精霊王の娘が

集落の危機に助けに来てくれた事に、感謝してだなエリーカの国造り

を一緒に手伝いたいと申しているのじゃ。


「良かったじゃない!鍛冶職人は必要って言ってたから、好都合よね!」


うむ!此処の鍛冶職人の事をエリーカは知っているのか?


「詳しくは知らないけども、噂話には聞いた事はあるわよ!」


その噂話とは、どんな物なのだ?


「此処の集落で作られた、武具は品質が良く長持ちする、って話よ!」


なるほど!ここの者達の種族名はなんっと言うのだ?


「此処の集落の人達は、キュクロープス族よ!」


キュクロープス族とは、どんな種族なのだ?


「キュクロープス族は、巨人族の中でも人間と一緒に生活出来るほど

      温厚で慎重も2m前後の人しか居ないわ!体格は見ての通りね!」


戦闘は得意なのか?


「鍛冶は得意だけど、キュクロープス族が戦闘をする何って聞いた事も無いわ!」


他に鍛冶が出来る種族はいるのか?


「ドワーフ族って種族と小人族って種族が、鍛冶が出来るけど、キュクロープス族の足元にも及ばないわよ?キュクロープス族の卓越した鍛冶技術は、真似しようとしても、無理よ!」


それ程の卓越した鍛冶技術が、キュクロープス族にあるのか?


「そうよ!何せ元は、下級神だったからね!」


何で神様が、精霊の加護を求めてるのじゃ?


「そんな大昔の事を私が知るわけないでしょう!」


そうなんじゃな?


「解ってるのは、鍛冶の神の眷属だったのが、

        キュクロープス族だったってだけよ!」


なるほど!鍛冶の神の家臣じゃったのか!それで、

        卓越した鍛冶技術を持っておるのじゃな?


「そう言うことね!」


これは、鉄砲の大量生産が出来るかも知れんぞ!


「あの音が煩い筒の事ね?」


そうじゃ!種子島銃は、数が多くないと威力が発揮できないのじゃ!


「そうなの?1本の筒でも威力は凄いけど?」


命中精度が問題なのじゃ!全員が鉄砲に精通している訳ではないからの!

         誰でも撃てるが、誰でも簡単に当てる事は難しいのじゃ!


「そうなのね?」


だから、数撃てば当たる!これを実戦するには数が入るのじゃ!


「数を揃えて、的から外れても誰かの撃ったのが、誰かに当たるって事かな?」


そう言うことじゃ!


「なるほどね!」


今の鉄砲の数では、狙撃や小競り合いでしか使えん!


「それを戦争規模でも、使える様にしたいって統幸は言ってるのね?」


うむ!数は正義じゃからの!


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