Hello,world!

 満を持して第二回目はBUMP OF CHICKENの「Hello,world!」です。

 何が満を持してなのだろう。

 さて、私がこの曲を取り扱おうと思ったのは、「アニソン好き!」「メロディがアップテンポでいい!」という人に、「歌詞も凄く良い!」と思って欲しいからです。

 下記から考察となります。お付き合いいただければ幸いです。



[歌詞]

扉開けば 捻れた昼の夜

昨日どうやって帰った 体だけが確か

おはよう これからまた迷子の続き

見慣れた知らない 景色の中で


[解釈]

 夜勤出勤。人にとっては夜かも知れないけれど、自分にとっては昼の今日が始まる。

 昨日は意識も朦朧とするくらい疲れて帰ったものだから、覚えていない。体だけが覚えているだろう。

 自分は迷子だ。これからどうしたらいいかわからない。このままの人生でいいのか、新しい道を歩むべきか。いつも通りの日常生活が、迷路の様である。

 いつも通りの景色だけれども、今日は初めて訪れるのだから、この景色だって知らない景色になるのだ。



[歌詞]

もう駄目って思ってから わりと何だかやれている

死にきらないくらいに丈夫 何かちょっと恥ずかしい

やるべきことは 忘れていても解る

そうしないと とても苦しいから


[解釈]

 もうこれ以上は無理だ死ぬと思った事もあった。でも自分が思っている程自分は簡単には死ななかった。あれはなんだったのだろう。あれほどきつかった仕事も板についてきて、それなりにこなせている。今思うと恥ずかしい嘆き方をしたな。

 でも本当にやりたいことは、これじゃないって解っている。

 それを遂げる為に頑張っていないと、自分が自分を責めてくるから。



[歌詞]

顔を上げて 黒い目の人

君が見たから 光は生まれた


[解釈]

 落ち込んでないで前を向いて。

 黒色というのは、白=純粋以外をすべて受け止めたら色。そんな色の瞳を持つ人だから、希望が生まれたんでしょう。



[歌詞]

選んだ色で塗った 世界に囲まれて

選べない傷の意味はどこだろう

ご自分だけがヒーロー 世界の真ん中で

終わるまで出突っ張り ステージの上

どうしよう 空っぽのふりも出来ない


ハロー どうも 僕はここ


[解釈]

 自分で選択して得た未来のはずなのに、その未来の中ですら自分は苦しみ傷付く。なぜだろう。

 自分の命が尽きるまでの間、自分は引っ込むことができないヒーローなのだ。自分を救うのもストーリーを進めるのも全部自分がやらなければいけない。


 ハロー。僕はここにいる。逃げないでここにいる。



[歌詞]

覚えてしまった感覚 思い出とは違う類

もっと涙の側にあって いつも心臓掴まれていて

充分理解出来ている ずっとそれと一緒

そうじゃないと 何も見えないから


[解釈]

 痛みや後悔、叶わなかった夢。それらは思い出ではなく感覚となって自分を追い詰めてくる。

 でもそんなものでも、無いと前を向けない。だからきっと一生忘れる事はないだろう。



[歌詞]

息を繋ぐ 生きる強い人

止まる心を 引き摺って連れてきた


[解釈]

 心が死んでしまっても、体は伴って死なない。しかし心が死んだとき、死にたいと思う人も居るだろう。それでも生きてきた。それだけでもう強い。

 一生懸命折れた心を支えてきたのだ。



[歌詞]

塞いだ耳で聴いた 虹の様なメロディー

砕けない思いが内側で歌う

隠れていたってヒーロー 守るものがある

恐いのは それほど気付いているから


[解釈]

 耳を塞いでも、自分の声がする。過去からの声。将来の夢を唄ったあの歌声。それはまるで虹のように美しい。(混ぜると黒になる。一番の歌詞とリンク)

 どれだけ逃げたって、夢を捨てる事は出来ない。

 叶えようとするのが怖いのは、叶えることがどれほど難しいかを知っているから。実際何度もくじけてしまったから。



[歌詞]

扉開けば 捻れた本当の嘘

空っぽのふりのふり 体だけが確か


[解釈]

 朝になれば、会社に行けば、家に帰れば、常に欺瞞が満ち溢れている。

 これ以上はもう無理ですって振りをしたって、自分自身の体は知っている。まだ動けるって。



[歌詞]

おはよう 今でもまだ最後の続き

叫ぼう そこから どうも 僕はここ


[解釈]

 まだ終わってない。自分が諦めた時が最後なのだ。ならばここから足掻くことは、まだ終わりからの始まりなんかじゃあない。今まで続けてきた夢への足取りの途中なのだ。

 自分はここにいるって、逃げも隠れもしないって叫んで。夢へと踏み出そう。



[歌詞]

さあ目を開けて 君は強い人

その目が見たから 全ては生まれた


[解釈]

 今まで心が死んでも歩き続けてきた。生きているってことは強さの証だ。夢を諦めていないって証だ。

 君の世界を作り上げてきたのは君自身だ。



[歌詞]

選んだ色で塗った 世界に囲まれて

選べない傷の意味はどこだろう

ご自分だけがヒーロー 守ったものがある

恐いのは その価値を知っているから


[解釈]

 自分で選択した未来なのに、その未来の中でさえ傷付いてしまうのはなぜだろう。

 自分がヒーローだ。自分の夢を守った。自分を守った。

 自分をすり減らしてでも夢を守ったのは、それを叶えようとすることの価値を知っているからだ。



[歌詞]

塞いだ耳で聴いた 虹の様なメロディー

砕けない思いが内側で歌う

悲鳴をあげたヒーロー 世界の真ん中で

終わるまで出突っ張り 自分が見ている

だからもう 死んだふりも意味ない


ハロー どうも 僕はここ

ハロー どうも 僕はここ


[解釈]

 塞いでも聞こえてくる夢を唄った自分の歌声。とても綺麗だ。

 決して砕けない思いが自分の中にはある。

 もう無理だって思った。自分の真ん中で。

 でも自分が主演のヒーローショーの監督も観客も全部自分だ。

 だからもう、無理だって言ったって意味が無い。


 ハロー。夢。わかっただろう。僕は逃げない。

 ハロー。自分。僕は僕を分かったぞ。



 という解釈になりました。

 選んだ色で塗ったのくだりをさらっとサビに持ってきて軽快に歌い上げるところが流石BUMP OF CHICKENだと思います。

 ああ、こんな含みを持たせた意味深なセンテンスが自分の作品にも出せればいいなあ。


 ちなみにこれは私の解釈ですので、「違う」と感じた方もいらっしゃるかもしれません。特に出だしの夜勤とか。

 もしもそういう方がいらっしゃったら是非とも教えてください。

 私は「これはこうなんじゃあねえか」とか「いやいやこういう考え方もあるぜ」という答えの無い論議が好きですので。

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