第7話

 今回は説明回です。


 今現在で公開できる設定を全部書きました。

 後々この設定を使うときにはまた流れで説明させると思うので、読んでて、つまんねぇな!!!と思った方は飛ばしてOKです。

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 さらに半年が経ち、俺は1歳半になっていた。


 この家には図書室という、なんで家の中にあるのん? と言いたくなるような部屋があったので、この半年間でそこに入り浸り、この世界のことについて調べていた。

 ちなみに、未だに一人で家の中を歩くと迷子になるが、図書室への道だけは完璧に覚えている。

 断じて迷子になってメイドさんに笑われながら部屋に連れてかれたなんてことはない。ないったらない。…最近は。


 そんなことはさておき、今日は調べたことについて紙にまとめようと思う。ペンは羽ペンみたいなやつで紙は羊皮紙だけどね。


 まず、ーーこれは図書室で調べたのではないがーーこの家についてだ。

 この家は、裕福な家の中でもかなりの地位を持っているようだ。なんでも、エマがものすごい魔法士だったり、ヘンリーはエマ程ではないがではないが十分すごい魔法士で、王族の護衛の時に、持ち前のフレンドリーさを発揮し、王族とかなり仲が良かったりするのだ。

 王族とか言うめっちゃめんどくさそうな人と仲良くなるヘンリーのコミュ力ぱねぇっす。

 エマのものすごいというのは…まぁこの国の制度と一緒に後で書こう。


 まぁ、すごい魔法士のエマと王族と仲がいいヘンリーがくっついたらそりゃ財力も地位もある家柄になるよねって話だ。

 因みにこの家と土地は結婚の際に王様から直々に与えられたらしい。本当は断るつもりだったのだが公の場で授与され、断るに断れなかったとヘンリーがぼやいていた。




 次に、この国についてだ。


 まず、この世界は『世界統一』がされている。

 つまり、この国は唯一にして最大の国なのだ。名前はそのまま『王国』だ。地方の名前はそれぞれ決められているが。


 いや、今よく考えたらヘンリーって唯一の王族と仲いいんだよなぁ……たまに「ちょっと王子と飲んでくるぜ!!!」って言って家出てくし…あの人も大概だなぁ。


 次に魔法士制度について書こうかな。

 って言っても単純なもので、魔法士には階級があり、一番下の階級から、

 魔法士見習い、魔法士5級、魔法士4級、魔法士3級、魔法士2級、魔法士1級、魔法士特級、魔法士極級

 と、なっている。

 この中で一番多いのは魔法士見習いではなく、魔法士5級だったりする。


 エマはこの中でも魔法士特級に位置している。魔法士極級は、この世に3人しか存在しておらず、一人は残念ながら他界してしまっている。

 そして、魔法士特級も8人しかいない。つまり、エマは現存している魔法士の中で少なくとも10指に入る腕前ということがわかる。

 なぁ…なんかうちの両親やばない?

 あの人たち家では、


「エマ、今日も君は可愛いなぁ…」


「ふふっ、ありがとう、あなた。あなたもいつも通り世界一かっこいいわよ?」


 って会話が毎日発生するぐらいのおしどり夫婦なんだぜ?

 こんなのがすごい人たちなんて信じられねぇ…


 因みに、こういった家では親子でも厳格に接しなければいけない家が多いそうだが、俺は全くしていない。

 あくまでも親子として接していきたい。てか家ではあんだけポンコツなヘンリーに敬語とか普通に嫌だ。


 何の話だっけ? ああ、そうだ、王国についてだ。


 王国は紛争とかもなく言語も統一されているのでとても平和だ。犯罪に関する法律とかも割とちゃんとしてるしな。

 しかし、そんな平和なこの国でも、否が応でも国全体が緊張し、空気が張り詰める時期がある。

『外』の探索の時だ。


 この世界は統一されてはいるが、地球のように、全ての土地が開拓されているわけではない。王国の『外』は未知の世界なのだ。

 さらに、魔物と呼ばれる獣も居るらしい。

 そんな世界を探索し、新たな領地にするために、年に一度くらい魔法士達が派遣される。

 外には何でも治せる薬草や、貴重な魔法具の素材などがあり、それを取りに行くために派遣されるという側面もあるそうだ。


 もともとは『外』の危険も少なく、小さい魔物が出るぐらいだったそうなのだが、約20年ほど前に魔法士4級も連れて大人数で『外』へ行った時に、新種の大型の魔物が出現し、大量の死者が出たらしい。

 それからは1級以上かつ希望者以外は『外』へは行けないようになったが、一度に大量の死者が出た不安は民衆からはぬぐいきれず、その時期は空気が張り詰める。


 まぁ『外』からの恩恵が余りにも大きいために『外』の探索をやめるつもりは無いらしいが。

 いや、もしやめたら民衆が反対運動を起こすだろう。王族は緊急事態にしか恩恵を使わず、その緊急事態の中には民衆の死の危険なども含まれるのだから。


 この国について分かったことはこのぐらいか。



 じゃあ、最後に、魔法についてだ!


 いやー、ルドから話聞いてる時はどうでもいいと思ってたけど前の世界で中々のゲーマーだった俺ですから。嫌でもテンション上がっちゃうよなぁ〜〜!!


 まず、第一に、魔法とは先天的なものらしい。生まれた時点でどんな魔法が使えるかが決まるために、使いたい魔法を覚える! とかは出来ないようだ。

 ついでに、魔力量も先天的なところが大きいようだ。しかし、これについては修行次第で何とかなるみたいだな。


 そして、魔法を使えるのは8歳からと決まっているらしい。なんでも、8歳になると、国から、ギフトブックなるものが渡され、それに持ち主登録をすると自分の持つ魔法とその概要がギフトブックに自動的に記載され、使い方などが分かるらしい。

 8歳未満でもギフトブックに登録をすれば魔法は使えるらしいのだが、幼い時期に使うと、魔力が暴走し、周りに被害が及んだり、自身の魔力が枯渇してしまい、一生魔法が使えなくなる可能性があるらしいため、国が厳しく禁止しているそうだ。


 つくづく思うけどこの国の王族めっちゃ有能だよね。


 あ、そうだ。ギフトブックに登録した時点でその人は魔法士見習いとなり、学校に入学することとなる。ちなみに通うに当たってのお金は全て王族持ちだ。

 魔法は最初は誰でもレベル1である。そして、使える魔法も少ない。

 例えば、『火魔法』を覚えていた場合、ギフトブックには、

 火魔法(1) 使用可能魔法 ファイアーボール

 と、記載される。

 これがレベル2になると、

 火魔法(2) 使用可能魔法 ファイアーボール、ファイアーランス

 と、なるわけだ。

 そして、レベルがMAXになると、火を自由自在に操れるようになる。魔力操作によっていろんな形にしたり、つぎ込む魔力の量によって魔法の規模を変えたりすることもできる。

 学校では自身の魔法がレベルMAXになるまで在学することになる。


 レベルMAXになるまでのレベル数は魔法によって違うらしく、3年ほどで卒業できる人も居れば、10年以上かかる人もいるらしい。まぁ長い時間をかけた人はもれなく強いらしいが。


 こんな感じでレベルMAXになると、卒業、ならびに魔法士5級に昇格だ。しかし、ここから魔法士4級になるには、一定期間ごとに組まれる試合に決められた数だけ勝たなければならない。

 ここで、レベルMAXで使えるようになる魔法だ。自分で自由に形を変えられるのだから、臨機応変に対応できて、圧倒的に強い。

 しかし、魔力操作というものが曲者で、自分の思った通りの形にするのがとてつもなく難しいのだ。


 そのため、結局覚えている魔法を使う人が多い。だが、もちろん自由自在に魔法を操れる人には負けてしまう。

 しかも、そんな人は時間とともにいくらでも現れるのだ。センスがいい人はすぐ出来るようになるし、修行次第では出来るようになるからな。そして、その人が勝ち星をかっさらっていく。その結果、魔法士5級でいつまででも燻っている人が多く、5級の人数が多くなってしまうのだ。


 魔法には、火、水、風、光、闇魔法という、基本魔法の他、レア魔法、ユニーク魔法というものがある。

 ユニーク魔法には2種類あり、今まで出現したことが無い魔法と、魔法の横に黒い印がついた魔法がある。

 黒い印が付いていると、その魔法は今後一切同じ魔法を使う人がいない、本物のユニーク魔法であることがわかる。これは神から授けられたものとされている。

 反面、黒い印がついていないものは今のところはユニーク魔法だが、レア魔法のようにこれから使える人は出てくるだろう、というものである。どっちかというとレア魔法寄りだな。

 レア魔法とユニーク魔法には強いものが多いそうだ。

 事実、魔法士極級の3人は黒印つきのユニーク魔法である。

 基本魔法だけで特級までいっているのなんてエマくらいだろう。まぁエマは火、風、光の3属性を持ち、全てを使いこなした挙句、複合魔法まで作る化け物だそうなのだが。


 ああ! 俺はどんな魔法を使えるのかな!! 馬鹿でかい火球とかぶっ放すのも面白そうだなぁ…。

 あれ? なんか忘れてる気がするぞ? まぁ思い出せないことだからどうでもいいことことなんだろう。




「ふぅ…まぁこんなところかな。全部書ききっただろ。今のうちに読み返しとくか。」


 そう思い、読み返そうとしたが。






「字ぐちゃくちゃで全然読めねぇー…」




 1歳児の指先がそこまで器用なわけないよね!w


 泣きそう………。


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 どうでしたか?設定資料とか読むの好きな方はなかなか面白かったと思うんですけど…


 次の更新は明日です。

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