第2話


 気がついたら、そこにいた。


 何があったのかは覚えている。俺は後輩をかばってトラックに轢かれて死んだはずだ。というかあの痛みと恐怖を忘れられるわけがない。





「で、君は俺を天国やら地獄やら異世界やら現世やらゲームの中の世界やらに連れてってくれるのか?」


「おおう、すっごい冷静ですね…」


 俺の前には「いかにも女神!」みたいな羽衣を纏った幼女が立っていた。


 かわいい。


 決してロリコンではありませんけど。いや本当に。本当だからな!!


「まぁ、死んだからな。で、なんだが…」


「いえ、分かります分かります。貴方は私について知りたいのですね?まぁこんなに可愛い子が目の前にいたら気になりますよね!んっ! こんにちは。私の名前はルド。そしてなんと!私は!め・が・m「あーそうじゃなくてだな、その話、ここで話すことなのか?」



 そう、今現在居るこの場所は何というか…片付けができない子供の部屋みたいな…ただの汚い部屋だった。


「え?あ…」


 女神…ルドだったっけ? …ルドは少しほおを染めると、パチンッ、と指を鳴らした。


「…は?」

 思わず声が出た。

 ほんの少しの浮遊感とともにさっきとは似ても似つかない、アニメとかでもありそうな真っ白な空間に俺はいた。



「おお、すごいな。こんなこと出来るのか。」


「まぁ簡単な空間転移ですしね…。それよりも!………さっき見た部屋のことは忘れてくださいね…?」


「お、おう、分かった。」


 目が怖かったので素直に頷いておいた。後輩もだが女って何で急にあんなに怖くなるのん?

 それに何とは言わないがなんかおもちゃ的なものもあったし…うん、おもちゃ。だからまぁ忘れるように善処しよう。善処するだけだが。


「はぁ…まぁすぐ転移したしあれとかあれは見えてはないと思いますが…」


 ごめんなさい見えてました。


「それはそうと!真面目な話をしますよ!まぁまぁ長いので心して聞いてくださいね!」


「うわぁ…無理やりだなぁ…」


「いちいちうるさいですねぇ!真面目な話をするって言ってるんだから黙っててください!…そんなんだから童貞なんですよ」


「は!?おい!!お前言ってはいけないことを!!!!」


「ふぇ!?そんなに怒ります!?」


「怒るわ!!童貞は童貞を指摘されたら悲しくなって塞ぎ込んでどうにもできなくて取り敢えず怒るんだよ!!!」


「うわぁ…この世で一番めんどくさい生き物なんじゃないですかそれ…この世から無くした方が「出来るもんならやってくれよ!」あ、はい。すみません、出来ません」


「…だいたいお前も未経験だろ」


 ボソッと、聞こえるか聞こえないかの範囲で言ったのだがどうやら聞こえていたようで、


「しょーーーがないじゃないですか!!女神ですから!!!清く正しい存在なんですから!!!!!」


「ほーーん??清いとなぁ!?じゃあさっきの部屋にあった大人のおもち「わああああああああああああそれ以上はNGです!!!NGワードですよ!!!今すぐ記憶から抹消しなさい!!!」


「「はぁ…はぁ…」」


 俺は言った。


「なぁ、どっちも悲しくなるだけなんだし終わりにしないか?」


 我ながら天才の発想だと思った。


「そうですね、終わりにしましょう忘れましょう。あれ?私達はなんの話を…」


「お前の部屋に電「ぶっ殺すぞ童貞」すみませんでした」


「はぁ…真面目な話をするんでよーく聞いて下さいね」


 そう言うとルドは疲れた様子を見せながら軽く咳払いをした。




 ……女神ってこんなにも人間くさいのな。

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 ここら辺は正直急ぎすぎかな、とも思いましたが早く後輩出したい気持ちが強いのでので許してくださいo(╥﹏╥)o

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