第4話 なんて最悪な1日なんだ… (おまけ)

「じゃ、じゃあさようなら。また明日」


 そう言って篠崎君はさっさと帰ってしまった。

 なんか逃げられたみたいなのが癪に障るけどまあいいわ。

 私は部屋に戻り、すぐさまベッドに倒れ込んだ。


「ふぅ……」


 篠崎君が帰ってからずっと心臓がドキドキしているのが分かる。

 だってなんか今日の篠崎君はとても優しいし、かっこいいのよ。

 いや、普段から優しくて、かっこよくて大好きだけど! 大好きなんだけど! それでも今日の彼はいつにも増してかっこよかったわ!

 それにしても、あんな風に言われて喜びを顔に出さないようにするのは本当に大変だったわ。まあ彼は、私がどれだけ幸せな気持ちになったのかも分かってないんでしょうけど。

 大体篠崎君は鈍感すぎるのよ。いくら私が素直になれない性格だとしても、ちょっとぐらい気がついてもいいじゃないの? 全く、本当にしょうがないんだから。

 ……まあ、本当は私がもっと早く気持ちを打ち上げることが出来ればよかったのだけど、それが出来ないから困っているのよ。どうにも人と話すとなると、緊張して上手く話せないのよね。

 でも、こんなどうしようもない私を篠崎君は受け入れてくれたし、もし私が篠崎君にきちんと告白出来たら、それも受け入れてくれるのかしら。

 いや、篠崎君に好意を抱いているのは私だけじゃないないのよ。

 そう考えると、やっぱり藍川さんが強敵だわ。幼なじみってだけでも向こうにアドバンテージがあるのに、彼女はあれだけストレートにアプローチ出来るんだから。

 篠崎君は、今は迷惑がっているような感じだけど、本気で彼女に告白されたら受け入れてしまうかもしれないじゃない!

 うっ、想像しただけで、なんか涙が出てきたわ。

 と、とにかく、明日からもっと篠崎君にアプローチをしていかないと。

 そして私は、両手に力を込めて決意した。


「絶対に振り向かせて見せるんだから!」






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